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試合日程・結果

2014 SEASON MATCHES試合日程・結果

挑戦は続く。

「あと1つ」の大きな壁を越えることができないまま、約束の地を目指したジェフの戦いは幕を閉じた。

「ジェフに関わるすべての皆さんに、昇格という結果を届けられなくて申し訳なく思います。1点をこじ開けることができなかった。それが現実だと思います。試合の入り方としては、我々も勝ってつかみ取るということで臨みました。1点を奪われ、後半も時間がある中で、最後の最後まで選手たちは足を動かしてくれました。それでも、相手の気持ちが一歩上回ったのではないかと思います」

 試合後の記者会見で関塚隆監督がそう話したとおり、ピッチに立つ選手たちは最後までゴールを狙い、走り続けた。それでも、自分たちが目指したサッカーはできなかった。佐藤健太郎が言う。

「普段どおり試合に臨もうと思っても、こういう状況で自分たちのプレーを表現することが難しかった。やりたいことはあるけど、それをチームとして機能させることがうまくいかなかった」

 試合終了のホイッスルからもしばらく立ち上がることができなかった山口智も、同じようなことを感じていた。

「試合の入り方は悪くはなかった。こういう大事な試合になると日頃からやっていることが出ると思うし、できていない部分はできていないままの状態で出る。そこは自分の未熟さだと思うし、そういうことも含めて何とかできなかった自分が悔しい」

 試合の入り方は悪くなかった。ジェフは相手が得意とする前線からのプレスをかわしてシンプルな縦パスで前線にボールを運び、全体を押し上げてプレッシャーをかけた。開始直後の3分には中村太亮のCKが直接ゴールに飛び、6分には中盤でルーズボールを拾ってショートカウンターを仕掛ける。さらに、25分には中村のCKから町田也真人がヘディングシュート。直後の29分にも森本貴幸のポストプレーからテンポのいい攻撃が生まれた。

 しかし守勢に回った山形もリスクを回避するロングボールを多用した結果、両者が中盤でルーズボールを奪い合う時間帯が続いた。すると試合のペースは山形へと傾き、それまで決定機を作らせなかったジェフが徐々に押し込まれる。命運を決定づけるゴールが生まれたのは、その矢先の37分だった。

 山口慶は、うつむきながら言葉を絞り出した。

「相手との差はなかった。チーム全体が硬かった部分はあるけど、それでも良かった。とにかく失点がすべて。あの1点がすべてです」

 後半は本来のサッカーを取り戻した。シンプルなパスを前線に送るのではなく、短いパスをテンポ良くつないで相手を揺さぶった。特に60分以降は最終ラインと中盤でパスをつないでリズムを作り、サイドから攻撃を仕掛けてチャンスを作った。関塚監督は77分に町田に代えてケンペス、85分には幸野に代えて田中佑昌を投入し、ゴールをこじ開けるべく手を打った。それでも、最後までゴールを奪うことはできなかった。

 町田が言う。

「最後の最後まで諦めなければ、絶対に勝てると思ってプレーしていました。チャンスはありましたし、点を取る力もあった。でも、今日の試合では得点できなかった」

 その理由について、佐藤勇人はこう話した。

「本当に、勝負弱さに尽きる」

 ジェフの2014シーズンはこの敗戦をもって幕を閉じた。それでもなお、約束の地へと向かうジェフの戦いは終わらない。

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