2009年の現役引退後、斎藤大輔は“裏方”として
あらゆる角度からジェフを支えてきた。
2021年に託されたのは「アカデミーマネージャー」。
それは「ジェフの未来」を考える重要な仕事だ。

インタビュー・文=細江克弥

ジェフで一生を終える

斎藤大輔アカデミーマネージャー

―― 大輔さんと言えば、昨年のJFA全日本U-12サッカー選手権大会、U-12の一員として準優勝に大きく貢献したご長男の敬太くんについて聞かないわけにはいかないのですが(笑)

いやあ(笑)

―― すごいと思ったんですよ。選手としてもフロントスタッフとしても長く関わってきたクラブで、ご長男がそのチームのユニフォームを着て全国大会で活躍して、たくさんの人にその存在を知ってもらえることって。大輔さんは自分でそんなこと言わないかもしれないけれど、クラブにとってめちゃくちゃ意義深いことだったんじゃないかなと。どうですか?実のところの感想は。

いや……まあ……そうですね……。やはり色々と思うところはありました(照笑)。ただ、アカデミーとしては、大会直後のセレクション受験者は大幅に増えましたし、今年も千葉県代表として出場権を獲得することができました。1期生がどこまでできるか未知数でしたが、クラブ全体として彼らが残した準優勝という記録には大きな意味があったと思います。

―― 敬太くんのこと、めちゃくちゃ褒めました?

僕、結構、小言を言っちゃうんですよ(笑)

―― ちょっと意外(笑)

自分と同じポジションなので、細かい修正点が目についちゃって。ただ、奥さんからは「言うな」と言われているので、1試合に1つだけ、改善点を伝えるようにしています。

―― 「次の30年」におけるアカデミーの重要性を強く感じた出来事でした。

そうかもしれません。これまでのアカデミーは、クラブにとって基本的には“投資”の側面が強い部門でした。でも、これからの30年においては「クラブにとって利益を生むアカデミー」にしなければならないと思っています。単純に移籍金を獲得することだけではなく、トップチームで活躍する選手を育てるということは、選手獲得コストを下げることにつながる。さらに5年に1人でも海外のクラブに対して交渉に臨める、直接的に価値を示せるような選手を育成することができれば、さらに大きな利益を生むかもしれません。これからの30年はそういった観点からアカデミーという組織を構築していくことが大事だと思っていますし、その上でチームとしての結果を両立させて上を目指したいと思います。

―― 大輔さん自身の「次の30年」は?

おじいちゃんですね(笑)。僕はもう、このクラブで一生を終えるつもりでいるので、アカデミーはもちろん、トップチームにも関わっていきたいし、GMや社長という仕事にも強い興味を持っています。

―― どうしてそう思うのですか?

単純に、僕自身がこのクラブのポテンシャルの大きさを感じているし、知っているということだと思います。ジェフは世界を目指すべき。でもまあ……アカデミーの責任者である今の自分がかなり充実しているので、ずっとこのままでもいいかも……とも思ったりして。ただ、それをジェフでやることに意味があって、それ以外の環境には興味がありません。

―― もし他のクラブからGM就任のオファーがあったら?

他のクラブには行く気ゼロです(笑)

―― サポーターの皆さんも喜ぶと思います。何かメッセージはありますか?

僕なんかより、サポーターの皆さんのほうがずっと苦しい思いをしてきたと思うんですけれど……。僕が言えるのは、それはすべて、最高の未来のための我慢だったと言ってもらえるように頑張るしかないと思っています。最近は直接的なコミュニケーションを取ることがなくなってしまったんですけれど、早く一緒に、皆さんと喜びを分かち合いたいですね。引き続き、よろしくお願いします。