自信に溢れる立ち居振る舞いなのか、落ち着いた佇まいなのか、
ピッチに立つ背番号4、田口泰士の姿は実に頼もしく見える。
国内屈指のプレーメーカーにとって、今季は新たな勝負の年。
その静かな言葉に、“リベンジ”への気迫が見える。

インタビュー・文=細江克弥

ポジティブな「手こずり」

田口泰士

―― いよいよJ2リーグが再開します。

そうですね。日程が決まって、「いよいよ始まる」という段階になって、楽しみな気持ちが高まってきたというか。でもまあ、当面は無観客での試合になるということで、「どうなるんだろ」というヘンな気持ちもあります。

練習場ならまだしも、スタジアムで練習試合をやるのとほとんど同じ雰囲気ということになると思うので、それを想像するとヘンな感じはありますよね。

―― サッカーの試合そのものを久々にプレーするということについては?

個人的に特別な感情があるわけではないんですけれど、チームとして、中断前まですごくいい感じで調子が上がってきていたので、「もったいない」という気持ちは正直なところあります。あれだけ長い自粛期間があったので、中断前の状態に戻すことはやっぱり簡単じゃなくて。チームとしての活動再開後はその作業をしっかりやっているところですけれど、ある程度の時間はかかりますよね。

―― 「思ったよりも難しい」という感覚?

“中断前”については、キャンプからの積み重ねで少しずつ良くなっていったものだったので、それとは違うアプローチをしなきゃいけない分、なかなか難しいなと。そこに“苦しさ”はないけれど、そう簡単じゃないし、手こずるところもあるかなと。

―― そりゃあそうですよね。ちなみに、開幕戦からの積み上げという意味でその後に行った練習試合での手応えがかなりあったという話をよく聞くんですけれど、具体的にはどういう部分に手応えを感じていたんですか?

まず、僕が言った「手こずる」という言葉をネガティブにとらえないでくださいね。

―― はい。

あの開幕戦の時点で、僕はチームに対してものすごい“伸びしろ”を感じていました。それが、その後のトレーニングや練習試合を通じて、具体的に言うのは難しいけれど、感覚的に「どんどん良くなっていく感じ」をつかめていたんです。

現状は、長い間休んだことで“あの感覚”が薄れてしまっているので、それをもう一度感じるのはリーグ戦が始まってからかなと。だから、あくまでポジティブな意味での「手こずる」ということなんですけれど。

―― なるほど。

開幕戦については、僕自身、かなり結果にこだわっていました。チームとして組織的に守って、ああいう展開で勝点3をしっかりものにできるゲームができたことを前向きに捉えている。めちゃくちゃ大事なことですよね。ただ、試合を重ねないとその感覚が深まっていかないので、とにかく早く始まってほしいという気持ちが強くて。

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『尹さんとの距離感』

―― 田口選手から見て、尹監督はどんな人?

人から話を聞いただけなら、怖いというか厳しいというか、かなりそういうイメージが強かったです。でも、実際にここに来て接してみると、全然そんな感じじゃない。選手との距離感もかなり近いし、よく話してくれるし、本当に多くの選手とコミュニケーションを取るので。聞いていた話と全然違うなと。

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