連戦の中、今日の試合にいかに集中できるかが大事でした。前節のロアッソ熊本戦で連敗を止めて、その中でホッとすることなく相手を叩くという意味で、選手たちはいい試合の入り方をしてくれたと思います。最初のチャンスを決めていれば、もっといいスタートだったと思います。

相手は我々を分析しながら戦い方を整理してきたと思いますが、我々のストロングポイントとウィークポイントをチーム全体でサポートしながら戦うことができました。非常に堅いゲームができたのではないかと思います。多くのサポーターと勝利を一緒に喜べたことに満足しています。これからアウェイゲームが2試合続きますが、しっかりと準備して、我々の戦いを一つひとつ積み上げていきたいと思います。

───今シーズン初めて、町田也真人選手と井出遥也選手が同時にスタメン出場しました。その意図と評価をお願いします。

連戦が続く中で、前節は井出のところに田中佑昌、オナイウ阿道のところに町田を起用しました。彼自身が動けるようになってきましたし、連敗の中で彼の好守にわたるスイッチの役割に期待しました。前節は60分程度の出場でしたが、中3日の回復具合を見て起用しました。今日の試合でも、チームにおけるインパクト、好守にわたる運動量で表れていたと思います。井出は一週間準備してきた中で今日またチャンスを与えましたが、前に行く推進力は出せていたのではないかと思います。

─── 試合中、井出選手と金井選手を同時に呼んで指示されていました。その内容について教えてください。

相手がサイドチェンジを使って奥（自陣深く）にボールを入れてくること、それから、寺田（紳一）選手のポジション取りがうまくて、スペースでボールを受けられるところがあったので、そこをサイドバックと中盤のポジショニングでコミュニケーションを取ってケアするようにと指示しました。

─── 中村太亮選手は持ち味の左足で決定的な仕事をしました。

我々の攻撃のストロングであることは確かだと思います。ただ、彼がさらに成長するためには、好守にわたってもっとできるようになってもらいたいと思います。

─── 「勝つこと」と「内容を追求すること」について、監督としての考え方を教えてください。

サッカーはコンタクトのあるスポーツなので、キレイさだけではできないでしょうし、今日の試合でも、相手は前への推進力を出してきました。その中で、我々が受けて立った時間帯もあったと思います。そうした展開の中では、足先だけのプレーではダメですよね。選手それぞれには体の大きさ、強さ、スピード、判断の早さ、足下の技術、身のこなしというふうに特徴がありますから、それをどこで、どのように使うかがとても大切であり、日本人がアジア、世界で戦うために大事だと思います。それが個人の局面で発揮できていれば、チームのためになります。そういった部分を、我々コーチ陣が日頃のトレーニングで積み上げているところです。

試合ではしっかりと自分の色を出しながら、ゼロで抑えて試合を終えるということを頭に入れながらやっているので、こういう試合でそれができたことをすごく嬉しく思います。この流れを次につなげていきたいですね。

今日は組織として、いい守備ができていたと思います。相手に大きくて強い選手がいれば、そのマッチアップで100%勝てるわけではありません。そういう時に、複数の選手で役割分担をして対応できるように声を掛けているし、いい連係ができていると思います。今日は相手に決定機を作られるというシーンもなかったので、守備に関しては全く問題なかったと思います。

守備でリズムを作ってその勢いで攻撃ができているので、これは今までになかったスタイルで、みんな伸び伸びプレーできていると思います。昔は追い込まれてプレーしてた部分もありましたが、そういうプレッシャーから解放された感じはありますね。今はチームの雰囲気もいいですし、すごくまとまりがあると思っています。

プレーについては、チームの攻守の切り替えがすごく速くなっているし、ボールを奪われてもパウリーニョを中心にすぐに奪い返してくれるので、前の選手は安心して思い切ったプレーができています。選手それぞれ、得意な部分は違いますが、（田中）佑昌なら縦への速さやクロスボール、ハル（井出）なら足下の技術やスルーパスなど、ピッチに立つ選手それぞれの特徴を分かっているので、（前線の選手の組合せが変わっても）特に問題はありません。今日は（町田）也真人がトップ下でしたけど、人を使うのが本当に上手いので、裏に抜ければボールが出てくるし（自分が）ゴールの近くに行けるというところが特徴だと思います。ただ、僕自身はゴールを決めてないので、みんなからイジられてます（笑）。そろそろ決めたいですね。

今日は前節の熊本戦よりも動けていたと思います。サイドバックの太亮（中村選手）と貢史（金井選手）はパス出しが上手いので、裏に抜けることを考えてプレーしましたが、そこはうまくいったかなと思います。高いボールはネイツに任せて、そのこぼれ球を意識してセカンドボールを拾えるようにと思ってやっていました。

相手が退場して1人少なくなったこともそうですが、その時のフリーキックで太亮が追加点を取ったことが一番大きかったです。（先制点も含めて）セットプレーで点を取ることはできるというのは非常に大きいですね。流れの中から点が取れなかったことは自分としてはもの足りないですが、セットプレーも大事なので継続してやっていきたいと思います。コンディションは前節より上がってきているので、次の試合も今日よりもいいプレーをしたいし、今日はシュートを打ってないので、そのあたりは意識してやりたいと思います。