残り10試合。勝点44の13位。現実的な目標となるJ1昇格プレーオフ圏内の6位横浜FCとは8ポイントの差が開いている。

白星から5試合も遠ざかっている現状を考えれば、これ以上の停滞は致命傷になる。その危機感をピッチで表現し、勝利を手にすることだけが今のジェフに必要な“成果”だ。

前節のザスパクサツ群馬戦は、今シーズンのジェフが抱える課題が表面化し、結果となって表れた。前半から圧倒的なボール支配率を誇り、シュート15本を放ちながらも無得点。セットプレーから先制点を許し、ミスを突かれたカウンター攻撃で追加点を奪われての完敗は、“自分たちのサッカー”が定まらなかったシーズン前半戦にも見られたパターンだ。

ラリベイが振り返る。

「チャンスはたくさん作れて、シュートもチームとして打てていました。ただそれでも（得点が）入らなかったわけですから、チームとして良いゲームとは絶対に言えません」

さらに、ストライカーはこう続けた。

「気持ちの面で絶対折れちゃいけないと思いますし、上に向かっていく姿勢を貫くこと、そういう気持ちを我々が持ち続けて、周りの人を巻き込んで全員でそういう雰囲気にもっていくことが大事」

課題を克服するための唯一の道は、自分たちの力を信じ、心折れることなく前身すること。勝利に対する執念、チーム全体としての一体感が問われるのはここからだ。残り10試合で右肩上がりの成長を遂げ、追い求める自分たちのサッカーを完成させるよりほかない。

フクアリに迎える水戸ホーリーホックは前節、ホームでFC岐阜と対戦。前半の立ち上がりにFW前田大然のゴールで先制したが、後半に2失点を喫して逆転負け。こちらも4試合勝ち星から遠ざかっている状況だが、第31節は名古屋グランパス、第30節はアビスパ福岡と強豪相手にドローを演じるなど粘り強さを見せている。リーグ屈指と評される前田と林陵平の2トップはもちろん、中盤の佐藤和弘や橋本晃司ら警戒すべきタレントは多い。

フアン エスナイデル監督が言う。

「僕らが良い状態にあればどんな相手でも勝てるし、水戸にも勝てると思います。ただ水戸は本当に良いプレーをしてくるし、アグレッシブでハードワークしてくるチームだと思っています。しかしアグレッシブさに関しては相手より下回ることはできません」

出場停止処分から戻るキャプテンの近藤直也は、次のように水戸戦を展望する。

「前半は無失点で抑え、後ろはラインを上げるところ・下げるところのバランスを考えながらプレーをやっていきたいと思います。監督が要求するサッカーをして、前の選手が点を取れなかったとしても、後ろの選手がセットプレーなどで得点を取れればいいと思います。チャンスを確実に決め切るところを、選手として必死にやっていきたいです」

絶対に負けられない状況で、ホームの後押しを力に変えて勝利を掴み取ることができるか。チームの真価が問われる一戦だ。

フアン エスナイデル監督
水戸とのアウェイ戦は、僕らが良いプレーをできたところもありますが、ただ力強い試合ができなかったから負けたのだと思います。彼らはハードワークして走ってくるチームだし、良いプレスもしてくる。対戦相手のビルドアップに対して水戸はいいプレスをかけてくるし、またそれをできているという自信がうかがえます。なので難しい相手になるというのは分かっています。ただ僕らが良い状態にあればどんな相手でも勝てるし、水戸にも勝てると思います。ただ水戸は本当に良いプレーをしてくるし、アグレッシブでハードワークしてくるチームだと思っています。しかしアグレッシブさに関しては相手より下回ることはできません。そしていつも言うことですが、もっとゴールへの決定率を上げたいと思っています。

近藤 直也
（出場停止だった群馬戦を見ていて）チャンスを決め切れず、相手のワンプレー、ツープレーで失点をしてしまっていた。自分たちのミスからピンチを招いているので、そこはチームとして修正をしていきたいです。
（水戸との）前回対戦は、前からのハイプレスでやられてしまいました。後ろからつなぐことはいいことですが、無理せずに、相手が勢いづくのであればシンプルに裏を狙うこともありだと感じます。ボール奪取で勢いを出させないこと。相手はプレスに自信を持っているので、そこを回避するためにどうしたらいいか、前の選手と共有したいです。前半は無失点で抑え、後ろはラインを上げるところ・下げるところのバランスを考えながらプレーをやっていきたいと思います。監督が要求するサッカーをして、前の選手が点を取れなかったとしても、後ろの選手がセットプレーなどで得点を取れればいいと思います。チャンスを確実に決め切るところを、選手として必死にやっていきたいです。

町田 也真人
（群馬戦を振り返ると）カウンターでやられてしまいました。攻撃面ではボールを持って多くのクロスを上げていましたが、合わないことが多く、合わないときやシュートを打ったあとのこぼれ球を拾うことへの対応が悪かったと感じます。最下位のチームを相手にもったいない試合をしてしまったことは反省しなければいけません。
水戸戦はとても大事な試合で、プレーオフに行くためには後がありません。前回対戦したように前からハイプレスをかけてくると思いますが、そこをかわさないと上でも通用しないと思います。自分は自信を持って受けたい。前にくることは後ろが空くことにつながるので、うまく利用したいです。チームとして勝ちたい気持ちをどれだけ出せるかがポイントになると思っています。

為田 大貴
（群馬戦は）途中からピッチに立ちましたが、チャンスも多くあった中で決めることができれば、勝つことができた試合でした。
チームとして、連敗をするわけにはいきません。もちろん、水戸も調子が良いチームなので難しい試合になります。しっかりと前半を無失点で抑えたい。（水戸は）前半に失点をすると焦る状況が生まれるので、自分たちのペースで試合を運べれば問題ないと感じます。（水戸のハイプレスに対しては）フォワードに当てることができれば、ラリベイ選手や指宿洋史選手に収まります。収まったときにチームとしてスピードアップができればいいですし、そこをサポートできれば良い攻撃になり、プレスも剥がせると思っています。自分たちの攻撃で工夫をしながら、試合を展開したいです。

熊谷 アンドリュー
（出場停止だった群馬戦を見ていて）流れが良いときに点が入らないとあのような形になってしまうので、いかに流れのあるときに決め切るかが課題です。そこはチームとして一番、突き詰めていかないといけない部分になります。
（水戸との）前回対戦は途中から出場しましたが、（相手が）ドンドンと前にプレスをかけてきた印象があります。しかし、スペースが空いているところはあったので、そこを使えれば苦労せずに試合を運べると感じます。相手のプレスに慌てず、一人ひとりが1枚を剥がせれば、前からきても慌てる必要はありません。どれだけ落ちついてプレーできるかが鍵になります。
もう後がない状況なので、全部勝つつもりでやっていきたい。個人としてもコンディション調整はできているので、準備は万端です。

矢田 旭
（群馬戦は）攻めてはいるけれど、簡単なミスで（ボールを）相手に渡してしまったり、最後の質が悪かったりで、なかなか効果的な攻めができませんでした。あれだけコーナーキックがあったら最低でも1点は決めなきゃいけないと思いますし、いいボールを上げたら決めてくれると思うので、キッカーとしてはいいボールを上げることに専念して集中して蹴りたいです。攻撃に手詰まり感が出ているときには、ミドルシュートで相手の意表を突くこともすごく有効だと思うし、セットプレーで1点でも取れたらすごく楽になるので、そういうのも大事になってくると思います。個人としてもゲームの中で全然（ミドルシュートを）打てていないので、そこはもっと意識して狙っていきたいです。
（水戸戦は）まず1点を先に欲しいなと思いますし、サポーターの皆さんにもしばらく勝利を届けられていないので、仕切り直しの1勝を得るために全力で頑張りたいと思います。

ラリベイ
チャンスは群馬戦もたくさん作れて、シュートもチームとして打てていました。ただそれでも（得点が）入らなかったわけですから、チームとして良いゲームとは絶対に言えません。チャンスは作れているので、それを決め切るというのが課題になってくると思います。より効率的にチャンスの数を（ゴールという）数字につなげていくために、ハードワークを続けていくことが大切です。気持ちの面で絶対折れちゃいけないと思いますし、上に向かっていく姿勢を貫くこと、そういう気持ちを我々が持ち続けて、周りの人を巻き込んで全員でそういう雰囲気にもっていくことが大事だと思います。
（水戸戦は）ゴールを決めることももちろんですし、ジェフに関わるすべての人のために勝利をもぎ取る、ここ数試合得られていない勝利の味をもう一度思い出すということが何より大事なことだと思っています。



［前節の結果／水戸］
水戸 1-2 岐阜


［前節の布陣／水戸］



［前節の布陣／ジェフ］



［最近の戦績／水戸］
08/16　水戸 2-0 京都
08/20　横浜FC 1-0 水戸
08/27　福岡 0-0 水戸
09/02　水戸 1-1 名古屋
09/09　水戸 1-2 岐阜


［過去の対戦成績］
15/03/15　千葉 2-0 水戸
15/07/22　水戸 1-1 千葉
16/04/29　水戸 1-0 千葉
16/07/10　千葉 0-1 水戸
17/06/17　水戸 3-1 千葉