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#105

「ユーティリティーの生き様。」前 貴之

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#105 ユーティリティーの生き様。

思ったよりやれる

インタビュー・文=細江克弥



―― 前さん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―― 聞きたいことはたくさんあるんですけど……まず、J1に昇格して、ここまでいくつかの試合をこなして、想像していたレベル、想像していたサッカーとのギャップってどれくらいあったのかについて聞かせてください。

そうですね……。今シーズンはキャンプに行かずに千葉で調整して、J1のチームと練習試合をやることもなかったので、ちばぎんカップが完全に“一発目”だったじゃないですか。去年もかなりやられましたけど、今年はさらにやられたので(笑)、その時点で「やっぱりレベルが高いな」と思いましたね。

―― あそこがスタートだった。

はい。で、時間はなかったけど、そこからいろいろな課題を修正して、浦和レッズとの開幕戦を迎えて。もったいない失点をしてしまったことは残念だったけど、正直、「あれ?」という感覚はありましたね。

―― 「思ったよりやれるぞ」と。

そう。その浦和戦の修正をまた積み重ねて川崎フロンターレ戦に臨んだら、もっとやれた。ゴールを奪えていないから結果にはつながっていないし、個のクオリティーでやられている部分も確かにあるんだけど、柏戦で受けた衝撃を考えればこの2試合で受けたダメージはまったくなかった。むしろ自信をつけることができた気がします。

―― 同感です。チームとしては、こちらの目線さえ揃っていれば十分に戦えるとあの2試合で思った。個人としてはどうでした?

足りないところはもちろんたくさんあるんですけど、うちがやりたいサッカーに対しての自分のタスクと、J1のレベルだからこそのポジショニングの重要性というのは……ちばぎんカップは“やられすぎ”だったので参考にならないんですけど、浦和戦と川崎F戦ではそれなりにやれたかなと。本来のポジションじゃないことを考えれば、なんだろう……感覚がちょっとずつフィットしていく感じがありました。

―― そうそう、3試合ともサイドバックではなくボランチでの出場でしたからね。じゃあ、それを踏まえてもちばぎんカップの柏戦はちょっと面食らったところもあったというか。

そうですね。ピッチの中で修正できなかったことが自分の力のなさだと思ったし、チームとしての力のなさだと思いました。ダービーだから結果を求めなきゃいけないので、そういう意味では本当に不甲斐なかったなと。サポーターの皆さんにも申し訳なく思いました。ただ、結果的にはいい勉強だったんですよね。いきなり出鼻をくじかれた感じで、それがモチベーションにつながったところがあって。

―― わかります。僕自身は柏戦はある意味、どんな結果であれ参考にならないだろうなと思っていました。他のチームとはスタイルが違いすぎるから。だからボコられても何一つ気にする必要はないと思っていたんですけど。だからこそ浦和戦に注目していたんですけど、前さんの言うとおり、柏戦があったおかげでいい向き合い方ができたというか。

正直、浦和も川崎Fも「そんなに自由にやらせてくれるんだ」という感覚でした。それはピッチに立った全員が感じていたんじゃないかと思います。だからこそ勝ちたかったんですけど、“結果”という意味ではやっぱり個のクオリティーの差を見せつけられてしまったということだと思うんですよね。でもチームとしては十分に戦える。
この2試合がモヤモヤした感じで終わらなくて良かったなと思うんですよ。チームとして通用するところ、それから個人として足りないところの感覚をかなりはっきりとキャッチすることができたので。それは間違いなく、自分たちにとって自信になった気がします。

#105 ユーティリティーの生き様。

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