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試合日程・結果

2014 SEASON MATCHES試合日程・結果

チームを救う、エースの一撃。


1-1で迎えた90分、見事なターンでマーカーを振り切った森本貴幸が左足を振り抜くと、ボールは相手GK武田洋平の手を弾いてゴールに吸い込まれた。

ロスタイムは7分。ロングボールを放り込む大分トリニータのパワープレーに対し、ジェフはチーム一丸となって森本の決勝ゴールを守り抜く。試合終了のホイッスルと同時に両手でガッツポーズを作った森本は、お立ち台で静かにこう振り返った。

「一発に懸けていた」

エースのゴールで連勝を「3」に伸ばしたジェフは、5位をキープ。上位との差を縮め、また一歩、J1昇格に向けて大きく踏み出した。

この日のシステムは4-2-3-1。GKは高木駿、DFは右から山口慶、キム ヒョヌン、山口智、中村太亮の4人。ダブルボランチに佐藤勇人と佐藤健太郎、2列目に右から幸野志有人、町田也真人、谷澤達也が並び、1トップには森本貴幸が位置した。

立ち上がりの時間帯で押し込まれたとはいえ、1-0で終えた前半は理想的な展開だったと言っていい。佐藤勇人が振り返る。

「大分はやることがはっきりしていて、特に前半、前線からのプレスがイメージよりも激しく、押し込まれてしまったところはありました。ただ、スペースをうまく使ってボールをつなげるようになってからは、自分たちのペースに持ち込むことができた。早い時間に先制点を奪うこともできて、いいリズムで前半を終えることができたと思います」

ジェフの先制点は14分。町田が右サイドからアーリークロスを上げると、中央で待ち構えた谷澤が鮮やかな胸トラップで相手DFのマークを振り切る。飛び出したGKの鼻先で放った左足のループシュートは、ふわりと浮いてゴールへと吸い込まれた。

しかしその後の時間帯は、主導権を握りながらも決定機を作れない時間が続いた。大分の運動量は時間を追っても衰えず、両者が中盤で激しく潰し合う展開が続く。35分には佐藤勇人のクロスに森本がヘディングで合わせるが、これはミートせず。逆に、2度もゴールポストに救われるなど一進一退の攻防が続いた。

後半に入っても大局は変わらず、ハイプレスからのショートカウンターを狙う大分と、それをかわすパスワークに攻撃の糸口をつかもうとするジェフが互いに牽制し合った。

65分と71分、さらに74分のピンチはGK高木のファインセーブで阻止。佐藤勇人は、パスワークの乱れや軽率なコントロールミスから招いたピンチを「改善すべき課題」に挙げた。

「前からプレスを掛ける大分に対して、何をどうすべきか。後半は足下でパスをつなぎ過ぎてしまって、ボールを奪われるシーンが多かった。あのあたりをもっと賢く対応できるようにならないといけない。1-0という状況、大分という相手のことを、頭に入れながらプレーできるようにならないと」

89分には左サイドを崩されて失点。しかしこの苦しい状況からチームを救ったのは、エースの一撃だった。

7分のロスタイムを経て試合終了のホイッスルが鳴ると、大分の選手たちは次々にピッチに倒れ込んだ。その様子が、勝点1差で迎えた両者の対戦の重要性を物語っていた。試合後、勝点3を手にした関塚隆監督はこう話した。

「(失点後)すぐに奪い返すことができたことがチームの成長を表している。多くのサポーターが足を運んでくれた結果だと感謝しています」

リーグ戦は残り5試合。4連勝を目指す次節は、敵地でザスパクサツ群馬と対戦する。

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