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2009 NEWS & INFORMATIONレポートの新着情報

2009 February02

2009.2.28 UPDATE

第9回 サポーターコミュニケーションデー 議事録について(2)

レポート

【議事録2】


次にチーム強化と経営です。強いチームを作るためには優れた監督、コーチ、あるいは力のある選手を集めることだと思います。選手の場合は、ほかのクラブから移籍する場合とクラブで独自に育成する場合があります。ほかのクラブから選手を獲得するには、若い年代の選手では移籍金が必要になります。今のJリーグ規約でいくと30歳未満の選手は移籍金が必要。Jリーグ規約にその算出方法などは明記されているのでご覧になった方も多いと思います。これで、いわゆる相場というものができるわけであります。あくまでも相場であって、その選手が他クラブと競合した場合には、クラブが提示した額を、お互いに交渉しながら、いくら上乗せするか協議するわけでございます。相場に基づいた契約ができれば問題ないのですが、特に、外国籍選手を獲得する場合には、かなり異例の、びっくりするほどの移籍金を要求されることがあります。相手が日本人ということで、なぜかお金を持っていると見るんでしょう。それで、払ってしまった人が過去にいるから余計にそうなのかもしれませんが、そこはキッチリとノーと言わなければいけないと思います。クラブの経営である以上、そこは自主的に判断をしたいと思います。法外な移籍金を払うつもりはないということを、皆さまにはご理解いただきたいと思います。選手の年俸に関しましても、クラブとしての年俸政策を持たないといけないと思います。クラブの経営が成り立たないような高額な選手年俸を払うことは物理的にはできません。一方で、選手が魅力を感じないような低額な年俸でもチームは強化できないでありまして、そこのハザマで、経営としての難しさがあります。

 次に、経営と責任ということでございます。昨年は残留できたので、まだ、「三木、辞めろ」という声は起きてないですね。いつそういった声に変わるかわかりません。社長というのはいつでも責任ということは考えています。ただ、ダメだから辞めればいいというように単純にいえるのだろうかということだと思います。そこに至る経過、どうしてそうなったのか。その状況にマッチした責任の取り方があります。元に戻すという義務も生じているわけです。ぜひ、そこのところはご理解いただきたいと思います。責任の取り方として辞めることもあるかもしれませんが、本来の責任の取り方は元に戻して辞めるべきだと思います。私は、社長に就任にしてから約10日で監督を交代させました。大変な決断を自分ではしたと思っています。だから、自己矛盾ではあると思いますが、基本的には良くしてからだと思います。良くすることが本来の責任の取り方だと思います。この点をご理解いただきたいと思います。私は簡単には辞めないということを皆さんにお伝えしたいと思います。これが最後の拍手でなければいいのですが。(笑)

 次に、契約がどうなっているかということです。基本的には選手とは1年契約ですが、最近は複数年契約が多くなっています。国際的な移籍では移籍金が廃止されたおかげで、複数年契約が多くなりました。これは、クラブ、選手双方にリスクがあるのです。移籍金があった時代というのは、契約期間が終わったならば、移籍金が発生しても選手は移籍できます。今は、複数年契約をしていますので、契約の途中で移籍するというのは、移籍金ではなく、違約金という名前を変えたお金になっています。移籍金の場合には算定基準というものがあったのですが、違約金の場合は算定基準がありません。選手もクラブもどちらもかなりのリスクを負うということになっています。我がクラブの多くの選手は複数年契約ということになっております。

 報酬はどうなっているかというと、報酬というのは基本報酬と変動報酬の2本立てです。基本報酬は年俸、基本でこれぐらいですよというもの。変動報酬というのは、ジェフの場合には勝ったらいくらという勝利給、あるいは成果給といいまして、1年を通して、何位までになったら出場数に応じていくらということです。基本と変動、変動の中は、勝利給と成果給と分かれています。選手によっては、1ゴールいくらというのをどうしてもつけてくれという場合もあります。凡そこのような仕組みになっていますし、さらに日本代表に選ばれますと、日本代表ペメントでありますとか、あるいは、シューズ契約を個別にしている選手もおります。これは契約相手からの報酬というのがあります。さらに、イベントの出演料、メディアの取材料も報酬に含まれます。だいたい7割ぐらいが基本報酬でいけるのではないかと思いますが、実績のない選手は9割ぐらいが基本報酬になり、変動部分はかなり少なくなります。やはりトップチームで出ることが大事だと思います。

 契約解除と経営ということを少しお話させていただきます。契約をクラブのほうから解除した場合には基本的にその残存期間の基本報酬だけは支払うというルールになっています。選手のほうから契約解除した場合にはお支払しませんけれども、クラブから解除した場合は、それ以後はその契約期間は基本報酬を保障するというルールになっています。チームの成績が悪くなったから、監督は辞めろというのは決断としては大変です。経営としても大きな問題をはらんでいるし、選手を簡単に契約解除したから楽になるというものではありません。経営の観点から慎重に考えなければいけないと思います。

 クラブの目標と課題。プロスポーツクラブである以上、トップチームが目指すべきものは優勝です。これを目指さないのはプロスポーツクラブではありません。もちろんリザーブズ以下の育成年代の選手も、できるだけ個々の選手の力量を伸ばしながら発展させていきたいと思います。しかし、やはり目標は優勝だろうと思います。それが今すぐできるかどうかは別の話です。実際には段階を踏まなければいけないと思います。私もかつてジェフにいたときに、3年後に優勝できるチームにしようと、言ったと思うのですが、今後、ある程度の年数はかかるかなという判断はしています。もう一つ、若手の育成をもっとしっかりとしなければいけないということ。ユースの選手であるとともに、トップの若手の選手もそう。ユースチームからトップチームに、さきほども言いましたように、工藤選手以降上がっていません。来年こそはユース年代からトップに上げられるように、育成の陣容を充実させました。それにふさわしい指導者を配置しました。もう一つは、トップチームの若手を伸ばすということ。育成の強化とあいまって、チームを強化するには、新卒者の獲得も考えなければいけませんから、スカウトの充実も図りました。もう一つはリザーブズの改革を今年、強烈におこないました。皆さんからご覧になって、今年、どうしてこんなに選手をクビにしてしまったのかと思う人もいるのかも知れません。クビにしたと取るか、別の人生を歩めと促したと捉えるかは見解の相違があります。私が来てから見たリザーブズというのは、本来の目的である下から上に上げるということよりも、上から下へという一休み的場面のほうがはるかに多かったように思います。この甘さをどこかで払拭しなければと思っていたので、そのようにさせていただきました。選手にたいして、見込みがなければ、ある時期でそれを言ってあげることも親心だと思っています。トップに上がれる可能性がない選手をいつまでもひきずっていることが、本当にその選手のためになるのだろうか。ですから、かなりの人数の選手と契約解除しました。リザーブズそのものをJ2に上げるつもりはありません。そもそも、リザーブズは本来、トップに上げる選手を養成するための機関です。ここで選手個々のレベルを上げていきたいと思っています。

 最後になりますが、情報管理ということであります。私が来てから、情報管理についてはかなり厳しくやれと徹底してきたつもりであります。クラブは不確実な情報を出すことはしないようにしています。ウソ、偽りの情報を提供することはないし、なかったと思います。そういう意味で、場合によっては欲求不満を感じさせてしまったかもしれませんが、間違った情報は出したくないということでありますので、ご理解いただきたい。

もう一つは、メディアの情報は本当に正しいのかと、皆様にも考えていただきたい。必ずしも、メディアの情報が正しいとは限りません。たぶん、この中にもメディアの皆さん、いるかもしれません。

 メディアの情報の加工の仕方というのはあります。メディアといえども企業ですから売れる紙面を作らなければいけません。そのためにはどうしても印象的な紙面、見出しもそうなります。エキセントリックに扱いたがるんです。我々はメディアの皆さんに情報をあらかじめこうだという情報は基本的にオフィシャルでしか流しておりません。雑誌などで出される戦力分析もありますが、メディアの独自の戦力分析であると思います。独自の分析に走る傾向のメディアもあると思います。雑誌などでは、戦力の評価をしていただいて、なかには横ばいかな、ダメだからダメなんじゃないかと言っているところもありますし、サッカー雑誌だと15、16位ぐらいですかね。独自の分析だからいいじゃないですか。2001年のサッカー雑誌を見てください。あのときジェフを降格候補No1にあげたのは有名な評論家です。2001年のファーストステージは何位でしたか?彼は「ジェフは降格候補。だいたいこのクラブの経営者はこんなに選手を放出して何を考えているかわからない」と言っていました。確かに、あのときは選手がいっぱい出た。下川も、山口も、廣山も酒井も出た。みんな出た。出たけれども、あのとき、このチームに残りたいという選手だけでやろうと。そして、その選手たちがファストステージ2位という結果を出しました。今年も、いろいろな選手との契約更改をやりましけれど、ぜひジェフでプレーしたいという選手ばかり集めたつもりです。これは後ほど昼田から説明があると思います。だいぶ時間が超過していて、酒井さんに怒られてしまうので、終わらせたいと思います。

 クラブの情報というのは、全部を皆さまにお伝えするとは限らないということをご理解いただきたい。また、一点、「社長の談話室」がなくなってしまったんですけれど、やるのか、やらないのかという質問がありましたが「社長の談話室」は取り方によっては有益だし、出し方によってはあまり意味がないというか、私はこうして皆さんの前で話をしたほうがいいと思っているので、復活させるつもりはありません。出来るだけの情報を皆さまにお出ししたいと思っておりますが、プライバシーにかかわるもの、自治体などと協議中のものなどは、お出しできないものがあるということを、あらためて了承いただきたいと思います。ぜひ、有意義な意見交換の場にしていきたいと思います。

酒井:どうもありがとうございました。ここまでの内容を受けて、何か質問はありますでしょうか。

八千代の○○です:魅力あるクラブづくりについて質問ですが、選手にとって魅力あるクラブづくりと、育成を強化していくことで魅力あるクラブづくりをしていくということはわかりますが、ファンやサポーターに関して、具体的にどのような魅力あるクラブを作ることが重要だとお考えでしょうか。クラブビジョンを作る上では具体的な方針が必要だと思います。そのあたりをお聞きしたいと思います。

三木:具体的にというのはなかなかハッキリいって難しい。一番は勝てなければ皆さまは納得しないと思います。いくら新しい選手が来ましたといっても、基本的には勝てることが大事だと思います。次にはもう少し入場券を安くして、ファンクラブのサービズをもっとしてほしいというのがあると思いますが、何といっても勝てるのが一番だろうと思います。ここを全力でやっていきたいと思っています。石垣島キャンプはかなりハードワークでやっています。そういうことも魅力あるクラブづくりの一環であるとサポーターの皆様にはご理解いただけると思います。あまりやりすぎて、江尻などはケガをしてしまったと深井のブログに書いてありましたが、江尻も紅白戦というか、フォーメーションの練習で控え組の左のアウトサイドやっていて、あまりパフォーマンスがいいので、コーチ契約を解除して、選手契約をもう一度し直すかと言ってみたほど。少々やりすぎたかなとも思います。いずれにしても、魅力あるクラブというのは強いクラブを作るということが絶対的条件だと思っています。そのあと、どうするかというのは、地域と歩むクラブづくりというところで話をさせてもらいましたが、皆さまに支えられるクラブ、皆さまがこのクラブがあってよかったなと思うクラブ。それには具体的には、お金を、入場券をどうする、ファンクラブをどうするのかがあると思います。これについて、具体的な話は後ほど改めて話をしたいと思います。

酒井:まだ時間があります。三木社長の話を受けての質問はございますか?

船橋からきた○○と申します:ここ何年かのクラブ経営を見て、常々疑問に思っていたのは、大株主である親会社がこのクラブのことをどう思っているのか。非常にここ何年か疑問に思っていました。お話できる部分と出来ない部分があると思うのですが、株式会社である以上、親会社の意向が非常に経営を大きく左右すると思うので、可能な限りでお話していただければと思います。

三木:具体的には今年の10月にクラブハウスが出来るということで十分にご説明できるのではないかと思っています。資本金をかなり増額いたしまして、この増額した分がほぼ建設費ということです。これを両親会社で折半して出してもらったということは、ジェフに対して大きな期待があると思います。私は常々思うのですが、事業を起こすときに、常にやめるときを考えて起こすべきだと考えています。ケンカするときには勝つか負けるか。また、負けそうなときにはどうやって逃げるかを考えてケンカしないとダメだと思います。特に事業に関してはやめ方が大切です。ただ、残念ながらこの事業に関してはやめられません。JRさんのほうには、これはやめられませんと言ってあります。両親会社の社長さん、会長さんともに、フクアリには私が社長になってからは古河電工の社長、会長は5回ぐらい実際に来ているし、JRの社長は一度休んだぐらいであとは皆勤賞で来ていますから、期待は大きいと思います。私自身も、私の話をきくためだけにこれだけ集まってくれて、そう簡単にやめられないと思っています。責任感を感じていますから。ここは、ぜひメモしてもらって、たぶんJRの人も読みますから。読んだらすぐに社長につながることになっていますので、(記録係のかた、)やめられないということはちゃんと書いておいてください。以上です。

酒井:もう一人。

市原市からまいりました○○と申します:練習場、クラブハウス、建物の件を話していたので、もう一点なのですが、選手がいま住んでいる独身寮ですが、姉崎の練習場からさらに遠くなっていて、クラブハウスが蘇我に出来るとなると、さらにアクセスが遠くなると思いますが、今後の政策はありますか?

三木:いずれ、時期を見て、移転させなければいけないと考えています。以前、出光さんの寮をお借りしていたときは、クラブハウスから10分以内で行けたのですが、今だと車で10~15分かかる。ちょっと遠いと思います。選手のほうからも、若手と気軽に食事が出来ないという声も出ているので、結論的には数年のうちには移転させなければいけないと考えています。