Jリーグの首位に立つアビスパ福岡をホームに迎えた第18節、ジェフは勝点3を奪うことはできなかったが、十分な手応えのある「いい試合」をピッチで見せた。フアン エスナイデル監督が振り返る。

「いい試合だったと思います。勝つチャンスがありました。いいサッカーができた時間帯もありましたし、リーグ首位の強いチームが相手であったことを考慮すると、とてもいいサッカーができたと思います。（福岡は）我々とは全く違うサッカーをしており、相手の長所を完全に潰すことはできませんでした。勝ちたかったというのが本音ですが、全体的には満足しています」

この日のスタメンは4-3-3の布陣。GKは今シーズン初スタメンとなった山本海人。最終ラインは右から山本真希、岡野洵、近藤直也、乾貴哉の4人。アンカーに佐藤勇人が入り、インテリオールのポジションに町田也真人と高橋壱晟が位置。右に船山貴之、左に清武功暉、最前線中央には指宿洋史が入った。

ジェフは立ち上がりからボールの主導権を握った。

まずは9分、左サイドから乾がクロスを放り込み、飛び込んだ指宿の頭をかすめる。直後の10分にはピッチ中央でボールを持った町田がドリブルで運び、斜めの動きでゴール前に飛び込んだ清武にスルーパス。13分には船山がシュートを放ったが、相手GKの好守に阻まれた。

しかし20分を過ぎると、福岡の反撃を受ける。

21分にはゴール前で岡野と競り合ったウェリントンがヘディングシュート。23分にはジェフの左サイドからクロスを放り込まれ、坂田大輔がヘディングで合わせた。その後の時間帯はジェフがボールを保持し、福岡がカウンターを狙うという一進一退の攻防が続いた。42分に迎えた決定機はゴールに至らず、スコアレスのまま前半を折り返した。佐藤勇人が振り返る。

「立ち上がりからいつもホームでやっているサッカーができれば流れをつかめると思っていたので、自信を持ってピッチに入ったことが良かったと思います。試合中も声をかけていたんですけど、シュートで終わる意識をもっと強くもたないと」

迎えた後半、ジェフは48分に指宿がペナルティーエリアの外からシュートを狙い、63分には船山のインターセプトからカウンターを仕掛けた。乾のヘディングシュートは惜しくも枠を捉えなかったが、前半と同様、テンポのいいパスワークで相手ゴールに迫った。

67分、フアン エスナイデル監督は船山に代えて菅嶋弘希を投入。71分には高橋に代えて熊谷アンドリューを投入し、佐藤勇人とのダブルボランチにシフトチェンジする。この時間帯は68分、71分と立て続けに大きなピンチを招いたが、いずれも今季初スタメンのGK山本海人がビッグセーブ。79分には町田に代えてキム ボムヨンを投入し、システムを3バックに変更して攻勢を強めた。

しかし、最後までゴールを奪うことはできず、試合はスコアレスドロー。途中出場の熊谷は、課題を強調した。

「チャンスは多かったので勝ち切りたい試合でした。こういう試合をいかに勝つかが課題だと思うし、ミスさえなければやりたいサッカーができる。ピッチ内のイメージは一致してきていると思うので、なんとかこれを結果につなげたいと思います」

首位の福岡を相手に見せた内容は、ジェフの成長を示している。上位に進出するためには、なんとしてもこの内容を結果につなげなければならない。