試合後の記者会見に現れた関塚隆監督は、腰を下ろして大きく息を吐き、「非常に残念です」と言葉を漏らした。

ホーム・フクアリに3位ツエーゲン金沢を迎えた第14節は、後半アディショナルタイムに喫した同点弾によってドロー決着。「あと一歩」で勝点3を逃した悔しさは、試合後の指揮官の表情に表れていた。

この日のフォーメーションは4-2-3-1。GKは高木駿。DFは右から田代真一、キム ヒョヌン、大岩一貴、中村太亮の4人。ダブルボランチにパウリーニョと佐藤健太郎が並び、2列目には右に金井貢史、トップ下にネイツ ペチュニク、左に谷澤達也が位置。1トップにはオナイウ阿道が入った。

前半は立ち上がりからジェフが決定機を作った。まずはキックオフ直後の1分、右サイドMFに入った金井がクロスを送り、こぼれ球に反応した佐藤健太郎がボレーシュート。これはクロスバーに弾かれたものの、ジェフは3度の決定機を作って金沢を押し込んだ。しかし、20分を過ぎた頃からゲームは落ち着き、組織的なブロックを作って守る金沢と、短いパスをつないで局面を打開しようとするジェフという構図で時間が進む。その後は膠着状態が続き、両チームとも決定機を作れないままスコアレスで前半を折り返した。

迎えた後半、関塚監督は59分に田代に代えて井出遥也を投入。直後の60分に待望の先制ゴールが生まれた。相手CKの流れからのカウンターで左サイドに展開すると、ボールを受けた井出がドリブルでカットイン。ペナルティーエリア内で相手DFをかわし、ゴール右隅に見事なシュートを決めた。

しかし、このゴールが生まれた直後から試合の形勢は逆転。意識が守備に傾いたジェフは金沢に押し込まれ、防戦一方の展開が続いた。それでも、GK高木を中心とする守備陣は安定感あるプレーでピンチを回避。試合は1-0とリードを保ったまま終盤に突入し、4分のアディショナルタイムを迎えた。同点ゴールを喫したのは、その直後のことだ。勝ち越しゴールを狙ったその後の猛攻も、「あと一歩」でゴールには結びつかなかった。

試合展開を考えれば悔やまれる「勝点1」だが、“一戦必勝”の姿勢は変わらない。関塚監督が言う。

「我々はもっと力をつけて、勝点を積み上げていくことに対して強い気持ちを持ってこれからもやっていきたい」

次節は5月24日。再びホーム・フクアリにギラヴァンツ北九州を迎える。