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2014 SEASON MATCHES試合日程・結果

再び120分の激闘を制し、準々決勝へ



 本拠地フクアリにV・ファーレン長崎を迎えた天皇杯4回戦(ラウンド16)は、延長戦後半に生まれたケンペスのゴールで逆転勝利。天皇杯においては、2012年以来、2年ぶりとなるベスト8進出を決めた。

 120分間の激闘を終えた関塚隆監督は、試合後の記者会見でこう振り返った。

 「天皇杯の一発勝負。前半は、先制されて前への推進力がなくなってしまった。後半は同点に追いついたゴールから攻撃的に行くことができて、私自身もチームがガラッと変わったという印象を受けました。苦しい試合に勝利できたということはチームにとって収穫と言える試合だっと思いますし、サポーターに感謝したいと思います」

 この日のシステムは4-2-3-1。GKは高木駿。DFは右から山口慶、大岩一貴、田代真一、佐藤祥の4人。ダブルボランチにナム スンウと佐藤勇人が並び、右に田中佑昌、左にジャイール、トップ下に幸野志有人が位置。前線にはケンペスという布陣を組んだ。


 前半は、なかなかペースをつかめない苦しい展開が続いた。開始直後の10分には右サイドを崩され、長崎の長身FW小松塁にクロスをヘディングで押し込まれる。手痛い先制ゴールを喫してリーグ戦未勝利の相手に対する苦手意識に拍車が掛かったのか、ジェフはその後も主導権を握れないまま攻めあぐねた。

 最終ラインを高く設定し、前線からプレスを掛けてくる長崎に対し、ジェフは横パスをつないで縦に仕掛けるタイミングを探った。しかしミスからカウンターを招くとサイドを崩され、クロスを放り込まれてピンチを招く。前半のシュート数は「2」。それでも佐藤勇人は、この前半を決してネガティブには捉えていなかったと振り返る。

 「攻撃面でなかなかうまくいかない展開でした。ただ、焦れば相手のペースにハマってしまうことは分かっていた。1点を失ったとはいえ、それ以外に大きなピンチがあったわけではありません。だから、冷静に気持ちを切り替えて後半に臨めば、必ずチャンスはあると思っていました」

 後半開始と同時に、関塚監督はジャイールに代えて町田也真人を投入した。その狙いは次のとおりだ。

 「相手が“5+4のブロック”を作った時は、そのラインの間のスペースでボールを受けられるプレーヤーが必要だった」

 この交代は見事に的中し、後半開始直後の46分に同点ゴールが生まれる。ロングボールに反応したケンペスがヘディングで相手最終ラインの裏に流すと、そこに飛び込んだ町田が相手ともつれながらも冷静にゴールに流し込んだ。

 後半開始早々のゴールで試合を振り出しに戻したジェフは、ケンペスのポストワークを起点とする攻撃でリズムを取り戻した。町田がトップ下に入ったことで左サイドに位置した幸野は、関塚監督が求めたインサイドに飛び込む動きでケンペスをサポート。選手の距離感が改善されたことでセカンドボールを拾えるようになり、中盤の主導権を握って攻勢を維持した。しかしゴールを奪うことはできず、試合は90分を終えて1-1のまま。3回戦の柏レイソル戦に続いて、この試合も延長戦へと突入する。

 勝負を決める決勝ゴールを演出したのは、97分に投入された井出遥也だった。110分(延長後半5分)、中盤でパスを受けた井出が“スイッチ”を入れる縦パスを送り、ケンペスが落としたボールを再び井出がダイレクトパス。これに反応したケンペスが、飛び出したGKの一歩手前でボールに追いつき、勝利を決定づける逆転ゴールを奪った。

 またしても延長戦にもつれた激闘を制し、ジェフは天皇杯準々決勝へと駒を進めた。一発勝負のトーナメントに勝って手にした勢いを、リーグ戦に生かさない手はない。

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