ジェフの魂。ジェフの象徴。ジェフのバンディエラ。
どう表現するのが正しいのかわからないほどジェフにとって重要な選手、
佐藤勇人が今シーズン限りでピッチを去ると発表した。
ただし、まだ終わりじゃない。残る数試合にすべてを懸ける思いを、
引退会見の直後の背番号7に聞いた。

インタビュー・文=細江克弥

部屋に入って、まずはホッとした。

佐藤勇人

―― おつかれさまでした。引退会見。今終わったばかりですけれど。

勇人疲れました。本当はボロ泣きすると思ってたんですけどね。クラブのみんなに発表した時がいい練習になって、今日は我慢できました。

―― 質問者みんなが、ある意味ではそういう感情的な部分を勇人選手に任せようとして、質問の仕方を探っていた気がします。

勇人ですよね。正直、「会見場に入った時に誰もいなかったらどうしよう」と思っていたんです。ゼロじゃないにしても、2、3人とか。

―― ウソでしょ? それにビビってた?

勇人ビビってましたよ。ジェフってこういう会見をやったことがないし、このタイミングで、平日の昼間で……。だから、部屋に入って、まずはホッとしました。スタジアムや練習場で、ずっと自分のことを気にかけてくれて、いつも話をしてくれている記者さんたちが何人もいてくれて、やっぱりこう、自分が選手としてやってきた中で作ってきたメディアさんとの関係は間違ってなかったんだなって。

―― そう言ってくれるだけで記者の皆さんもすごく嬉しいと思うし、長い年月をかけて作ってきたメディアとの向き合い方は、きっと正しかったと言える気がします。

勇人ありがとうございます。みなさんに感謝を伝えたいです。本当に。

―― 会見で言い残したことは?

勇人うん……。あの、誰に伝えた時が一番つらかったかという話を加えると、やっぱり、息子たちに伝えた時が一番でした。本当にヤバかった。

―― なるほど。

勇人特に長男。部屋からまったく出てこなくなっちゃって……。まあ、生まれた時から自分のパパは佐藤勇人で、サッカー選手でという感じだから、来年からそれがなくなってしまうことの重さを、彼なりに感じたみたいで。マジで部屋から出てこなくて、それは本当につらかった。その姿を見て、「もう1年やろうかな」と思いましたもん。

―― でも、これってすごく不思議なもので、それによってまた発動するブーストみたいなものがあるじゃないですか。息子さんとのそういうやり取りがあったからこそ、また違う佐藤勇人を残り試合で見せられるかもしれない。それはそれで、見ているこっちも、勇人くん本人にとっても楽しみなことではあるんじゃないかなと。

勇人そうですね。すごくよくわかります。確かに、今だからできることって、ある気がします。

―― ところで、会見中は手元でインスタライブを見ていたんですけど。

勇人どうでした?

―― 特に最初のほう、勇人くんがあまりにもシリアスに“責任”について語り続けるものだから、リアルタイムのコメント欄は「勇人に背負わせすぎた」「ごめん勇人!」みたいな言葉がいっぱいありましたよ。

勇人そっか(笑)。心配かけちゃって、みなさんに申し訳ない。

―― 背負うこととか、それによる責任とか、そういう話はまたシーズン終了後に聞かせてもらうとして、今日は、残り6試合となった“今のチーム”について聞かせてください。

勇人オッケーです。わかりました。

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『今の俺たちじゃ難しい。そう言い切った。』

―― まず、“今”のチーム状況についてどう見ていますか?

とにかく、まずはJ2残留を少しでも早く決めなきゃいけない。もし最終節まで降格の可能性を残したまま最終節を迎えたら、正直、このチームじゃ難しいと。

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