フクダ電子アリーナ 10th Aniversary

REPORTERS記者が語るフクアリ

REPORTER04

あの雰囲気のおかげで最後の一歩が出て頑張れる

スカパー!ピッチレポーター野中 智子

2005年10月の「フクアリこけら落とし」から、気がつけばもう10年が経つんですね。当時私は、NHK千葉放送局でリポーターをしていました。元々ジェフサポーターで、臨海競技場に制服姿で通っていた私に、「ジェフのサッカー専用スタジアムができる!」というニュースは、驚きと同時にワクワクした気持ちをもたらしてくれました。

サポーターとしてユニフォームを着て観戦に行くのはもちろんのこと、新しいスタジアム完成に何とか仕事で携わりたい!と思い、当時の関東全域に放送される番組の千葉局責任者に、企画書を提出しました。専用スタジアムができる「蘇我の街の人たち」を主体に作ったリポート企画は、無事通過。フクアリこけら落とし前に、蘇我、特に今井町の方々に取材をお願いし、事前の様子を撮影しました。

そして、10月16日当日。まだ開場前のフクアリに足を踏み入れました。忘れもしない、あの雰囲気。青々と生い茂る芝生、盛り上がる前のスタジアムの凛とした空気、静けさの中でも感じることのできたワクワク感。ちょうど、今のアウェイ自由席のコーナー最前列で、「今日こけら落としのフクダ電子アリーナ。ここが最前列の席なのですが、ご覧ください!ピッチが近い!!」とリポートしたことを思い出します。

フクアリのスタート時は、NHK千葉放送局で。その後、チバテレビのジェフ応援番組のMCとして試合にお邪魔し、記者席で観戦。そして、記者席から試合を見ながら、ずっと憧れていた「選手と同じピッチに立って、ベンチ脇でリポートしたい」という願いを叶え、今は「スカパー!」ピッチリポーター。あの日以来、私の仕事人生もフクアリと共に時を重ねています。ちなみに、市原臨海競技場は、私のサポーター人生と一緒に時を刻んでくれました。

この10年の間に、様々なドラマが繰り広げられたフクアリ。喜びの涙もあれば、悔し涙もあり・・・。「フクアリは不思議なパワーがでる。あの雰囲気のおかげで最後の一歩が出て頑張れる」と語るジェフの選手がいれば、相手チームの選手も「フクアリは本当にいいスタジアム。あそこでプレーできるのは嬉しい」「あの雰囲気は独特。のまれないようにしたい」と語ります。長崎の高木監督は、フクアリ対策として「あの雰囲気にのまれないように」と、ジェフのチャントを大音量で流して練習を行ったこともあったそうですよ。

ピッチがすごく近く、声が反響する構造、戦う選手、そしてそれを応援するサポーター、すべてが一緒になって作り出す、あの雰囲気の中で、これからも数多くの喜び・感動があふれることを期待しています。

野中 智子

スカパー!ピッチレポーター