第10節横浜FC戦から数日後、増嶋竜也に時間をもらった。
序盤戦10試合を終えて、最終ラインのリーダーは何を思うのか。
スタートダッシュの失敗、監督の交替、初勝利から現在に至るまで、
胸の内に秘めた思いの丈を語ってもらう。

インタビュー・文=細江克弥

去年とは違う感覚があった

増嶋竜也

―― 序盤の10試合が終わったので、そこまでを振り返りたいなと思います。いろいろとあった序盤戦なので、選手として思っていることをサポーターの皆さんにちゃんとお伝えしたいなと。その代表として増嶋選手にお願いしました。

増嶋責任重大じゃないですか。

―― 責任は気にならさず(笑)。ではまず、昨シーズンのことを踏まえつつ、柏レイソルからの期限付き移籍を延長した経緯について聞きたいなと。

増嶋自分の中で一番強かったのは、「やっぱりJ1でやりたい」という気持ちだったんです。でも、地元でプレーできた喜びも感じたし、「やっぱりジェフはJ1にいてほしい」という気持ちもどんどん強くなっていった。そう考えると、ジェフをJ1に上げて、自分もここでプレーし続けることがベストなのかなと考えたんですよね。

―― ジェフで1年間やってみて、そういう感情になった。

増嶋なりましたね。昨シーズンは自分のパフォーマンスに対して「こんなんじゃない」と思いながらの1年だった。(フアン)エスナイデル監督のサッカーにようやく慣れて、でも慣れたところで終わってしまったというか。自分の良さを思い切って出せた1年ではなかったし、正直、自分に対してクエスチョンの多い1年だったかなと思います。悔しかった。

―― 昨シーズンはなかなか試合に出られない時間もあった。ただ、監督からの評価はかなり高く、「プロフェッショナルとしての姿勢が素晴らしい。絶対にチームに残さなきゃいけない選手だ」と言っていたと聞きました。

増嶋エスナイデルさんとはシーズン終盤に個人的な会話をする機会が増えて、そうやって話してみたらポジティブな意味で「ああ、こういう人だったんだ」と思うことが多かったんですよ。正直に言えば「監督は損をしている」とも思いました。「こんなにちゃんとした人なのに」と。

―― つまり今シーズンに臨むにあたっては、監督に対してポジティブな気持ちだった。

増嶋間違いなく。言いたいことはシーズンが始まる前に全部言いました。だからモヤモヤした気持ちは何もなかったし、同じような気持ちで今シーズンを迎えた選手は少なくなかったと思います。

増嶋

―― 外から見ていてもそういう雰囲気を感じられたからこそ、開幕直後のつまづきはショックでした。愛媛FCに0-0、アルビレックス新潟に1-4、レノファ山口FCに2-5。あの頃は何を考えていた?

増嶋守備に関しては昨シーズンまでやってきたベースに加えて、監督は僕たちが理想とするところにも耳を傾けてくれました。“日本式の守り方”と言うんですかね。だから、昨シーズンと比べればいいバランスの守備ができていたと思うし、愛媛との開幕戦も守備に関しては悪くなかった。だからこそ引き分けという結果をポジティブに考えることができたし、「去年とは違う」という雰囲気もありました。

その次はホーム開幕戦で新潟にボロ負けだったけど、去年の負け方、点の取られ方とはちょっと違ったんですよ。感覚としては「どうしようもない」という感じではなかったから、そんなに落ち込む必要もないと思っていたんです。

―― 大量失点の理由はどこにあったんでしょう。

増嶋失点って1つの理由で生まれるものじゃなく、ものすごく細かいことが積み重なって生まれることのほうが多いじゃないですか。そう考えると、例えば「今は強気で攻める」とか「今は守備に専念する」とか、チーム全体の意志を決める上で必要な細かい決めごとが足りなかったのかなとは思います。その影響がもろに表れてしまったのが、新潟戦の4失点と山口戦の5失点。昨シーズンと比較してゲーム運びとしての手応えは感じていたけれど、失点が多いことについてはいろいろな局面で“個”に任せてしまっていた部分が強すぎた。

―― 守備の難しいところですよね。

増嶋決してエスナイデルさんが悪いという話じゃなくて、誰が監督でも起こり得る問題なんですよ。何よりピッチに立っている僕らが、自分たちの力でそれを解決することができなかった。守備って「10回やったら10回」が正解なんで「10回やったら9回は守れる」じゃダメ。なのにウチの場合は「1回しかやられてないのに点を取られる」というケースが多かった。そこにもっと目を向けるべきだったと思います。

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『やっているのは選手だから』

―― 水戸ホーリーホック戦の夜にフアン エスナイデル前監督の解任が発表されました。

それを聞いて、まずはものすごい責任を感じました。やっぱりやっているのは選手だし、水戸戦についても、チーム戦術のミスではなく個人の判断ミスが多すぎた試合だったから。そういう意味ではもっと自分に矢印を向けなきゃいけないと思っていた矢先だったから、なおさら責任を感じていました。

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