ジェフの魂。ジェフの象徴。ジェフのバンディエラ。
どう表現するのが正しいのかわからないほどジェフにとって重要な選手、
佐藤勇人が今シーズン限りでピッチを去ると発表した。
ただし、まだ終わりじゃない。残る数試合にすべてを懸ける思いを、
引退会見の直後の背番号7に聞いた。

インタビュー・文=細江克弥

J2残留。本当にそれだけ。

佐藤勇人

―― 難しいですよね。本当に難しい。だって、どんなに説明したところで、まったく同じ気持ちになれる人なんて1人もいないだろうし、逆に「何言ってるんだ」と思う人だっているかもしれない。そういう中で、何十人もいる選手の気持ちを同じ方向に向かわせなきゃ、この状況を打破できないとわかっているわけだから。

勇人ホントにそう。やっぱり、自分が何を言っても、基本的には自分の勝手でしかないから。「ジェフのために」というのは自分が持っている思いで、それをみんなに強要するのはちょっと違う。

でも、「クラブのために」というのは問いかけの入り口みたいなもので、その問いかけから、“プロサッカー選手”として、もっと言えば“男”としてどうなんだということを考えなきゃいけない。「ジェフのために」は自分勝手な思いだけど、プロサッカー選手として、男としてというのは、ちゃんとみんなに当てはまるものですよね。

―― 自分の引退を発表してそれをチームの推進力としたいという思いの本当のところは、つまりそういうところにある。

勇人はい。その部分を突き詰めることは、きっと、それぞれにとって意味があると思うから。残り6試合は、そういう意味でも特別です。

―― まずは残留をちゃんと決めなきゃいけない。

勇人いや、「まずは」じゃなくて、もう、それだけです。それ以上のことを現時点で求めることはできないし、余裕もない。まずは残留。そのための3ポイントを死にものぐるいで取りに行く。

内容とか、相手の状況とか、ホームとかアウェイとか、そういう関係で1ポイントでOKな試合もあると思うけど、まずは3ポイントずつ重ねて、少しでも早く残留を決めることだけを考える。

―― いやあ……。これはサポーターの皆さんも同じ気持ちだと思うけれど、ずっと応援してきた身としては、やっぱり“最後の6試合”をそういう内容にしたくなかった。

勇人ね? 自分でもそう思いますよ。

―― でも、これがずっと佐藤勇人が背負ってきたものであることを考えると、最後の最後に、もう1回、自分が戦ってきたものと向き合えと誰かに言われているようですごく運命的だなとも思います。

勇人だから、人生って面白いんでしょうね。でも、これは必ず“次”へのパワーになる。ムダじゃないんで。必ずジェフを残留させて、その次は……。

―― その続きはシーズン終了後にまた聞かせてください(笑)。とりあえず残留。最後まで、みんなで見守ります。

勇人了解です。うん。ありがとうございます。