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試合日程・結果

2017 SEASON MATCHES試合日程・結果

敗戦も、有意義な“準備”。



日立柏サッカー場で行われた「第22回ちばぎんカップ」は、0-2で敗戦。内容・結果とも満足できるものではなかったが、試合後の記者会見で、フアン エスナイデル監督はポジティブな言葉を用いて試合を振り返った。

「もちろん結果は別のものであってほしかったとは思いますが、本番前の“準備”という意味では素晴らしい試合になりました。私たちにとってとても役立つ90分間でしたし、この試合から素晴らしい結論を導き出せたと思います」

この日のスタメンは3-5-2の布陣。GKは山本海人。3バックは右から若狭大志、近藤直也、西野貴治の3人。右サイドに北爪健吾、左サイドに乾貴哉が入り、中央にはアンカーの位置にアランダ、その両脇に町田也真人と山本真希を配置。前線には清武功暉と船山貴之が並んだ。

立ち上がりの時間帯はジェフの「やりたいサッカー」が明確に見えた。

指揮官が言う「相手陣内でプレスをかけてボールを奪うこと」はそのうちの1つ。前線から積極的にプレスをかけ、中盤でボールを拾い、サイドに展開して縦に仕掛ける。最終ラインはできるだけ高い位置を保ち、全体をコンパクトにして相手FWを自陣に押し込んだ。最終ラインの背後を狙われるリスクはあるが、プレスとルーズボールの争奪戦に勝てば優位に立てる。

開始直後の2分にはハイプレスからコーナーキックを奪ってシュートシーンを作り、ファウルを誘ってフリーキックを獲得。4分にはセットプレーから若狭がヘディングシュート。7分には北爪のシュートが相手に当たってこぼれ、これに反応した船山がヘディングシュートを放った。15分までの時間帯は、明らかにジェフが自分たちのスタイルでペースを握った。

しかしその後、ジェフのサッカーに慣れ始めた柏は、最終ラインと中盤でうまくパスをつなぎながらプレスをかわし、最終ラインの背後を狙うボールを積極的に入れてきた。これによって両サイドの攻防で押し込まれると、ピッチの中央で数的不利が生まれる。町田が振り返る。

「序盤は前線からプレスに行けていたと思うのですが、徐々にそれをかわされるシーンが増えてきて、そこからの修正がうまくいかなかったという印象です。そこはチームとして理解を深めなければいけないところだと思います」

31分にはクリスティアーノ、33分にはディエゴ オリヴェイラ、35分には再びクリスティアーノがシュート。柏の前線に並ぶブラジル人トリオに個の力で打開されると、自陣からのクリアを攻撃につなげられない時間が続いた。結果的には、最後までこの状況を打開することができなかった。

後半、エスナイデル監督は積極的に交代カードを切った。後半の頭から乾に代えてホルヘ サリーナス、船山に代えてラリベイを投入。失点を喫した直後の61分には町田に代えて比嘉祐介を送り込んだ。しかし、劣勢を跳ね返すことはできず63分にも失点。アランダに代えて佐藤勇人、山本真希に代えて多々良敦斗、足を負傷した西野に代えてイ ジュヨンと交代枠をすべて使いきったが、その直後に若狭が足をつり、10人で対応する時間に攻撃の活路を見いだすのは難しかった。

長い時間機能させられなかったとはいえ、チームとしてのスタイルははっきりと見えた。だからこそ、開幕に向けて“個”を高めなければならないと乾は言う。

「チームとしてというより、個人としてできていないことが多いと感じた試合だったので、監督が求めるプレーを個人としてしっかりやれるようにならなければいけないし、そうじゃなければ試合に出ることも厳しいと思います。いろいろなことに気づかされた試合でした」

本番まで2週間。残された時間で“個”と“組織”を最大値に高め、敵地で行われるFC町田ゼルビアとの開幕戦に臨みたい。