あるテーマについて、どこまでも深く語り合う『JEF TALK』。
今回は特別編として、今季の命運を懸けた名古屋グランパスとの大一番について、
キャプテンとして最終ラインを統率する近藤直也が
チームの意志を代弁し、そして自身の“今”について語ります。

インタビュー・文=細江克弥

ポジティブな変化。

近藤直也選手

―― 明日は名古屋グランパスとの大一番。チームは5連勝。J1昇格プレーオフ進出の可能性も、厳しいけど感じられる。キャプテンとして、チームの現状をどう見ていますか?

近藤5連勝ね……。いや、なんか、そんなに意識してないんですよ。5連勝しているという感覚もそれほどない。ただ、毎試合いい感じで、自分たちのサッカーができている時もあるし、もちろんできていない時もあって、どちらも感じながら闘っている状態というか。結果的に勝ち切れていることは大きいですよ。強いチームが入っていく“ゾーン”というか、「この感じなら簡単には負けない」というところには少しは入っていけているのかな。もちろん、挙げればキリがないほど、細かいこと(修正点)はたくさんあるけど。

近藤直也選手

―― まずは、その感覚を持てていることが大切。

近藤そう。“勝ち切る”という意味では、もっと楽に勝つ、または、自分たちでもっと楽にすることができる試合は多いと思うんです。例えば、この前の2-1の試合(第40節・FC町田ゼルビア戦)。3-0にするチャンスがあって、それを決めていれば“ほぼ終わり”の試合。でも、それを決め切れずにやられる。そういう試合はいくつもあるんで、そこはやっぱり、少し気になる。

―― 確かに、この5連勝中にもそういう場面はありました。

近藤うん。2-0とか1-0の状態で気を抜く……気を抜いているわけじゃないけど、ほぼ崩して、あとは決めるだけというシーンはないわけじゃないし、それを決めるかどうかで勝敗は変わってくる。残り2試合の相手(名古屋グランパスと横浜FC)はどちらも昇格争いに絡んでいるんで、単純だけど「しっかり決めて、しっかり守る」が大事になる。やるべきことを、きっちりやらないと。

―― ただ、「決めるべき時に決める」と「守るべき時に守る」は、結果が出ない時期にも感じていたと思う。その時の感覚と、今の感覚は少し違う?

近藤うーん……まあ、その時よりも、ゴールを奪う力は間違いなくありますね。決めるべき時に決められることもある。もうちょっとだよね。あと一歩という気がします。

―― 何が変わったんでしょう。

近藤それが分かればサッカーは簡単ですよ(笑)。後ろから見ていて思うのは、前に出て行く時の迫力がちょっと違う。カウンターに入った時の前の選手のスプリント。町田戦でも、相手の選手が戻るよりも、ウチの選手が前に出て行くスピードのほうが速かったから。そういうところの違いは感じる。

近藤直也選手

―― でも、例えば、カウンターの練習をしたからと言って出足が速くなるわけじゃないし、シュート練習をしたからと言ってゴールが決まるわけじゃないと思う。

近藤そのとおりだと思いますよ。攻撃の選手は、切り替えやシュートに対して以前から高い意識を持っていたし、練習の内容や質が最近になって急に向上したわけじゃない。だから、違うのはメンタルだよね。勝っている時のメンタルと、負けている時のメンタル。単純だけど、ボールを奪った瞬間に「いける!」と思えれば、当然、前に出るスピードは上がるから。

近藤直也選手

―― 逆に、守備から攻撃に切り替える瞬間、最初のパスがミスになることが何回かあれば、前に出て行く力が落ちるのも当然のこと。

近藤そう。それって、1歩、2歩という微妙な違いかもしれないけど、めちゃくちゃ大きいんですよ。たぶん、今はそれを100%に近い状態でできている。確信があるかないか。仲間に対する信頼があるかないか。その差。

―― 同じことは、守備にも言える気がする。細かいところは分からないけど、例えば試合終盤でも「気持ちが切れていない」と感じることは増えた気がします。

近藤そうかもしれないですね。自分はスタンドから見ているわけじゃないから分からないけど。もちろん、気持ちは毎試合入ってますよ。それは間違いない。でも、やっぱりチーム全体として“いい流れ”にある時は、攻撃だけじゃなく守備の“足”も動くよね。ホントにちょっとした違いなんです。でも、そのポジティブな違いが11人に起これば、大きな力になる。