「今シーズンのエベはすごくいい」
開幕前に選手たちの口から聴こえてきたその言葉を、エベルトはピッチの上で証明した。
第10節までの出場時間はチーム最多。最近は控えに甘んじる試合が続いているが、
彼の力が必要になる時は、また必ず来る。

インタビュー・文=細江克弥

いい時も悪い時も。

エベルト

―― 開幕前から、「今シーズンのエベはすごくいい」という声がチームメイトから聴こえてきました。

エベルトまだ日本に来たばかりの頃は「結果を出したい」という気持ちが強すぎて、すぐにケガをしてしまいました。日本のサッカーもよくわかっていなかったし、正直、かなり驚いていたんです。日本のサッカーは展開が速すぎるように見えたし、しかも、みんなずっと走っている(笑)。今だから言えるけれど、慣れるまでにかなりの時間がかかりました。

これまでいくつかのクラブでプレーしてきたけれど、日本に来たばかりの頃のコンディションは「過去最高かも」と思えるほどでした。だけど、日本のサッカーに戸惑いすぎて、ケガをしてしまって、結局、コンディションが乱れてしまった。だって、みんなマジで、めちゃくちゃ走るんだもん(笑)。

―― 2年目の今シーズンのコンディションがいいのは、エベ選手自身にとっては当たり前のことなんですね。

エベルトそうですね。昨シーズンは1年という時間をかけて日本のサッカーを学ぶことができたし、その中で、自分自身がどういうプレーをすればいいのかをずっと考えていました。だから今シーズンは頭の中がすっきりしているし、僕自身が自信を持ってピッチに立っている。そういう部分を、チームメイトのみんなも感じてくれているんじゃないかと思います。

―― ちなみに、「慣れるのが難しい」とはフィジカル的なこと? それともメンタル的なこと?

エベルト日本の前にヨーロッパでプレーしてきたんですが、向こうのサッカーは、日本のサッカーとは“手の抜き方”が違うんです。ヨーロッパは「走る時はやる。走らない時はやらない」。日本は「ずっと走る」。もちろん日本にも“緩急”はあるんだけれど、ヨーロッパと比較すると、その質が全然違うんですよ。どっちが優れているという話ではないけれど、特にJ2リーグは全体的に走りますよね?

―― そう思います。

エベルトだから、そういうものだとわかってしまえばフィジカル的に合わせることはできるんだけど、メンタルというか、頭がなかなかついていかなくて。僕みたいなプレースタイルのセンターバックが、こういうサッカーでチームに貢献するためにはどういうプレーをすればいいのか。ずっとそればかり考えていました。

―― チーム状態もあまりよくなかったから、なおさら難しかったでしょうね。

エベルト確かにそういう部分もあったかもしれませんが、僕の中では「いい時も悪い時も、常に勉強」という思いがあるので、そういう意味では割り切ってやっていました。でも、まあ、正直に言えば……一時期はメンタルが結構やられちゃってましたね(笑)。

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『個人よりも、チーム。』

―― 個人よりも、チームとして。

江尻さんが監督になってまだ数カ月だし、監督が替われば、選手それぞれの考え方をもう一度まとめ直さなきゃいけない。そういう状況でチームが苦しんでいるなら、きっと誰でも「個人よりもチームが大事だ」「1つにならなきゃいけない」と言うと思うんです。

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