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2010 July07

2010.7.27 UPDATE

巻誠一郎選手 移籍会見

トップチーム

巻誠一郎選手 移籍会見

本日11:00より行いました、巻誠一郎選手の移籍会見の内容をご紹介します。



三木博計社長

本日、大変多くの皆さんにお集まりいただいた中で巻誠一郎選手の移籍記者会見ができることを嬉しく思います。誠にありがとうございます。シーズン途中の非常に急遽な話ではございますが、巻選手が新天地で頑張っていくという決意を固め、皆さんに発表することとなり、私としては嬉しく思う反面、巻選手には是非頑張っていただきたいと思います。非常に苦しい決断であったと思いますが、彼ならばガッツで必ずや成し遂げてくれると思いますし、巻選手の名前を高めてもらいたいと思いますし、あわせてジェフの名前も高めてくれることと思います。今後の健闘を祈りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


巻誠一郎選手

今回、私巻誠一郎は、ジェフユナイテッド市原・千葉からアムカル・ペルミへ移籍することが決まりました。移籍するにあたり、ロシアリーグ、アムカル・ペルミさんには私に世界の舞台でチャレンジする機会を与えていただき感謝していますし、今まで僕がこのジェフで培ってきたことがどのくらい通用するのかということにチャレンジしたいと思います。僕自身、年齢も30歳になりますし、厳しいチャレンジになるということは自覚しています。そういった中で、ここからでももう一度成功できるということを日本の皆さんに見てもらいたい、そういう気持ちが強く、今回チャレンジする決断に至りました。
チャレンジするという中で、昨年、ジェフをJ2の舞台に僕自身が落としてしまったという責任を非常に感じていますし、チームが今苦しい状況にいる時にクラブを去って本当に良いのかと僕自身非常に悩みました。J1に昇格するのをしっかりと見届けるべきなのではないかという気持ちもありました。これまでに何度か海外にチャレンジするチャンスをいただきましたが、何とかこのクラブで成功したい、何かを残したいという気持ちで今までこのクラブでプレーしました。そんな中で、今回が本当にラストチャンスだと私自身強く感じ、移籍の決断に至りました。このクラブには、主力選手が次々と抜けていく厳しい時代もありましたが、そういう中で僕は、選手が“このクラブでプレーしたい”という思い、このクラブに誇りを持てるようにしたいという思いでこのクラブに残り続け、何とか選手の目線から変えたいと思いプレーしてきました。そういう中で僕自身がこのクラブを去らなければいけなくなったことは正直、非常に悔しさと無念さがあります。このクラブを去る身ですが、このクラブにはこれから先、去っていく選手や帰ってきてプレーする選手が、しっかりと誇りを持ってプレーできるクラブになっていってほしいと思います。選手に対する配慮であったり、心遣いであったりを忘れないクラブになってほしいと思います。そういう部分ではこのクラブはまだまだ成長できると思っています。とは言え、僕の中ではすごくポジティブな移籍だと思っています。最後は笑顔で皆さんに挨拶できればという気持ちでいっぱいです。このクラブには本当にお世話になったと思っています。感謝の気持ちでいっぱいです。

質疑応答

―― 次の当面の目標を教えてください。

A:(巻選手―以下巻)海外のクラブでチャレンジするということで、やはり試合に出ないと得るものは少ないと僕自身思っています。試合に出続けるということは、海外ではイコール結果を残し続ける。FWの僕としてはやはりゴールというもので形にしたい。ゴールを取り続けることが非常に重要だと思っています。


―― 先日ロシアに直接行かれて施設だとかいろいろご覧になったと思いますが、向こうの印象を少しお聞かせください。

(巻)クラブのスタジアム、練習環境は非常に整備されています。何の問題もなくプレーできると思います。スタジアムは人工芝のスタジアムですが、サポーターもたくさん来てくれるという話を聞きましたし、クラブ関係者の方達も非常に温かく迎えてくれ、「僕らのクラブはすごくアットホームなクラブだ」という話をしてくれました。非常に安心しています。


―― 移籍するにあたり、このジェフで培ったものを出していきたいというお話でしたが、巻選手がこのジェフで培ってきたもので一番大きなこと、一番手応えを感じて成長できたなと思う部分はどんなところでしょうか。

(巻)精神的な部分が一番大きかったと思います。苦しい時期も味わいましたし、歓喜の瞬間もたくさん味わいました。そういう中で、責任感を持ってプレーするということを学びました。もちろん技術的にも、戦術的にもたくさんのものを学ばせていただきました。その中でもメンタル的な部分が、このクラブに入って一番成長できたところだと思いますし、今後、必ず僕の役に立つと思います。


―― ジェフのプレーヤーとして巻選手が一番印象に残っている試合をあげていただけますか。

(巻)もちろんナビスコカップの初優勝、2回目の優勝は非常に印象に残っていますが、それでもやはり一番印象に残っているのは昨年、J2に落としてしまった瞬間です。僕の中で一番印象に残っていますし、これからも忘れることはないと思います。


―― ロシアでこういう部分で勝負したい、あるいは負けたくないという部分があったら教えていただきたい。また、ロシアと言えば本田選手がいますが何か情報のやり取りをしたとか、あるいは彼のプレーを見て同じリーグで戦うにあたり何か感じるところがあれば教えてください。

(巻)僕はFWですしゴールを取ることを期待され移籍に至ったと思っています。僕のストロングポイントはゴール前の勝負強さであったり、ゴールに向かう泥臭さであったりだと思うのでそういう部分は必ず出していきたいと思います。本田選手に関しては、向こうのリーグでしっかりと結果を残している。彼が活躍しているということで、日本人の価値が非常に上がっているというのを感じました。そういうところで、僕が日本人だからという目ではなく、フラットな目で一人の選手として見ていただけていると思います。本田選手にはすごく感謝しています。


―― 巻選手が先ほど、「誇りに思えるようなクラブ作りをしたいと思いやってきた」とありましたがその取組みについてどう評価されていますか。またもう一点、巻選手との今後の関わり合いについてお聞かせください。

(三木社長―以下三木)どの選手が一番このクラブを愛しているといったことではなく、皆がこのクラブのために一生懸命やろうと頑張ってくれています。巻選手ももちろん一生懸命、駒澤大学を出てからこれまで頑張ってきてくれました。誰がどうのということではなく、我々はこのJ2で非常に厳しい状況を戦っています。そこをしっかりと勝ち上がることが巻選手に対するはなむけになると思います。(巻選手との今後については)今年、上期で結果はあまり出ていませんが、泥臭くやるという彼自身のイメージをしっかりと持っていますし、しっかりと頑張れる選手ですからやれると思います。やってもらいたいです。本田選手もロシアで頑張っていますが、日本人の多くの選手が海外に行っていますが、全ての選手が成功しているというわけではありません。しかしながら、巻選手ならばやってくれると期待をしています。


―― 2007年に主力が5人流出しまして、その時にフロントは「今後こういうことが一切ないように、選手がクラブに愛着を持ってくれるようにしよう、選手を大事に扱おう」と誓いを立てたと聞いていますが、そこからわずか2年半で選手が無念さを感じるような移籍に追い込んだように見えるのですが、あの時の誓いは忘れてしまったのでしょうか。

(三木)追い込んだというのはだいぶ見方が違うのではないかと思います。我々はオファーが来た時は必ず選手には伝えるという方針です。巻選手とは来年の1月まで契約が残っていましたが、我々はオファーがあった時は必ず本人に伝えます。その後は選手個人がどのような選択をするかというところになりますが、できるだけ巻選手の意思を尊重することが正しいのだと我々は判断いたしました。


―― それでは正式契約の前に練習に参加しないように通達したのはなぜですか。

(三木)正式契約の前に仮契約もあり、そこでケガという大きな心配がありました。ロシアに行こうという選手にとってケガはかなり大きな問題になる可能性がありますので、そういったことを含めての判断だと理解していただきたい。


―― プロ入りしてからずっと挑戦し続けてきたプロ人生だと思いますが、今回また新たな挑戦で、どういうことを糧にしてどのように乗り越えていこうと思いますか。

(巻)今年ジェフでなかなか出場機会がなく、中断期間明けてからもなかなかチャンスがなかったのですが、僕自身、一プレーヤーでいたい、サッカーをやりたいと。ワールドカップを見ていても世界を舞台に戦いたいという想いが沸々と湧いてきました。そういう中で、自分自身、何がやりたいんだと考える中で今まで断念してきたことにチャレンジしたいと。せっかく海外にチャレンジするチャンスをいただきましたし、ここでこのチャンスを無駄にしたくないと考えました。本当に自分のできることがどれくらいなのかというのを試したいし、必ず成功したい。そういう強い意志は持っています。


―― 2003年からジェフでプレーされ、良い時も悪い時もサポーターの応援があったと思いますが、今のサポーターの方への想いをお願いいたします。

(巻)2003年にジェフに入り、皆さんの前でプレーするのが恥ずかしいような時からジェフのサポーターは僕のことを温かく見守ってくれていました。今の僕があるのはそういうサポーターの皆さんの力があったからだと思います。ジェフのサポーターの皆さんが僕を育ててくれたのだと思っています。本当にサポーターの皆さんには感謝しています。


―― ジェフでの経験は巻選手の今後のサッカー人生の中でどんな影響を及ぼすと思いますか。

(巻)ここでプレーしてきたことは僕のサッカー人生においても、人生においても濃いものであったと思います。どのように生かすか
というのは、これからの自分の取り組み方次第だと思いますが、絶対にこういう経験は次に生かさなければいけない。たくさんの方が僕を後押ししてくれていますし、そういう気持ちを大切にして前に進んでいきたいと思います。


―― 先ほど本田選手の話がありましたが、実際に本田選手と対戦した時にどういった形で臨みたいと思いますか。

(巻)本田選手は問題なく試合に出場できると思いますが、問題は僕の方。ロシアリーグでは最終節に対戦しますが、そこまで僕自身、もらったチャンスでしっかりと結果を出し、試合に出続けなければいけないと思います。同じピッチで対戦できるよう、そこまでの過程を大事にしたいと思います。


―― この時期多くの日本人選手が海外に移籍していて、中には「ここがキャリアの終着点ではない」という言い方をされる選手もいますが、巻選手は今回ロシアに移籍されて、この後のサッカー人生の展望はどう見られていますか。

(巻)サッカー選手としてプレーしている以上はもちろん、高い目標、もっと上のステップや、自分が望むようなスタイルを追求したいというのがありますし、もっともっとチャレンジしたいという気持ちはありますけれども、今回の移籍で、もう一度ジェフに帰って来られるチャンスをいただいたと思っています。僕の中ではマンチェスターユナイテッドだったりバルセロナだったりというクラブと同じ価値がこのクラブにはあります。笑われるかもしれませんが、僕の中には本当にそれくらいの価値があります。またこのクラブでプレーできることを望みますし、戻って来られるように頑張りたいです。