長谷部茂利監督代行が振り返ったとおり、結果的には「完敗」「大敗」と言える90分だった。

この日のスタメンは4-4-2。GKは佐藤優也。最終ラインは右から丹羽竜平、イ ジュヨン、近藤直也、阿部翔平の4人。中盤はボランチにアランダと富澤清太郎が入り、右サイドに菅嶋弘希、左サイドに長澤和輝が位置。2トップにはエウトンと船山貴之が並んだ。

開始1分。中盤でルーズボールを拾われて縦につながれ、エスクデロ競飛王のポストプレーからペナルティーエリア内でパスを受けた堀米勇輝がシュート。飛び込んだ丹羽が足に当てたがボールはゴールに吸い込まれ、ジェフは試合開始早々に失点を喫した。結果的にはこれが、チームのバランスを崩した。富澤が言う。

「『立ち上がりから前にいこう』という強いメンタリティーで臨もうとしたゲームだからこそ、ああいったことが起きたことで、みんなの気持ちが削ぎ取られてしまった。2失点目の形を振り返れば、みんなの気持ちのバランスが崩れてしまったところもあったと思います」

ジェフは15分、左CKからの2次攻撃で決定機を迎えた。船山のクロスに合わせてエウトンがヘディングシュートを決めたが、これはわずかにオフサイドの判定。ジェフはその後もボールの主導権を握ったもののチャンスを作れず、迎えた24分、アランダのバックパスを京都のFWイ ヨンジェに奪われ、飛び出したGK佐藤優也もかわされて無人のゴールに流し込まれる。阿部は次のように振り返った。

「（失点の）時間帯は早かったけど、そこで跳ね返して取り返すという強さが足りないということを強く実感しました。2失点目については、チーム全体のそういう空気感から招いてしまったと思います。もっと全員が前向きの状態でプレーできるような空気づくりをしないといけなかった」

後半も流れを変えることはできなかった。開始直後の47分、相手のカウンターで最終ラインの背後を取られてピンチを招くと、直後の49分にはセットプレーからMFダニエル ロビーニョのヘディングシュートを受ける。54分にはエスクデロ競飛王がドリブルシュート。いずれも失点にはつならがらなかったとはいえ、決定的な場面。焦りとともに前がかりになるジェフの裏を突く相手の攻撃に、チームは押し込まれた。

そして65分、PKを奪われてこれをダニエル ロビーニョに決められ、0-3。反撃はゴールに結びつかず、ジェフはそのまま黒星を喫した。

長谷部監督代行が言う。

「見てのとおりの大敗だと思います。最後、勝敗に関わるかどうか（分かりませんが）、意地の1点をということで奮起しましたが、時すでに遅く、どうにもならない状態でした。完敗です。結果が出ていない中でコメントするのは苦しいですが、残り7試合でどうにか奮起して、首の皮一枚、残っているかどうか分かりませんが、他力になりますが、立て直していきたいと思います」

残り7試合。6位との勝点差は「11」。状況は厳しさを増したが、可能性が消滅したわけではない。気持ちを立て直して、次の試合に臨みたい。