東京ヴェルディをフクアリに迎えた天皇杯2回戦、ジェフは清武功暉が直接フリーキックで決めた1点を守りきり、1-0で勝利を飾った。

ジェフのフォーメーションは3-5-2の布陣。GKは佐藤優也。3バックは右に大久保裕樹、中央に多々良敦斗、左にキム ボムヨンの3人。右サイドに北爪健吾、左サイドに乾貴哉が入り、アンカーには熊谷アンドリューが位置。インサイドハーフのポジションにアランダと町田也真人が入り、2トップには清武功暉とラリベイが並んだ。

前半、ジェフは前線からの積極的なプレスでペースを掴み、終始主導権を握るゲーム運びを見せた。

3分には右サイドで得たFKのチャンスからラリベイがシュート。こぼれ球に反応した清武がシュートを放つ。10分にはラリベイとのワンツーパスで相手の最終ラインを突破した町田が左足でシュート。これは惜しくもゴールポストに当たった。20分には左サイドからのクロスにアランダが飛び込むなど、決定的なチャンスを数多く作った。

ポジティブな流れの中で先制点が生まれたのは26分。ゴール正面から左寄りの位置で得た約25メートルのFKを清武が直接決め、ジェフが先制に成功する。その後もジェフの優位は続き、35分には清武がミドルシュート。44分にはラリベイが決定的なチャンスからシュート、さらにアディショナルタイムにはCKから多々良がヘディングシュートを放つなど相手を圧倒した。

迎えたハーフタイム、フアン エスナイデル監督は戦術的な変更を指示した。GK佐藤優也が言う。

「ハーフタイムに監督から“構える”という指示があり、自分たちの新しい可能性を探るという意味でも『我慢してカウンターを狙う』という選択肢をとりました」

後半の立ち上がりはジェフのペース。46分には町田のラストパスに反応したラリベイがシュート。51分には再びラリベイが決定機を迎え、こぼれ球をアランダがシュートしたがこれも決まらず。「構える」戦術を採ったジェフは全体のポジショニングを下げて守備意識を強め、ボール奪取から鋭いカウンターで相手ゴールに迫った。

指揮官が振り返る。

「前半はプレスに行き、ボールを奪ってチャンスを作りました。後半は変化を加えてカウンターを狙い、ラインを下げ気味に構えました。それもうまくいったと思います。なぜなら、3度ほどのビッグチャンスがありました。しかし、『決定力がない』ということは確かに結果に反映されていると思います」

押し込まれる時間が続いたが、それも想定内のこと。フアン エスナイデル監督は80分に町田に代えて羽生直剛、83分に清武に代えて指宿洋史を投入し、全体を活性化させながらも同じ戦術を続けた。さらに86分、ユースに在籍しながら2種登録選手としてトップに帯同している古川大悟をピッチに送り込む。

その理由について、指揮官はこう説明した。

「大悟は『スペースに走る』という素晴らしい特長を持っています。彼のためのスペースがたくさんありました。だから使いましたし、彼にとって難しい時間帯だったとは思いません」

1点を守り切ったジェフは1-0で勝利。トーナメントを勝ち上がり、7月12日に行われる天皇杯3回戦に駒を進めた。