チームの心臓として、誰よりも長くピッチに立っている。
昨シーズン急成長を遂げた熊谷アンドリューにとって、
直面している課題はさらなる成長を見据えた必然の壁。
現状は、決して悲観すべきものではないと信じている。

インタビュー・文=細江克弥

丸刈りの理由。

熊谷アンドリュー

―― 今日は3つのテーマに分けてお聞きしようと思います。ジェフに来て、いろいろと変わりつつある熊谷アンドリューの「過去」と「現在」、それから「未来」について。

熊谷なるほど。

―― まずは「現在」なんですけれど、見事な丸刈りにしましたね。

熊谷しました(笑)。自分としては、ここで気合を入れ直そうかなという理由で、わかりやすい手段を取ったんですけど。

熊谷アンドリュー

―― 自分で?

熊谷はい。風呂場で、1時間かけて。美容院に行って「丸刈りに」と言うのもアレかなと思って、わざわざバリカンを買ってきて自分でやったんです。でも、初めてだからなかなかうまくいかなくて、どうしてもボコボコしちゃうんですよね。それを修正していたら1時間もかかっちゃいました。

―― その甲斐あって、出来はいいのでは?

熊谷思ったより好評です。ただ、染めてみたら思ったより明るくなっちゃって、これはちょっと失敗ですね。ちなみに、スラムダンクの桜木花道か、DA PUMPのISSAさんって言われることが多いです。なんか、ちょっと違う気がするんですけど(笑)。

熊谷アンドリュー

―― とはいえ、期するものがあった。

熊谷正直、最近はちょっとコンディションが上がってこないなと感じていて、パフォーマンスも満足できるものではありませんでした。調子がいい時と比べて身体が重いと感じていたし、球際に寄せるスピードや判断の早さが自分の身体で感じるくらいイマイチだなと。ヴァンフォーレ甲府戦とアルビレックス新潟戦の2連勝でチームの調子も上がってきたし、このタイミングで自分も同じように上げていかないとダメだなと思っていたので、自分で引き締めるつもりでやりました。

熊谷アンドリュー

―― 確かに、ちょうど1年前頃の絶好調時のパフォーマンスと比べると、「もっとできるはず」と感じることはあります。ただ、その原因も自分である程度理解しているのでは?

熊谷まず、昨シーズンと比較して「周りを助けよう」という意識が自分の中にあって、それも原因のひとつだと思います。正直に言えば、気になることが一気に増えて、自分のプレーに集中できていなかった時期もありました。例えば、今シーズンは本職じゃない選手がサイドバックを務めることもありますよね。いい意味で、それによって自分が「カバーしなきゃ!」と感じる部分も増えているんですが、それによって仕事も増える。もちろん、いろいろな部分に対してカバーの意識を持つことは、自分が成長するために必要な意識だと思っています。自分がまだそのレベルに達していないんですよね。

―― その説明は現状がよくわかる気がします。自分の意識の中に“いい時の自分”がいるからこそ、例えば球際のアプローチが「また一歩遅れた」とか「また“行かない決断”をした」とか、そういうところが自分でよくわかる。

熊谷まさにそうですね。今シーズンは同じパターンが多くて、例えばアンカーのポジションなら、自分が前に出る決断をした時は絶対につぶさないといけない。それを意識しながらも、でもカバーの意識もあるから、判断に対して迷いが生じているのが自分でもわかっているというか。それが、チームが勝てていない時期とかぶっていたので、もどかしさを感じていました。

熊谷アンドリュー

―― そういう迷いをクリアにしたいという思いが強い。

熊谷はい。ただ、最近になってチームのサッカーがまたはっきりしてきたし、前からのプレッシャーも激しくいけているので、自分も狙いを定めて前にアプローチできる。だから、ボールを奪える回数も少しずつ増えてきたと思います。(佐藤)勇人さんや(小島)秀仁くんみたいにレベルの高い選手がいるので、いつポジションを奪われてもおかしくない。そういう危機感を持ってやらないといけないですよね。

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『外に出る理由がない。』

―― 先日はJ1クラブからのオファーがあり、それを断るという決断をしました。

こういう順位だからといって諦める気はまったくないし、このチームでJ1に行けるなら出て行く必要がまったくないというか。しかも、自分がチームから必要とされているんだから、サッカー選手としてこんなに幸せなことはないと思うんです。

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