あまりにも手痛い敗戦に、試合終了直後の選手たちは悲痛な表情を浮かべた。フル出場を果たした井出遥也は、「自分たちの勝負弱さが出てしまった試合」と90分間を振り返った。

　この日の布陣は4-2-3-1。GKは岡本昌弘。DFは右サイドバックに天皇杯のV・ファーレン長崎戦で約5カ月ぶりに戦線復帰した山口慶が入り、山口智が故障欠場となったセンターバックのポジションでは大岩一貴とキム ヒョヌンがコンビを組む。左サイドバックに中村太亮、ダブルボランチには兵働昭弘と佐藤健太郎が並び、2列目は右に井出遥也、左に谷澤達也、トップ下に幸野志有人が位置。1トップには森本貴幸が入った。

　序盤の主導権を握ったのはジェフだった。

　まずは6分、ペナルティエリア手前で谷澤、森本、井出と細かくパスをつなぎ、井出のクロスをファーサイドで待ち構えた大岩がヘディング。このパスを受けた谷澤がワントラップからシュートを狙うが、これは惜しくもゴール左に外れる。さらに16分には右CKからゴールライン際で混戦となり、谷澤が押し込んだかに見えたがゴールならず。攻勢を強めた序盤にゴールを奪えなかったことで、流れは徐々に北九州へと傾き始めた。

　23分にはPKを奪われ、これを決められて失点。さらに前半終了間際の45分には、CKから追加点を奪われてリードを広げられた。ジェフは6本のシュートを放ちながら無得点に終わり、2点のビハインドを追いかける展開を強いられた。

　関塚隆監督は、後半立ち上がりから積極的な交代策に出た。谷澤に代えて町田也真人、兵働に代えてナム スンウを投入。2列目を右から井出、町田、幸野と並び替える。この交代策によって前線に流動性が生まれたジェフは、ボールの主導権を握って北九州を押し込んだ。

　しかし、北九州の組織的な守備ブロックを崩すのは簡単ではなかった。森本が振り返る。

　「後半は0-2で負けていたので、みんなが前から行こうという気持ちでいました。ミドルシュートも増えて攻める時間も長かったので、そこで点を取りたかったし、もっと早い時間帯からああいった形を作れれば良かった」

　圧倒的なボール支配率を誇りながらもゴールを奪えず、迎えた56分。自陣で奪われたボールをつながれると、最後はPKによる先制点を決められた池元友樹にゴールを許し、痛恨の3失点目を喫する。82分に途中出場のオナイウ阿道がリーグ戦初ゴールを記録したものの、反撃もここまで。高い集中力で守備を固める北九州を最後まで攻め崩すことができず、ジェフは1-3で敗れた。


　勝点を伸ばせなかったジェフは、順位を10位に落とした。プレーオフ圏内となる6位大分トリニータとの勝点差はわずかに「2」だが、大混戦模様のプレーオフ争いを勝ち抜くためにここで停滞しているわけにはいかない。次節は9月20日。再びホームで迎える第32節は、勝点差「3」で13位に位置するFC岐阜と対戦する。