TOP TEAM選手・試合情報

試合日程・結果

2014 SEASON MATCHES試合日程・結果

我慢の末に手にした歓喜


延長戦を含めた120分間を戦い終えて1-1。異様な緊迫感の中で13人目までもつれたPK戦は、12-11というスコアでようやく決着した。ジェフは宿敵・柏レイソルを破り、「千葉ダービー」を制して4回戦進出を果たした。

前日のトレーニングを完全非公開とした関塚隆監督の戦術は、多彩な攻撃を仕掛ける柏を相手に狙いどおりに機能した。

システムは4-2-3-1。関塚監督は、3日前のロアッソ熊本戦からスタメンを8人入れ替えた。

GKは高木駿。DFは右から竹内彬、キム ヒョヌン、大岩一貴、佐藤祥の4人で、中盤はダブルボランチにナム スンウと田代真一が並び、右サイドに田中佑昌、トップ下に町田也真人、左サイドに山中亮輔が位置。最前線に森本貴幸が入り、守備時には町田が高い位置を取って前線からのプレスを試みる。

3-4-2-1システムを採用する柏の強みは、サイド攻撃にあった。しかしジェフは、連動的な守備でうまくスペースを消して柏の攻撃を寸断。中央ではセンターバックとボランチの4人でうまくマークを受け渡し、守勢を強いられながらも安定感のある守備を見せた。前半は相手の攻撃に耐える時間が続いたが、それでも慎重に守備のバランスを維持し続け、前半をスコアレスのまま折り返した。

攻撃のテンポが上がってきたのは後半に入ってからのことだ。ジェフは前線の選手が流動的にポジションを入れ替え、柏の3バックの両脇に空いたスペースを突いて攻撃を仕掛けた。53分には竹内と町田のコンビネーションで局面を打開し、最後は竹内がシュート。これはGKに阻まれたが、決定機と言えるシーンだった。

試合後、関塚監督はこう振り返っている。

「押された時間もありましたが、後半は勇気を持って前に出ていってくれました。これを力として、これからもっともっとチームを成長させていきたいと思います」

しかし時間の経過につれて、試合は徐々にオープンな展開へと推移する。それにともなってジェフの運動量は落ち、中盤で主導権を握られる苦しい展開を強いられた。64分にはナム スンウに代えて井出遥也、78分には森本に代えてオナイウ阿道を投入。90分間をしのぎ切って、試合はスコアレスのまま延長戦に突入する。

待望の先制点は108分に生まれた。ゴールを奪ったのは、公式戦初出場のオナイウ阿道。このゴールを最後まで守り切れなかったことが悔やまれるが、苦しみ抜いた末に手にした勝利だったからこそ特別な歓喜が待っていた。

13人目のキッカーは、1巡目2番手で唯一失敗していた町田。これを冷静に蹴り込み、歓喜の瞬間が訪れた。経験豊富な関塚監督にとっても、PK戦が2巡目に突入したのは初めてのことだった。

「みんなが『勝つ』というところで一つになって、勝てたんじゃないかと思います。1日1日を積み重ねていくことが今は非常に大事だと思いますし、今日は(これまで)試合出場の時間が少ない選手たちがここまでやってくれたということは非常に満足していますし、(起用について)これから頭を悩ませるような状態になっていけばいいなと思っています」

オナイウ阿道のゴールは、2試合連続で無得点に終わっていたチームにとって大きなプラス材料だ。これまで出場機会が限られていた選手たちが活躍し、結果を残したことも大きい。ダービーを制して4回戦へと進む天皇杯はもちろん、リーグ戦においてもこの勢いを力に変えて、勝利を手にしなければならない。

PHOTO GALLERY試合フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大します