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2009 NEWS & INFORMATIONレポートの新着情報

2009 February02

2009.2.28 UPDATE

第9回 サポーターコミュニケーションデー 議事録について(1)

レポート

2月8日(日)に開催いたしました、サポーターコミュニケーションデーにおきましては、多くの皆様にご参加いただきまして、誠にありがとうございました。
サポーターコミュニケーションデーを、幅広くサポーターの皆様にご報告をするため、議事録を掲載いたします。
皆様方から頂きました、貴重なご意見、ご要望は、今後のクラブ運営の糧とし、今シーズンに臨んでまいります。

今回の議事録の掲載にあたりましては、ウェブ上での公開であることを鑑み、個人のプライバシーに関する部分、第3者との交渉に関する部分などについて、一部内容を割愛するとともに、活字にした際に誤解を生むような表現の修正をしてございます。
予めご了承ください。

なお、オフィシャルサイトが提供する情報、画像、音声等と同様、この議事録の転載及び引用も禁止させていただきます。
また、転載、引用が確認された場合、掲載を中止させていただくことがありますのでご理解とご協力をお願いします。


【 議事録1 】



酒井:お時間になりましので、ただいまより2009サポーター・コミュニケーション・デーを始めさせていただきます。本日はお忙しいなかたくさんの方にお集まりいただきました。誠にありがとうございます。魅力あるクラブを作るために、皆様と活発な意見交換を行っていきます。限られた時間となりますが、どうぞよろしくお願いします。本日は前向きな話し合いをしていきたいということで、特定の個人の契約に関する質問というよりは、チームとしてのこれからを話し合えればとチームからうかがっています。
申し遅れました。本日の司会を務めていきます、酒井道代と申します。どうぞよろしくお願いします。
 
 それでは、本日の登壇者をお呼びします三木博計代表取締役社長、島田亮 取締役 マネージメント、コミュニティ担当、小林寛 取締役 アカデミー、レディース担当、昼田宗昭強化シニアマネージャー以上4名です。

 それでははじめに、ジェフユナイテッド市原・千葉代 表取締役社長 三木博計より、クラブ経営についてお話をさせていただきます。それでは、三木社長、よろしくお願いします。

三木:こんにちは。多くの皆様にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。昨年は多くの皆さまの後押しがあって残留できたと考えています。それが、最終節に象徴的に見られました。あらためて心より感謝申し上げます。

 それでは、クラブ運営全般について考え方をお示ししたいと思います。

 まず、最初にプロスポーツクラブゆえにということでございますが、我々は、サポーターの皆さまとの関係は、一般の企業とお客さまの関係を超える関係であるという認識を持っています。だからこそお互いに分かり合えるところもあると思いますし、場合によっては対立するところもあるのではないかと思います。

 普通の企業でありますと、株主に対して意見交換ということは十分にありますが、お客さまに対しては一般的には説明ということで終わっております。我々の関係は普通の企業とお客さまの関係というものではありませんから、我々が、サポーターと直接意見交換をするということになるのだろうと思っています。

ここで、クラブの考え方、クラブでいま起きていることを説明しますが、すべて明らかにすることはなかなかできません。あらかじめ、ご了解をいただきたいと思います。個人のプライバシー、クラブのプライバシー、部外の関係者と協議中のことがら、あるいは、あまりにも瑣末な質問で、お答するのに意味がないものと我々が考えるものについても、お答えいたしません。また、昨年のサポコミですでに回答してあることについても回答は控えたいと考えています。
いずれにしろ、我々自身も皆さまとクラブの関係は普通の企業と普通のお客さま、この関係以上のものであるという認識をしているということを、ぜひご理解いただければと思います。

 我々のクラブは企業でありますが、この企業の製品については、保証はしていないといことを冒頭お断りをさせていただきたいと思います。普通の企業でありますと、製品、あるいは商品をお客さまにお買い求めいただいて、その対価をいただきます。これにはある種社会通念上、分かり合える範囲内の保証というものがついていますが、我々の場合は、保証はいたしません。どういうことかと申しますと、映画などで、これは面白い映画ですよと、前宣伝をやるわけですが、謳い文句がいくら面白いと言ったところで、ご覧になったお客さまが面白く感じなかったら、それは面白くないということです。我々はできるだけエキサイティングなゲームをお見せしたいし、結果として勝てるゲームをお見せしたいわけです。しかし、結果として負けてしまったら、皆さまから「おかしいじゃないか」という話がたぶん出てくるでしょう。残念ながらエンタテインメント業、あるいはプロスポーツ業というのは、そこの保証はしていないということを、ぜひご理解していただきたいと思います。選手は一生懸命やっています。一生懸命やっても、結果が出ないときはあるということも分かって、ご理解いただきたいと思います。

 お断りが多くなりましたけれども、次にクラブビジョンからお話をしたいと思います。我々は以前から、三本柱のクラブビジョンを掲げております。まず、魅力あるクラブづくり、地域とともに歩むクラブづくり、自主自立経営のクラブづくり、ということであります。 
 魅力あるクラブづくりの一番は、チームであります。クラブはエキサイティングなゲームを皆さまにご覧いただきたい。最後まであきらめない、あるいはフェアなプレーで勝利するチームを目指したい。特に私は、フェアプレーは重視されなければならないと考えております。次にこのチームを担う若い世代、若い選手が生き生きとプレーできるチームでありたいとも考えております。それが魅力あるクラブづくりのうちのチームづくりだろうと思います。

 魅力あるクラブづくりの2番目は、選手にとっても魅力がなければいけないということです。選手がこのクラブで過ごした人生が、結果として有意義であったかどうか、有意義であってほしいと思います。我々は選手に最高のパフォーマンスを求め、そのステージを用意しますが、選手がこのクラブにいてよかったと思えるクラブにしたいと思います。そして、プロ選手である以上、引退というものは避けられません。引退後の人生設計に出来るだけ我々も協力したい。それも魅力あるクラブづくりの一つだろうと思います。

 3番目はスタジアムであります。スタジアムはおかげさまで、フクダ電子アリーナを作っていただきました。そして、また、皆さまのご協力で、あれだけの素晴らしいスタジアムにしていただきました。単にハードウェアがあるだけではなく、大事なことは中身に入っているソフトウェアの問題です。それは皆さまにお作りいただいたということであります。ただ、我々ももっともっと努力しなければいけないと思います。あのスタジアムに入った瞬間に日常の生活を忘れられるような空間にしたいし、それでありながらも、やはりアットホームでどこか暖かいスタジアムというものを、我々は追求したい。おかげさまで、このスタジアムは日本で一番いいスタジアムと言われております。これは千葉市に頑張っていただきましたけれども、それだけではなくて、皆さまの心がやはりその中にはあるのだろうと思っています。

 もう一つは育成ということも、魅力あるクラブづくりに入れていきたいと思います。プロの選手を育てることは、プロスポーツクラブにとって大きな使命であります。最近は、育成年代の低年齢化が進んでおります。ジュニア時代からの育成を強化したいと考えております。今年はそのための要員配置もいたしました。そして、これは私の私見でありますが、サッカーの醍醐味はやはりシュートシーンです。これを多くすることが非常に大事だと思います。過去の例を見るまでもなく、Jリーグの得点ランキングは、残念ながら外国籍選手に上位を占められています。今年からアジア枠が採用され、さらに外国籍選手が活躍する場が増えるわけでありますけれど、これで本当にいいのかと、疑問を持っております。日本人ストライカーが生まれにくくなる状況の中で、我々も、日本人自身でストライカーをきちっと育てるというビジョンを持たなければいけないということであります。育成もしっかり、立て直していきたいと思います。トップチームもいま、工藤選手のあとが続いておりません。もう一度「育成のジェフ」を復活させるために、我々は魅力あるクラブづくりを目指したい。

 次に大きな柱の2番目は、地域とともに歩むクラブづくりであります。サッカーを通して地域の皆さまに夢、あるいは感動、楽しみをご提供したいと思います。そして、皆さまの誇りになれるクラブを目指したいと思います。このクラブがこの地域にあって、この地域の皆さまに誇れるクラブ。これが本来あるべきことだろうと思います。我々もそのために貢献していきたいと思います。そして、サッカーだけではなくて、スポーツ文化をこの地域に作り上げる使命も我々は持っていると思いますから、それも合わせて追求していきたいと思いますし、結果としてこの地域のにぎやかさの創出に少しでも貢献したいと思います。先ほども申し上げましたように、クラブとサポーターの関係は、地域においても同じだと思いますが、やはりギブ・アンド・テイクの関係であってほしいと考えております。クラブは持てるノウハウを最大限に提供し、地域の皆さまからは精神的にも、あるいは、経営的にも支えられるクラブになりたいと考えております。

 クラブビジョンの3点目は自主自立経営のクラブづくりであります。クラブとして外部からの干渉にさらされることなく、自主的な経営判断の下に自立した経営を確立しなければ、魅力ある、あるいは地域とともに歩むクラブづくりはできないと考えております。地域の皆さまに支えられて、サポーターに支えられて、数多くのスポンサーに支えられるクラブづくりを目指したいと思います。

 次にクラブ経営について若干、私の基本的な考え方をお話しさせていただきます。クラブ経営といえども、企業である以上、ほかの経営とまったく変わることはありません。なかでも大事なことは、このクラブが企業として存続するということだと考えています。一時的に多くの利益を上げることよりも、継続的にこの地域の中でこのクラブが存在することが大事であろうと思います。もちろん、企業でありますから、企業としてのクラブが発展するための利益を上げなければなりません。黒字基調の経営をしなければならないということであります。利益がなければ企業経営は成り立たないということを皆さまにご理解していただきたい。地域の皆さまに貢献したい、あるいはサポーターにこういうことをしてあげたい、あるいは株主にも本来であれば配当金を出したいなど、いろいろなことを考えるわけですが、赤字であったら何もできない。いろいろな企業活動の源泉というのは利益であります。

 次に収入構造についてご説明をしたいと思います。2004年と2007年の収入構造の比較を説明いたします。ここに金額は書いてありませんが、アバウトな額でいいますと、2004年が27億円弱でありました。2007年は30億円ちょっとぐらいの額であります。2004年はフクアリが出来ておりません。フクダ電子アリーナは2005年からであります。青いところは、入場料収入で2004年は15パーセントでした。2007年は18.3パーセントであります。ですから、いかに入場料収入が増えたかお分かりになると思います。2004年と2007年を比べて、収入規模が大きくなっていることがわかると思います。大きくなっていて、なおかつ、パーセンテージも増えているということですから、入場料収入はかなり増えたということになろうかと思います。相対的に広告料収入が、2004年45.6パーセントから2007年、43.3パーセントに若干下がってきています。これは親会社からの広告料収入であるとか、あるいは看板であるとか、あるいはLED看板に出ていただいている企業の皆さんからいただく広告収入であります。

 大きな変化は次の緑の部分でありますけれど、これが商品売り上げでございます。2004年は2.8パーセントでありましたけれど、2007年は8.7パーセント。おかげさまで3倍以上に飛躍的に増えたということでございます。それから、2004年、2007年、水色の部分がありますけれども、2004年の12.3パーセント、2007年の13パーセント。これは移籍金収入でございます。これだけの移籍金が入ったということでございます。

茶色で2004年に1.9パーセントとあるのは賞金でございます。残念ながら2007年はゼロですからスペースはありません。おおざっぱに申し上げて、このぐらい、2007年には変化しました。2008年もほぼ同じような傾向だろうと思います。Jリーグの分配金がここにはありますが、相対的に減少しています。これはご承知のとおり、J2のクラブが徐々に増えてきていて、クラブが増えているわりには収入が増えてこない、相対的に減ってくるということです。たぶん、2009年になると、またJ2のクラブが増えましたので、もっとリーグの分配金が減るであろうということは容易に予測できるわけでございます。

 プロスポーツクラブの経営というのは、ジェットコースターに乗っているようなものだと、私は時々思うのであります。大きく上昇することもありますけれど、急転直下転落することもよくあります。選手の移籍によって、前年は黒字だったけれども、今年は赤字になっちゃったということがよく起きます。今後は選手の移籍によって経営が揺らぐことがないように、安定的な収入を増やしていきたいと考えています。

 次に、クラブの財産とは何かという話になりますが、これは人です。企業は人なりと言いますが、通常これは従業員のことを指します。クラブには従業員のほかに、監督、コーチ、選手という人がいます。人が大事で財産であります。普通の企業ですと、設備投資をする、あるいは設備をメンテナンスするということで、企業の継続、あるいは発展を図ります。我々ももちろん、そういうこともいたしますが、我々の基本的な設備投資は選手、あるいは監督、コーチの補強であります。そういう意味で非常に普通の企業とはちょっと違う経営を強いられていることだと思います。選手というのは人間でありますから、監督によって使われなくなってしまうということがありますし、あるいはトレーニング中や試合などでケガをすることもあります。なかなか先が読めないということであります。こういうところがクラブの経営の難しさがあると思います。

 先ほどから利益が大事だと話していますが、どれだけ儲ければいいのかという話であります。先ほども言いましたように、地域の皆様に支えられているという以上、株主である親会社は配当を多分期待してないと思いま。私は、利益は最低限でいいと考えています。このクラブが発展するための必要最低限の利益は出さなければいけないと思います。そしてJ1で継続的にこのクラブを存続させ、数年ごとに、5年に1回ぐらいは設備投資をして、きちっとした設備を作りたいと思います。今年はクラブハウスを作ります。今、考えているのは5年たったならば、ユースの練習場を近くに作りたいと思いますし、さらに5年後には室内練習場みたいなものを作りたいと思います。いずれにしろ、必要な利益を出していきたい。なんでもかんでも儲ければいいとは考えていません。