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2014 SEASON MATCHES試合日程・結果

望みをつなぐ逆転勝利



「もうひとつエンジンの掛かりが遅いと感じる試合が続いている」

試合後に関塚隆監督がそう振り返ったように、前半は主導権を握りながらも攻め切れない、迫力を欠く時間帯が続いた。

この日の布陣は4-2-3-1。GKは高木駿。DFは右から山口慶、キム ヒョヌン、山口智、中村太亮の4人。ボランチには兵働昭弘と佐藤健太郎が並び、2列目には右から井出遥也、町田也真人、谷澤達也が位置。1トップには森本貴幸が入った。

ファーストシュートは4分。兵働のミドルシュートは左に外れたが、ジェフはこのシュートを機に攻勢を強める。特に左サイドでは谷澤と中村の連係が機能し、何本ものクロスを上げて相手を押し込んだ。しかし、17分には町田、22分と34分には谷澤、さらに39分には森本がペナルティーエリア外からミドルシュートを放ったが、いずれもゴールの枠を捉えられない。ジェフは中盤のパスワークで優位に立ったものの、フィニッシュの局面に持ち込むための「リズム」がなく、不完全燃焼のまま0-0で前半を終えた。

森本のヘディングシュートで始まった後半もジェフのペースで進むかに思われたが、迎えた53分、ジェフはディフェンスラインの背後を1本の縦パスで突かれて宮吉拓実にゴールを許した。しかし、この失点によってジェフの「エンジン」がようやく掛かり始める。

まずは58分、谷澤と町田のコンビネーションで右サイドを崩し、ゴール前で待ち構えた森本がヘディングシュートを決めて同点。63分には投入されたばかりのケンペスが中村のクロスに合わせて逆転に成功する。67分、関塚監督は森本に代えて大岩を投入し、攻撃シフトに切り替えていたシステムを再び4-2-3-1に修正。終盤は富山の勢いある攻撃に押し込まれながらも、1点のリードを守り切って勝点3を手にした。

「エンジン」が掛からないままリードを許す、苦しい試合だった。試合終了と同時とピッチに腰を落とした選手たちの姿に、勝点3を奪ったことに対する安堵感とプレッシャーと向き合い続けた緊張感が表れていた。

試合後、途中出場から流れを変えたケンペスは、値千金の逆転ゴールをこう振り返った。

「すごく難しい試合だった。途中出場で流れを変えて、ゴールを決めることができて良かった。チームのみんなで奪ったゴールだと思う」

この日は今シーズンのリーグ戦におけるホーム最終戦。試合後のセレモニーでは、島田社長、関塚監督、さらにキャプテンの山口慶が口を揃えた。

「まだ終わっていません」

ジェフは望みをつないだが、まだ何も手にしたわけではない。敵地に乗り込む次節はリーグ最終節。勝点3を手にして、まずはJ1昇格プレーオフへの出場権を手にしなければならない。

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