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2019 NEWS & INFORMATIONアカデミーの新着情報

2019 May05

2019.5.10 UPDATE

【5月9日実施】朝岡隆蔵U-18A監督 質疑応答

アカデミー


このたびジェフユナイテッド市原・千葉U-18の監督に就任しました朝岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

―― 最終的にこのご決断をされた決め手、経緯を教えていただきたいのですが。

いろいろな要素があるので、特にこれというものではありません。一つは公立高校の勤続年数が原則10年というところで、(自分は)11年目に差しかかっていたということ、自分の教員としてのこの先5年10年の見通し、あとは自分自身がS級ライセンスを取らせていただき多くの人と話をしてきた中で、一つ「チャレンジしてもいいタイミングかな」ということは感じていたので、いろいろな要素が決断(の背景)にはありました。

―― ジェフで実現したいこと、目標としたいこと、どういうサッカーをしていきたいかというところをお聞かせください。

目標はまず、トップチームで活躍する選手を多く輩出したいということ。そしてチームとして、やはり一つでも上のカテゴリーに上げていって、日常のレベルを上げていきたいということ。サッカーに関しては(ホセ マヌエル ララ)ダイレクターのもと、アカデミーが同じ哲学を持ってやっていますので、その哲学の中で私のエッセンスを入れながらより良いチームにしていきたいという思いがあります。
具体的な目標は、何人とは言えませんけどプロを多く出すこと、トップチームに上げること。(チームを)プリンスリーグに上げること。サッカーに関しては、ボールを握り攻撃で主導権を取ること。当然守備においてもアグレッシブに、受けないで奪いにいく、攻守においてイニシアチブをとっていくという大前提のもとにやっていきたいと思います。

―― 今回のオファーで魅力に感じた部分は?

私自身が千葉の出身であり、(ジェフが)一番身近なプロクラブであるということ。そして、選手も含めてですけど多くの縁があって、(高橋悠太)GMも含めていろいろと話を聞けたこと。実際に、選手獲得の際に日常的に私の指導であるとかコーチングであるとか、日常の練習や試合を一番多く見ていただいたのもジェフの方です。それをもってしてオファーをいただいたということは、ある意味で自分を名前だけではなくいろいろなことから評価をしていただいた上でお話をいただいたと感じました。そういう意味では一番リスペクトがあるオファーかなと思ったので、いろいろなタイミングもありましたけど、快く引き受けさせていただきました。

―― 高橋GMのもと、ジェフはトップチームからアカデミーまで一つのフィロソフィーとしてプログラムに取り組んでいますが、朝岡監督から見てそのプロジェクトはどのように見ていますか。

クラブとして一体感を持つということは非常に大事なことですし、みんながトップもアカデミーも垣根なく、同じ哲学を持って同じ方向を向いてやれるというクラブの一体感というものは少ない日数の中で感じていますし、非常にやりがいのあるチーム・クラブの一員として働いているという実感はあります。自分がいた高校の組織だと、部のスタッフ十数名の中でやっていく感覚ですけど、何十人何百人、ファン・サポーターも含めればもっと(多くの方がいる)でしょうか。そういう中で一体感を持ってやれるところに魅力は非常に感じております。

―― 指導を始めてまだ日が浅いかと思いますが、実際に指導された手応え、印象はいかがでしょう。

非常に好感を持っています。指摘されたことに対する反応・修正力というのは、やはりしっかりとした指導をこれまで受けている選手なので、非常にレスポンスが早いというか、修正力が非常に早いなと見ています。個で見たときのポテンシャルであるとか、そういうものというのはまだまだより鍛えていかないと。精神的な部分も含めてまだ足りないなと思うところも、もう少し大人にしていかないといけないなと思うところもあります。ただサッカー理解とかそういう頭の部分であるとか、そういう部分においての吸収力、反射はすごく早いなと見ています。

―― 先ほど「私のエッセンス」とおっしゃっていましたが、具体的にどのような部分を強調して落としていきたいなと?

考え方とか思考、あとはメンタリティーもそうですが、トップに上がるとか試合に勝つとか、何か目標や夢を獲得する上で、どういう思考でどういう取り組みをしなきゃいけないかというところで、やはりつまずいてしまう子が多い。やり方や考え方を間違えてしまう子が多いので、目標に向かっていくときの障害や壁、そういったものをどう捉えてどう考えて越えていくかとか、物事へのあたり方など、そういうものは少しずつ伝えていきたいなと思っています。素晴らしい環境ですので甘えや逃げも出てきてしまうし、ちょっと満ち足りた感じも若干あるので、もっとギラギラとした、なんか飢えているような状態、そういうものを作り出していくためにも一つの目標設定というのが大事なのかなとは思っています。



―― 高体連でできなかったこと、ジェフに来てできるようになったことなどはございますか?

比較的、市立船橋でも「こうしたい」と思ったことは応援していただいて、ハード面もそうですけど、やらせていただきました。そういう意味では何か不自由を感じたことは前任のチームでもありませんでした。
「今このクラブでやりたいこと」ですが、(環境は)非常に恵まれており、整っているなとは思うので、目の前の選手を成長させるということ、これ以外自分は考えていません。学校の公務がなくなったぶん、本当にサッカーを考える時間だとか、スタッフと話をする時間だとか、そういう時間を多く取れています。そういう意味では、一人で頑張っている感覚が前任のときは非常に強かったんですけど、クラブ全体で頑張っている、やれているという“一体感”というものを感じているので、そういうところに喜びを感じています。サッカーを考える時間が増え、「みんなでやれているな」という感じがより持てているなと思っています。

―― 高体連からプロクラブに入った指導者といえば布啓一郎監督(元市立船橋高校監督・現ザスパクサツ群馬監督)がいらっしゃいますが、前例としては多くありません。高体連とプロとの違いをどのように見ていたのでしょうか。

まず公立の教員・公務員というのは本当に素晴らしい仕事です。教育という、子どもに触れあっていく時間とか関わっていく仕事は素晴らしく、この教員という仕事を定年まで全うするということも考えました。こと“サッカーの仕事”と考えたときに、全国の多くの先生方を見てきましたけれども、公立高校には転勤があるということを踏まえると、自分自身が定年まで同じ一つの現場・同じチームでやっていくということは考えにくかった。
そういうときに一つの例として、やっぱり布さんの生き様というものを見ていますし、そういう意味では一つの憧れであり目標である布さんのとった選択と、知らず知らずに自分が同じ選択をしていたのかもしれません。自分が市船以外の高校で指導しているイメージがまったくわかなかったというのが実際のところです。教員という仕事を続けたいとは思いましたけど、サッカーのことを考えると、同じ高体連の中で市船以外でやっている姿が想像できませんでした。簡単に言うと、布さんを追いかけたのかもしれませんね。

―― この先、トップチームの監督になりたいという思いはありますか?

自分が市船の監督になったときに、この今の状況を想像できたかというと、想像していなかったと思うんです。目の前のことを一生懸命やってきた結果、いくつかの選択肢が出たという風に思っています。そういう意味では今現状ではあまり先のことは考えていなくて、与えられたミッション・仕事に対して全力を注ぐ。アカデミーのU-18をより良くしていくということ、これが僕に与えられた仕事です。それをまず実現させたいということ以外はあまり先のことは考えたくないし、考えてはいけないと思っています。目の前のことを一生懸命やりたいと思います。

―― サッカー以外の部分で、18歳以下の選手を教える上で大切にしているところは?

指導者の空気感とか言葉とか、そういうものって伝播していくものと思っているので、やはり僕自身もこのチーム、クラブを何とかしたいという思いもあるし、その姿勢というものは子どもたちに伝わっていくと思っています。やはりその本気度というか、ものを成し遂げるためにどのくらい熱量を持っているかというところは伝えていきたい。(選手にも)実践してほしいと思います。その上でさまざまなことを要求していくとは思いますけど、まずはその目的・目標を達成するための熱量、考え方というのは子どもたちに伝えていければとは思っています。



―― 新しい環境で、ご自身が注意していかなければいけないなと思っているところは?

比較になってしまいますが、高校サッカーの監督って、すごく大きな権限を持っています。そういう意味では、自分の考え方一つでチームというのは大きく動いていきますし、良い方向にも悪い方向にもいくと思っていました。そういう意味では、クラブにおいての権限がないという言い方はおかしいですが、自分の考え方が即実行に移せるか、スピード感を持って何かできるかというと、そうではない。やっぱり組織の中において自分が与えられた仕事、または合意のもとに物事を進めていくというところにおいて、一方の見方でいえば、スピード感はなくなるなとは思っています。
ですが、やはり組織で働く以上、チームとして合意を持って、どういう風に進めていくかということに今自分は飢えていたし、それに喜びを感じているし、みんなで勝ち取っていくことに対する喜びを感じているところです。「気を付けること」に当てはまるかは分かりませんけど、やはりコミュニケーションをしっかり取って、自分が突っ走らないようにというところは気を付けないといけないなとは思っています。



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