Vol.4 「風の役割」

報告日 2020年6月11日

報告者 SSP UNITED 石井幹生

2020年6月10日のアリーナ

今回は風のお話です。
フクダ電子アリーナは2005年に開場し、その後に新設されてきたフットボール専用スタジアムに大きな影響を及ぼしています。その一つに風が良く通る設計にしていることが挙げられます。マニアックな話になりますので、今回は割愛しますが芝草と風は切っても切れない関係です。それは光合成に大きな影響を及ぼすだけではなく、過湿による病害の誘発を回避する目的もあります。


サイドスタンド下のシャッターを閉めた状態と開けた状態

サイドスタンド下の駐車場から見たらこんな感じ。ピッチが見渡せます

風が良く通る設計にしていても、四方を囲まれたアリーナは少なからず風の動きを阻害しています。そのため、普段は閉ざされているシャッターやゲートを開放することで風の通りを確保して、芝草が健全に育成するよう管理を進めています。


スタンドにも隙間を設けることで風が通りやすい設計になっています

シャッターやゲートを開放していても、自然の風が流れなければアリーナ内は無風状態となり、光合成不良による育成不良、発生した病害の被害拡大など問題が多発します。その時に使用する最終手段はこれです。
水も肥料も光も風も、少なすぎてもダメ、多すぎてもダメ。芝草はデリケートな、管理の難しい生き物なのです。


大型送風機