チームの強化部門を指揮するゼネラルマネージャーとして、2年目のシーズンを終えた。
オフはチーム編成のトップとして多忙な日々を過ごすが、順調に“結果”を示している。
3年目の2018シーズン、高橋GMはチームをどのように変革させるのか。その思いを聞いた。

インタビュー・文=細江克弥

1年目の経験。

高橋GM

―― 話が前後しますが、2017シーズンの結果と内容については、GMの立場からどう見ていますか?

高橋それを話すためには、どうして監督にフアンを選んだかという話をしなければならないと思うんです。まず、2016シーズンを振り返ると、とにかく言い訳をする選手が多かった。僕自身が彼らにとって必要だと思うのは、「自分自身が好きかどうか」ではなく「自分自身にとって必要かどうか」を考えてサッカーをすることだと思っていて。でも、2016シーズンは、好き嫌いで判断する選手が多かった。

だから、環境をガラリと変えるしかないと思っていたんです。思い切り制限をかけて、きっちり管理して、それで変われなければ選手を変えるしかないと思っていた。違う言い方をすれば、選手達の適応力に賭けたというか。2017シーズンはそういう1年にしようと思っていたし、能力の高い選手たちの適応力に期待したかった。プロとして、闘う集団になるためにこのやり方でダメだったら、もう、ごっそり選手を変えるしか手はないなと。だから、ああいう監督を連れてきたんです。

―― となると、適応するまでにある程度の時間がかかることも分かっていた。

高橋そうですね。最初は大変でした。どうしても昔のクセが抜けなくて、僕のところに何人も来ました。キャンプの食事に対する意見に始まり、監督のやり方に対する意見、システムや戦術に対する意見、そういうのが次から次へと出てきた。ただ、2016シーズンの経験を踏まえて、僕としては“ほぼ聞き流す”しかなかった。イヤだったら出て行ってもらうしかない。どうしてこうなったのかを考えてほしいと。

少し極端なことを言いますが、例えば、選手たちが公に発する言葉は、サポーターを意識した言葉ですよね。だから、言ってしまえば“聞こえ”がいい。だけど、僕は毎日のようにクラブハウスにいて、彼らと接して、話を聞いて。当然、彼らが発している言葉だけが真実ではないことは分かっている。

高橋GM

―― なるほど。そこはすごく難しいところですね。

高橋それを痛感したのが、2016シーズン、水戸ホーリーホック戦(7月10日/第22節)の直後にサポーターの皆さんに呼ばれて話を聞いた時でした。つまり、選手の言葉が一方的に伝わっている。だから「選手のことをちゃんと理解しているのか」とか「伸び伸びプレーできていない」とか、そういう種類の言葉をたくさん投げかけられて。「意見が偏っている」と感じたんです。結果的には、次のホームゲーム清水エスパルス戦に負けて監督を交替することになるんですけど。

組織というのは、従業員が社長の文句を言う、あるいは従業員の反抗的な行動を世の中がサポートするというのは絶対にあっちゃいけないことだと思っています。正直に言えば、ジェフにはそういう文化が残っていて、だからこそ新しい文化を作らなきゃダメだと強く感じました。あの経験は、僕にとってすごく大きな経験になりました。

―― 選手が反抗的な意見を言うことも、その一環であると。

高橋そうです。だから、新しい文化を作らなきゃいけないと感じている僕の立場からすれば、問題の本質が何かを常に考える事が重要で、それ以外は無視するしかない。

―― 大きなリスクになるという考え方は?

高橋そのリスクを背負えなかったら、ジェフは永久に変われない。だって、今変わることができないと、このクラブは終わりなんです。もし選手たちにそれができないなら、普段から口にしている「ジェフが好きだ」とか「ジェフのために」という言葉は嘘になりますよね。自分がイヤだと思うこと、つらいと感じることを避けようとするなら。

サポーターの皆さんが心から応援してくれていることは十分に理解しています。でも、偏った情報から「選手たちは頑張っている」と信じ込んでしまうことで、選手たちを甘えさせてしまうこともあると思うんです。だからこそ、それが通用しない監督を連れてきて、新しい環境を作る必要があった。

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『変化を受け入れるまで。』

―― 実際にチームが変わり始めたことは、外から見ていても分かりました。

そうですね。最初に変わり始めたのはドゥだったと思います。この環境こそが本当の意味でのプロフェッショナルであるということを、何となく受け入れて変わろうとしてくれた。それはすごく大きかった。

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