今シーズン初の連勝を目指して臨んだ敵地の東京ヴェルディ戦は、3つの失点を献上したジェフの完敗に終わった。

スタメンは4-3-3の布陣。GKは佐藤優也。最終ラインは右から山本真希、岡野洵、近藤直也、キム ボムヨンの4人。アンカーに熊谷アンドリューが入り、中盤に町田也真人とアランダが位置。前線には右に船山貴之、左に清武功暉、中央にラリベイが並んだ。

ジェフが立ち上がりから主導権を握り、東京Ｖを押し込む形で主体的に試合を展開した。

3分にはアランダのパスカットからカウンターを仕掛け、最後は町田がシュートを放った。8分には右サイドからのセンタリングに再び町田がヘディングシュートを放つが、これは枠の外。以降の時間帯はボールをキープして攻め手を探すジェフ、カウンターからチャンスを狙う東京Ｖという構図で膠着状態が続き、迎えた33分、船山のサイドチェンジから始まった攻撃は清武がクロスを入れ、ファーサイドに走り込んだキムがシュートを放った。逆に39分、東京Ｖのアラン ピニェイロが見事なボレーシュートを放ったが、これは佐藤優也が正面でキャッチした。

前半最大のの決定機は41分。町田がふわりと浮かせたラストパスを送り、相手最終ラインの背後に飛び込んだ船山がボレーシュートを放つ。しかしこれも決まらず、前半を0-0のまま折り返した。

試合後、フアン エスナイデル監督は「大きなツケを払うことになった」と後半の出来を悔やんだ。

「前半に関しては試合を支配していたと思います。ただ、それとは裏腹に、結果には結びつきませんでした。シュートチャンスをゴールに結びつけられなければ、大きなツケを払うことになります。前半と同じように続けなければいけない、ミスをしてはいけないという状況の中で、我々がミスを犯し、高い代償を払うことになりました」

迎えた後半、ジェフは46分、51分、53分と立て続けに3本のCKを獲得するなど、立ち上がりはペースを握った。48分には左サイドを突破したラリベイがクロスを送り、ファーポスト際で待ち構えた船山が折り返すと飛び込んだアランダがシュート。完璧な攻撃だったが、シュートは左のゴールポストを叩いた。

すると、ここからゲームの流れが一変する。直後の55分、ドウグラス ヴィエイラがボールにペナルティエリア手前までボールを運ばれ、ラストパスを受けたアラン ピニェイロがシュート。これがゴール左隅に飛び込み、ジェフは先制を許した。

フアン エスナイデル監督はラリベイに代えてFW指宿洋史、MFアランダに代えて高橋壱晟を立て続けに投入したが、1点を返そうと前がかりになった69分、ジェフの右サイドからグラウンダーのクロスを放り込まれ、東京Ｖの高木善朗にゴールを決められて再び失点。77分にも高木善朗にゴールを許し、大量3失点で完封負けを喫した。

GK佐藤優也が言う。

「横浜FC戦と同じようなことを繰り返してしまったことを反省しなければなりません。1つゴールを取られても、もっと自分から落ち着かせるようなプレーを発信できれば、もっと長く0-1の状態を続けられたと思うし、ゲームを組み立て直せると思います」

フアン エスナイデル監督は、チーム、そして選手たちへの信頼を強調した。

「私はこのチームのことを完全に信頼しています。負けた試合の後にそんなことを言っても説得力がないかもしれませんが。このチームは本当にいいチームで、どのチームと対戦してもほとんど我々が支配していると言い切れます。ただ、シュートチャンスを確実に決めること、何回も見ているように幼稚なミスをしないこと、この2つを改善しなければなりませんが、トレーニングを積んで、挽回するチャンスはまたすぐにやって来ます」

厳しい敗戦だが、試合は続く。次節は5月21日、ホーム・フクアリにロアッソ熊本を迎える。