昨年7月以来となる久々の出場機会がめぐってきたのは、
第11節ヴァンフォーレ甲府戦だった。それから出場機会を重ね、
迎えた第16節ロアッソ熊本戦。加入2年目にして生まれた初ゴールが、
ホルヘ サリーナスの価値を改めて印象づけたことは間違いない。

インタビュー・文=細江克弥

チャンスを信じて。

ホルヘ サリーナス

―― 第16節ロアッソ熊本戦で記録したJリーグ初得点は、観ているこちらも興奮しました。

サリーナス本当に、あの瞬間を待ちわびていましたし、もちろん僕自身も興奮しました。サッカー選手にとって試練はつきものです。それに直面した時にあきらめない気持ちを持つことが大切で、僕自身、そういう姿勢だけは絶対に忘れないようにしたいという気持ちでプレーしてきたつもりです。実際、最高の瞬間が訪れた時は本当に嬉しかったです。

―― 昨年の7月以降、出場機会がまったくありませんでした。どのように気持ちをコントロールしていたのですか?

サリーナスジェフに残るという決断は、簡単ではありませんでした。残ったところでチャンスがあるかどうかもわからない状況だったし、チャンスはいつ訪れてもおかしくないけど、逆に、訪れない可能性もあります。自分はそのチャンスが訪れることを信じて準備するだけだと決意して、ジェフに残りました。

ホルヘ サリーナス

―― サリーナス選手はとても冷静で、とても謙虚な人だと思うのですが、人知れず、ピッチに立てない悔しさをぶつけたことは?

サリーナス(笑)。ピッチの中で感情を爆発させることはあっても、ピッチを離れればそういうことはありません。

―― 例えば、奥さんに愚痴をこぼしてしまったとか。

サリーナスノーノー(笑)。妻もとても落ち着いた人です。

―― とはいえ、外国籍選手が来るか来ないかわからないチャンスを待つという決断を下すことは、やはり簡単ではなかったのではないかと思います。

サリーナスそうですね。自分が知っている範囲でも、出場できない時間が3、4カ月も続けば帰国してしまう人も少なくありません。でも、僕の場合はそう考えなかったし、試合に出場できないからと言って、あきらめて国に帰るようなことはしたくなかった。チームにもたらせるものが自分にもあるはずだと信じていました。

―― 自分自身のキャリアに対する危機感は?

サリーナスもちろん頭をよぎりました。サッカー選手としての限られた時間の中で、ピッチに立てない時間が長く続けば恐怖心のようなものもわいてきます。でも、それでもあきらめない姿勢を見せ続ければ、必ず周りにも認めてもらえる。僕はそう思います。

―― ネガティブな聞き方ばかりしてしまいましたが、つまり「残ってくれてありがとう」と言いたくて(笑)。偏見かもしれませんが、外国籍選手のほとんどは、そういう判断がとても早いですから。

サリーナスたぶん、サッカー選手の8割はそうですよね(笑)。

ホルヘ サリーナス

―― パラグアイ人はみんな辛抱強い?

サリーナス自分にとって大きかったのは、妻と子どもたち、家族の存在です。それが大きな要因だと思います。それから、僕自身が日本のサッカーに順応できていると感じていること。その感覚があるからこそ、最後まで自分を信じられるし、あきらめないで努力し続けられるのだと思います。

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『チャレンジすることが好き。』

―― サリーナス選手のキャリアはヨーロッパのスロバキアからスタートしていますよね?

2009年のU−17南米選手権にパラグアイ代表の一員として出場したのですが、その大会を見に来ていたスカウトから声をかけられました。

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