J1昇格争いのライバルと目される、名古屋グランパス、松本山雅FC、湘南ベルマーレとの3連戦。その第2戦となる松本戦は、今のジェフの実力を測る上で重要な尺度となりそうだ。ただ、フアン エスナイデル監督は“敵地での松本戦”という困難なゲームも前向きに捉えている。

「相手（松本）のアウェイの雰囲気はすごいと聞いています。ただ僕らはそれをいいものとして、ポジティブに捉えたいと思います。サッカーを楽しみたいという人たちがいっぱいいる中で、僕らも楽しんでプレーさせてもらいたい」

松本はホームの気候条件から開幕3試合を敵地で戦い、この試合が今シーズンのホーム開幕戦となる。ここまでの戦績は1勝1分1敗。前評判の高さを考えれば勝点4は決して多くないが、大声援に後押しされるホームでの強さは周知のとおり。ジェフにとっては、ここで結果を残せるかどうかでこの後の流れが変わりそうだ。敵地での対戦は昨季も第4節で実現し、ジェフが1-0で勝利して勢いを得た。

勝点こそ4にとどまっているものの、松本は内容では“らしさ”を見せている。3試合での失点はわずかに1。その堅守をいかにして崩すかが、この試合の行方を左右するポイントとなるだろう。湘南と並んで首位に立つジェフは、開幕戦からの3試合で“自分たちのサッカー”の精度を高め、着実な仕上がりを見せている。試合序盤からのハイプレスでリズムを掴み、前半からリードを奪って後半につなげられるか。“試合巧者”としての側面も見せたいところだ。

新しい背番号10として期待どおりのパフォーマンスを見せている町田也真人が言う。

「現時点では（今節の）松本戦と（次節の）湘南ベルマーレ戦のアウェイ2試合が大きなポイントになると感じています。その中で次の松本は完成されているチームという印象があり、セットプレーのバリエーションや試合を進める決まりごともあると思います。そこにジェフがどれだけ対応できるかが鍵。現在、取り組んでいるサッカーを松本に対して出来るか、そこは楽しみな部分」

守備面においては、チームの“中心”に位置するMFアランダの活躍が不可欠だ。今シーズンは左右への展開力を発揮し攻撃面でも存在感を示しているが、やはり持ち前のボール奪取能力が攻撃へのリズムを生み出す。もちろんアランダ自身にも、ここまでの試合で感じている手応えがある。

「（チームは）トレーニングからやっていることが形になっています。精神的にも強くなっていて、勝利を求める姿勢が出ています。これからもその気持ちを失ってはいけません。相手にとっても大事な試合になり、厳しい戦いになることは分かっています。敵地に乗り込んで行くからには、負けることは許されません」

前節の名古屋戦では途中出場の選手も与えられた仕事をきっちりとこなした。羽生直剛は、かつてのチームメイトを警戒する。

「（松本の工藤浩平選手は）昔から良い選手です。相手にしたら嫌なタイプ。（ボールが）工藤選手に入った時に、松本に変化が加わります。彼の調子がいいと嫌ですね。とにかく、アウェイでもアグレッシブに戦うことが出来れば結果はついてくるので、頑張ります」

松本の反町康治監督は、相手に対する徹底的な研究で知られる。それでも、フアン エスナイデル監督が強調するのはあくまで“自分たちのサッカー”をやり続けることの重要性だ。

「相手のことをよく知るというのは大切です。ただいつも言うように、僕らは僕らのことを考えて、僕らがやりたいサッカーをする。今まで3試合してきましたが、試合を追うごとに少しずつ良くなっているというのは実感しています。難しい相手というのは知っていますが、その成長の曲線を下げないようにしたい」

重要な一戦だ。「敵地の松本戦」というハードミッションを“勝点3”という結果でクリアして、次節の湘南戦に弾みをつけたい。


フアン エスナイデル監督
そもそも相手のホームというのは難しいと理解しています。相手（松本）のアウェイの雰囲気というのも、すごいと聞いています。ただ僕らはそれをいいものとして、ポジティブに捉えたいと思います。サッカーを楽しみたいという人たちがいっぱいいる中で、僕らも楽しんでプレーさせてもらいたいと思っています。
相手のことをよく知るというのは大切です。相手の長所、相手のどこを突けば活路を見いだせるかというのも研究しています。個々のレベルが高い選手がいますし、どのようなサッカーをしてくるかというのも明確なところがいくつかあります。ただいつも言うように、僕らは僕らのことを考えて、僕らがやりたいサッカーをする。今まで3試合してきましたが、試合を追うごとに少しずつ良くなっているというのは実感しています。難しい相手というのは知っていますが、その成長の曲線を下げないようにしたいと思います。

佐藤 優也
前節、松本の今シーズン初得点がセットプレーでした。ボール支配率も7:3くらいで（相手の）岐阜だったのに、それでもああやって一発で入っちゃうところは“らしさ”が残っているなと感じます。周りは「松本つなごうとしているらしいよ」って言うけど、見ていると結局変わっていない。ウチの今のやり方だったらちょっとまわしてくれた方がいいのになーとは思うけど、でもたぶん蹴ってくるでしょうからね。仕事が増えそうですね。（ここ3試合で1失点、かつラインは破られていないが）でもそれをブレイクしてくるチームが松本だと思う。そこを割ってくると思うので、そのチャンスをしっかりつぶしていきたいし、いつも以上に緩むところは作れないなと思っています。プラス、（契約の関係で）パウリーニョ選手が出られない分、宮阪政樹選手とかが出てくると思います。直接シュートも間違いなく狙える選手だし、それを言われているとも思うので、自分の背後にも気をつけつつ、というところになると思います。

大久保 裕樹
（名古屋戦は）ピッチに入る時は緊張しましたが、その緊張感を味わいたくてプレーをしている部分もあるので結果が出て最高の気分です。（古巣相手となる松本戦は）いろいろな思いはありますが、チームとしてやることをしっかりと表現できるようにトレーニングからアピールしたいと思います。（松本は）メンバーも入れ替わり、プレースタイルも“走って蹴る”の上積みで“つなぐサッカー”をやろうとしている印象です。相手はホームゲームで「やってやろう！」という気持ちで向かってくると思うので、難しい試合になります。しかし、今のジェフのサッカーをみんなでやれば絶対に勝てる。ここまで2勝1分での成績です。スタートダッシュをすることも大事なので、次も勝利を目指して頑張ります。

町田 也真人
（名古屋戦は）良いゲームが出来たと思っています。攻撃のスイッチになることは目指していて、前半、練習していた形でボールが入ってきた場面で点を決めたかったので、そこは次に向けて修正をしていきたいです。 現時点では（今節の）松本戦と（次節の）湘南ベルマーレ戦のアウェイ2試合が大きなポイントになると感じています。その中で次の松本は完成されているチームという印象があり、セットプレーのバリエーションや試合を進める決まりごともあると思います。そこにジェフがどれだけ対応できるかが鍵。現在、取り組んでいるサッカーを松本に対して出来るか、そこは楽しみな部分です。ただこの松本戦に勝つことは、チームにとって相当な自信になります。（セットプレーについては）相手の強みでもあるので、つけこまれないようにファウルの数をなるべく減らしたい。個人としてももっと動いていきたいと思っています。

アランダ
（チームは）トレーニングからやっていることが形になっています。精神的にも強くなっていて、勝利を求める姿勢が出ています。これからもその気持ちを失ってはいけません。（松本との）昨シーズンのアウェイでは1-0で勝ちました。我々は去年よりもたくましくなっています。相手にとっても大事な試合になり、厳しい戦いになることは分かっています。敵地に乗り込んで行くからには、負けることは許されません。“勝ちか、引き分けか”、そのどちらかにはしたい。その中で勝利を求めていくだけです。（コンタクトプレーやフィジカルの部分では）相手が当たってくれば我々も当たりに行きますし、倒れるのは我々ではなく相手チーム。勝点3を得るために戦うだけです。

羽生 直剛
（今節・松本戦、次節・湘南戦と）アウェイで難しい試合になると思いますが、自分たちがやっていることを出そうとするのが（フアン）エスナイデル監督です。勝って帰って来たいですが、相手に勝点を与えないこと、最悪でもドローで帰って来ることが大事になると思っています。（松本は）ロングボールで攻めてくる印象があります。自分たちが主導権を握れている時に点を取れればいい。今チームでやっていることをやり切れれば、簡単には負けないと思っています。（ジェフでチームメイトだった松本の工藤浩平選手は）昔から良い選手です。相手にしたら嫌なタイプ。（ボールが）工藤選手に入った時に、松本に変化が加わります。彼の調子がいいと嫌ですね（笑）。とにかく、アウェイでもアグレッシブに戦うことが出来れば結果はついてくるので、頑張ります。

清武 功暉
（前節・名古屋戦で）ゴールを決めたその日はホッとしたんですけど、今は次の得点が早く欲しいです。熊本のときのチームメイトもそうだけど、色々な人から「よかったね」と連絡もらえたので嬉しかったです。（ベンチにいるときは）チームの状態も見ながら、相手のウィークポイントを探しながら試合を見ていて、途中から入るときには監督が指示をくれるので、それを忠実にやるだけだと思っています。
松本のスタジアムの雰囲気はすごくいいですし、相手のやり方はすごくハッキリしているので、どっちがより高い完成度を出せるかというのが勝負かなと思います。今はチームとして負けていないという自信もあります。（第2節の）山形戦に関しても追いついたという自信があり、名古屋戦も（失点を）ゼロで抑えたことと、複数得点も自信になっています。チームとしても今すごく自信がある時だと思うので、自分たちの力を信じてやれば全然問題ないかなと思います。


［前節の結果／松本］
岐阜 0-1 松本


［前節の布陣／松本］



［前節の布陣／ジェフ］



［最近の戦績／松本］
02/26　横浜FC 1-0 松本
03/05　愛媛 0-0 松本
03/12　岐阜 0-1 松本


［過去の対戦成績］
13/08/18　松本 3-2 千葉
14/06/28　千葉 0-1 松本
14/11/09　松本 2-1 千葉
16/03/20　松本 0-1 千葉
16/10/16　千葉 0-3 松本