ここ数試合の試合運びを考慮すれば、パーフェクトな立ち上がりだったと言っていい。

この日のスタメンは、前節ロアッソ熊本戦と同様の4-2-3-1。GKは佐藤優也。最終ラインは右から多々良敦斗、イ ジュヨン、近藤直也、阿部翔平の4人。ボランチには長澤和輝と山本真希が並び、2列目には右に井出遥也、トップ下に町田也真人、左に船山貴之が位置。1トップにはエウトンが入った。

まずは3分、右CKからこぼれ球をつないでフィニッシュまで持ち込むと、このプレーで流れをつかんだジェフは直後の5分に先制点を奪った。ピッチ中央をドリブルで突破した長澤からパスを受けた船山は、左足でクロス。ニアサイドに飛び込んだエウトンがヘディングで押し込み、見事な連係から先制ゴールを奪った。さらに10分、ピッチ中央から町田、エウトン、井出と縦につなぎ、井出が鋭いキックフェイントで相手DFをかわしてシュート。これがゴール左隅に決まり、ジェフがリードを2点に広げる。関塚監督も「いい形で先制、そして追加点という流れを作ることができた」と振り返った。

前線からの積極的なプレスが機能した前半は、セカンドボールを支配して攻勢を維持した。1トップのエウトンにはよくボールが収まり、最前線を起点としてサイドにボールを散らし、何本ものクロスを放り込んで相手を押し込む。追加点こそ奪えなかったものの多くのチャンスを演出し、守備においても相手に決定機を作らせることなく2点のリードを保ったまま前半を折り返した。

しかし後半、岐阜が最前線に長身FW瀧谷亮を入れてシンプルなフィードを繰り返すと、セカンドボールを拾われて主導権を握られ守勢に回る。関塚監督はハーフタイムに「後半の立ち上がりが大事だ」と声を掛けたが、51分にセットプレーの流れから失点。指揮官は「相手がメンバーを入れ替える中で、失点してしまった。それがゲームを難しくしてしまった」と振り返った。

スコアは2-1とジェフのリードで進んだものの相手に押し込まれる時間は続き、ジェフにとっては耐える時間が続いた。

83分には途中出場した吉田眞紀人がドリブルで運び、長澤にラストパス。背番号10は細かいタッチで狭いスペースをすり抜け、右足で放ったシュートは相手GKの手を弾いてゴールに吸い込まれた。ところが、直後の85分には再び失点。3-2で勝利し連勝を飾ったとはいえ、後半の試合運びには課題を残した。試合後、船山は悔しそうな表情で「2失点はいらない」と口にした。

ホームで連勝したジェフは、勝点を22に伸ばして8位に浮上。次節以降はV・ファーレン長崎、さらに現時点で首位に立つ北海道コンサドーレ札幌とのアウェイ戦が続く。アウェイにおける戦い方は、今シーズンのチームが直面する大きな課題の一つだ。ホーム連勝の勢いを維持し、さらに拡大させるためにも、まずは次節の長崎戦で勝利という結果を残したい。