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試合日程・結果

2017 SEASON MATCHES試合日程・結果

「信じる道」を示した90分



2017シーズンのホーム開幕戦は1-1のドロー決着。先制点を奪われる展開から勝点1を奪ったとも言えるが、あえて「勝点3を逃した」と言うなら、チームが抱える課題がより明確になった90分間でもあった。

PKで同点ゴールを奪った船山貴之が言う。

「前半に点数が欲しいですね。良い時間帯で、2、3点取れればすごく良い流れでいけたと思います」

モンテディオ山形の木山隆之監督も話したように、前半はジェフのペースで試合が進んだ。その45分間のうちに先制点を奪えなかったことが、今後に向けて修正すべき課題であることは間違いない。

この日のスタメンは前節と同様の3-5-2の布陣。GKは佐藤優也。最終ラインは多々良敦斗、近藤直也、西野貴治の3人。アンカーのポジションにアランダが入り、右サイドに北爪健吾、左サイドにホルヘ サリーナスが位置した。中盤の中央には町田也真人と高橋壱晟が入り、最前線には船山貴之とラリベイが並んだ。

立ち上がりから、ジェフは豊富な運動量と組織的なプレスで相手を押し込んだ。1分、4分、7分と立て続けにゴール前でチャンスを作り、コーナーキックを奪って攻勢を強める。22分には近藤の縦パスから町田、ラリベイとつないでクロス。船山が飛び込むもわずかに届かなかった。ボールの主導権を握り、「やりたいサッカー」を体現した前半は、躍動感と迫力のある攻撃を何度も仕掛けることができた。

もちろんその内容には、フアン エスナイデル監督もポジティブな言葉を残した。

「私たちがやろうとしているサッカーをお見せできた試合だったと思います。これが進むべき道であることを証明しました。このような試合をすれば、勝利を積み重ねられると信じています」

しかし後半の立ち上がり、53分に先制点を許したことがチームにとっては痛かった。ジェフの左サイドから瀬沼優司の突破を許すと、クロスを阪野豊史に押し込まれて失点。フアン エスナイデル監督は55分、高橋に代えて熊谷アンドリューを投入し、「足りない」と感じていた「攻撃と守備のつなぎ役」を補う形で攻撃の変化を期待した。

60分、ジェフはペナルティエリア内でラリベイが倒されてPKを獲得。これを船山が決めて試合を振り出しに戻した。これで勢いに乗るかと思われたが、徐々に疲労感が見え始め、両者ともカウンターを仕掛ける一進一退の攻防が続いた。ジェフもチャンスを作ったが、逆転ゴールを奪うには至らず。試合は3分間のアディショナルタイムを経て1-1のドローに終わった。

指揮官の言うとおり、内容的には“やりたいサッカー”が明確に見えたゲームでもあった。その精度は徐々に上がっており、十分な手応えを得ることもできた。課題はそれができている時間帯に、いかにしてゴールを奪うかにある。立ち上がりから積極的に仕掛けて、相手を圧倒して先制点を奪い、組織的に戦って勝利を掴み取る。その“理想形”がはっきりと見えているからこそ、強豪・名古屋グランパスを迎える次節で“完成形”を見せたい。