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2020 October10

2020.10.16 UPDATE

WEリーグ参入決定会見

レポート

ジェフユナイテッド市原・千葉レディースでは、2021年秋に開幕するWEリーグへの参入が決定したことを受けまして、10月15日(木)に、WEリーグ参入決定会見をオンラインで実施いたしましたので、その模様をお知らせいたします。


会見には森本航代表取締役、ジェフユナイテッド市原・千葉レディース猿澤真治監督、瀬戸口梢選手(キャプテン)、そして大滝麻未選手が出席し、WEリーグ参入に際しての所信表明を行いました。


森本航代表取締役 コメント



本日は、私共の記者会見にご参加いただきましてありがとうございます。先ほどWEリーグの理事会にてWEリーグ参戦が正式に決定いたしました。これは、ひとえに今まで応援いただきましたサポーター・ファンの皆さま、地域の皆さまのおかげだと思っております。 
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは1992年に発足したチームです。今までこのチームに携わってきた多くの選手・スタッフが積み上げてきた成果・努力の賜物が今回の評価につながったと思っています。今回17チームが手を挙げ、最終的には11チームが選ばれています。選ばれたということに、私たちは非常に大きな責任を感じています。

新型コロナウイルスの影響で何をするにも制限がかかったり、不安にさいなまれるような世の中で、私たちがなぜ、今あえてWEリーグに参入したかというと、「スポーツ、サッカーを通して世の中にもっともっと元気・活力を与えていきたい」ということです。我々は、そういった社会貢献のできる組織であるということを自負して手を挙げました。皆さんも記憶に新しいと思いますが、東日本大震災が発生した2011年、まだ震災の影響が残る7月に、FIFA女子ワールドカップで「なでしこジャパン」が優勝しました。その時、世の中の人に元気と希望を与えたと思います。サッカーとはそういう力があるものだと思っております。今まさしく、新型コロナウイルスの影響で世の中が大変な様相になっている中で、女子プロサッカーが発足するというのは、大きなめぐりあわせだと私は感じております。しっかり準備をして、WEリーグの成功のために、私共ができることを最大限貢献していきたいと思いますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。


猿澤真治監督 コメント



本日はお忙しい中、会見にご参加いただきありがとうございます。
今シーズンから監督を務めさせていただいていますが、きょうの日を非常に心待ちにしていました。シーズン当初から次年度のプロ化というところは意識してスタートしています。選手たちには、それぞれの個のレベルアップということを強く要求していますが、本当によく頑張ってくれていますし、見ている人に感動を与えるようなサッカーを見せようと話をしています。全てとは言いませんが、多くの試合で良いサッカーができるようになってきていますので、だんだん成長していると思います。ただ、まだまだ成長過程にあるチーム、選手たちなので、来年度のWEリーグ開幕に向けてもっともっと大きく成長した状態で良いサッカーが見せられるように精進していきたいと思います。
きょうはありがとうございました。


キャプテン 瀬戸口梢選手 コメント



キャプテンの瀬戸口梢です。
本日、ジェフレディースがWEリーグへの参入が決定したことを、非常にうれしく思っています。私たちは今までアマチュアでやってきたので、非常にうれしいと同時に責任も生まれて、身の引き締まる思いです。これから、ホームタウンの皆さまに愛されるチームになれるよう、さらに選手全員で頑張っていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いいたします。


大滝麻未選手コメント



大滝麻未です。まずはこういったプロリーグが、大変多くの皆さまのご尽力により立ち上がったこと、そしてジェフユナイテッド市原・千葉レディースとして開幕初年度にリーグに参入できることを、選手としてとてもうれしく思っています。うれしい喜びと同時に、とても身が引き締まる思いでいます。
このリーグを通じて、どんなことを次世代の選手たちに伝えることができるかが大事だと思っているので、今よりもっともっと「女子サッカー選手」が夢のある職業になるように、私を含めた選手一人ひとりがプロ選手としての自覚・責任をもってこのリーグをしっかりと盛り上げていきたいなという思いです。まずは、選手一人ひとりがプロとしてしっかり活動していける、そんなリーグにしたいと思っています。



質疑応答(1)

ここから、報道・メディアの方々からの質問に答えます。


― 大滝選手に質問です。FIFAマスターで勉強されて、フランスのチームに所属した経験の中で、WEリーグが成功するためのカギはどのような点だと考えますか。


大滝いま私は、選手という立場で女子サッカーに関わっているというのが一番大きいので、選手としてお答えします。まずは、選手一人ひとりがプロとしての意識をもっていくことです。今と同じ気持ちではプロリーグとして成り立たないと思っているので、まずそこをしっかりやることが一番大事なことかなという風に思っています。今の時点で、選手として言えることはそういうことだと思います。



―「同じ気持ちでは成り立たない」というのは、もう少し具体的にどのような気持ちが必要なのか教えてください。


大滝現在ももちろん、「なでしこリーグ1部」というのは日本の女子のトップリーグなので、そういう意味では(アマチュアとはいえ)本当は同じ気持ちでやっていなければいけないとは思うのですが、WEリーグは、これまでとは違ってお金をもらいながらサッカーをやるということに責任が生まれますし、次世代の選手が、サッカーができる環境をつくっていくためにも、いま私たちがしっかり活躍してWEリーグを盛り上げて、継続するものにしていくというのが私たちの責任だと思います。そういう意味では、自分たちのことだけではなく、次世代の選手たちのことも、もっともっと考えて、日々の練習・試合に取り組んでいかなければならないのではないかと思っています。





質疑応答(2)


―森本社長に伺いたいのですが、先ほど新型コロナウイルスの話が出ました。経営的にも、打撃を受けていると思うのですが、その中であえて女子リーグに参入を決めた経緯と、経営面での懸念などがあれば教えてください。


森本私共はすでに女子チームを持っているというところがスタートラインとして、一から作り上げるよりは、だいぶ条件がそろっている環境だったと思っています。女子のプロチームを持つことは経営を圧迫することではなく、逆に我々が会社としてより発展するための起爆剤だという風に思っております。
女子のプロサッカーリーグがこれから始まって、多くのお客さまが来て、多くのスポンサーがついて、もっともっと盛り上がっていく、そういったコンテンツになっていくものと信じておりますので、これは私たちにとって、将来的なビジョンを持った投資であると考えています。



―チェアマンの会見の中で、「観客人数平均5,000人以上に」という話がありました。現状と比べてだいぶ高い数字だと思うのですが、新型コロナウイルスの影響もあり大変難しい中、観客数増に向けてどういったビジョンを持っているか、具体策があれば教えてください。


森本5,000名という数字は、今のジェフユナイテッド市原・千葉レディースの平均の観客数からすると高い目標であるとは思いますが、実現できない数字ではないとも考えています。なぜかと申しますと、非常に立地の良いフクダ電子アリーナがホームスタジアムとなりますし、さらに私共の持つJリーグのチームには、ジェフユナイテッドにかなり大きな愛着を持ってくださっているお客さま、サポーターの皆さまがいらっしゃいます。そういったところから裾野を広げて、目標である5,000名以上のお客さまを集めていくような施策をしっかり考えていきます。
すでに私共はJリーグのチームを持っておりますので、集客などのノウハウはある程度持っております。それをうまく使って女子プロサッカーリーグの裾野を広げていけるようなことを考えていきたいと思います。



―フクダ電子アリーナ(フクアリ)の話が出ましたけれども、フクアリで基本的には試合をしていくという方針なのでしょうか。


森本フクダ電子アリーナをメインとして、ゼットエーオリプリスタジアム(市原臨海競技場)も、うまく使わせていただきながら、二つのホームタウンの皆さまに楽しんでいただけるような試合日程になればと思っています。



―1節、試合がない日があるということで、現時点で、その日に取り組みたいことなど決まっていますか。


猿澤その件は、私たちも、きょうのWEリーグの会見で初めて聞きました。チーム数も偶数だと思っていたところ奇数になったので、前もって準備していたものは現時点では無いのですが、WEリーグが言う通り、女子のサッカー普及のためのイベントなど、色々なことができればと思っております。地域のニーズもあると思うので、そういうことに応えていければと思います。




―社長に質問です。1試合5,000人の観客を集めるという部分で、トップチームのノウハウがあると言っていましたが、具体的にどのようなプロモーション活動を展開して観客を呼び込もうと考えていますか。


森本これから手掛けていかなければならないことだとは思っていますが、SNSなどの、より身近な情報伝達ツールをうまく活用して、女子プロサッカーをもっともっと身近に感じてもらいたい、いままでこういったスタジアムに足を運んでこなかったような少年少女の世代に、どんどんスタジアムに足を運んでいただきたいなという風に考えています。

小学生・中学生くらいの女子は、スポーツを観戦する機会が、男子に比べて少ないのかなと思っております。それが、千葉の街に女子プロチームが生まれることで、かなり身近なところにプロの試合を見に行けるようになるので、そういった環境が整うことで、子どもたちにもっともっとサッカーの楽しみを知ってもらいたいなという風に思っています。新しくできたWEリーグが、子どもたちにとって、スタジアムが気軽に行き楽しめる場所という、そういった文化を定着させていきたいなと思っています。ここを重点的にやっていきたいと考えております。



―プロ化にあたって、選手から見たメリット・利点と感じることはどんなことでしょうか。


瀬戸口他のチームと比べて環境の差があるかどうか分からないのですが、今は、朝から夕方まで仕事をしてから練習という選手がほとんどです。これからは2部練習(1日に2回練習)などをすることもできると思うので、サッカーに専念できるという意味では、レベルアップにつながると思うので、メリットがあると私は思っています。



大滝昨年のFIFA女子ワールドカップでも、ヨーロッパ諸国が大きく成長した姿を見せたと思うのですが、それはヨーロッパのプロ化が進んだことによって国の全体のレベルが上がったというのが大きいと思っていて、そこに追いついていくという面では、必要不可欠な部分かなと思っているのがひとつと、選手としてサッカーに専念できるというのはすごく大きいことであると思うので、今までは仕事をしていた時間を、自分の足りない部分のトレーニングなどに使えるというのは一人の選手として成長していくという意味では大きなメリットだと思っています。



―選手2人お伺いしたいのですが、女子サッカーの魅力、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの魅力を教えてください。


大滝女子サッカーの魅力は、とても選手が近い距離にいるというのが一つの魅力だと思っています。今は新型コロナウイルスの影響でファンの皆さまとのコミュニケーションというのもなかなか難しくなってしまっているのですが。
そして、選手全員が、本当にサッカーが大好きで、ひたむきに仕事もやりながら大好きなサッカーを続けていて、それをピッチで表現しているというのが女子サッカーの魅力だと感じているので、プロになって仕事をしない選手も出てくるとは思いますが、そういう初心、サッカーが好きという気持ちを忘れずに継続していけたらと思います。
ジェフレディースの魅力は、全員が走る・戦うというところが大きな魅力だと思っていて、それがピッチの上で表現できているときは結果が出ているし、できないときはついてこないというのが今年は特に結果にも出てきているので、そこは今年の残りの試合もそうですし、来年プロになっても変わらずに、こだわってやっていくべきところかなと思っています。





瀬戸口ほとんど大滝選手に言われてしまいました。(笑)
女子サッカーの魅力だと感じるのは、ひたむきさだと思っていて、仕事のこともそうですが、朝から夕方まで働いて、満員電車で通勤しながら、その後に練習するというのは、体力的にもきつい部分も多いです。そのような環境があまりよくない中でも、自分たちのレベルアップや、チームとして勝利を目指すことに対して、ひたむきに努力し続けられることだと思っています。
ジェフレディースの魅力は、アグレッシブに、どんなに強い相手にも、自分たちのできることを必死に出して、それを試合の最後まで出し続けられることだと思っています。私もジェフレディースに7年間在籍していますが、それが本当にジェフレディースの強みだと思っていますし、そこをもっともっとさらに伸ばしていって、チームのレベルアップにつなげていけるような努力をしていきたいと思っています。




―選手にお伺いしたいのですが、プロになることで、今までと違ってサッカーに集中できる時間が増える一方で、セカンドキャリアの不安という問題も出てくると思います。その点も含めて、次世代に伝えていきたいとおっしゃっていましたが、プロとして普段の生活の中で意識すること、セカンドキャリアも含めてどういったことをプロである間に蓄積していくことが大事だと考えているかということを教えてください。


瀬戸口私は年齢的にベテランの年代に入っていて、セカンドキャリアについて考えることもあるのですが、今の段階で、色々なことに対して興味を持って、見てみて、自分にそれがあっているのかとか、楽しめるのかというのを、最近になってすごく調べたりするようになりました。選手を終えたときに何がしたいのか候補を挙げるという意味では、今から色々なことに興味を持つことが大事なんだなということ実感しています。ジェフレディースには若い選手も多いですが、そういうことをうまく若い世代に伝えていきたいと思っています。



大滝プロ化して、もちろん不安もあると思うのですが、私としては、一人ひとりがサッカーに使える時間が増えるというのは、セカンドキャリアのことを考えるうえでも、ポジティブにとらえていいと思っていて、あとはその時間をどのように使うかということだと思います。プロとして、そして一人の人間として、どう意識を持っていくかということですが、自分の人生を考えることで、自分のキャリアというのも自然と考えるようになると思うので、まずは自分が女子サッカー選手として何を達成したいのか、女子サッカーを通じて何を伝えていきたいのかということをしっかり考えたうえで、サッカー選手としての自分を含めた人生設計みたいなところを一人ひとりがもうちょっと考えていけばいいと思います。(プロ選手になると)自由な時間ができるので、そういうところに一人ひとりが時間を使えたらいいのではないかと思っています。





―選手にお伺いしたいのですが、ピッチ上の意識の変化というのはお話していただいたのですが、こういうコロナの状況だからこそ、プロ化するからこそファン・サポーターとの関わり合い方について、選手同士で話し合ったり、時間がある中で、自分たちの中で変化があったかお聞かせください。


瀬戸口私は個人的になんですが、新型コロナウイルスの影響で直接サポーターの方々と関わることができなくなったので、インスタグラムを始めました。ジェフレディースの選手の普段の素顔とか、そういうところをうまく発信していけたらいいなと思って始めてみました。
ジェフレディースとしても、インスタグラムの公式アカウントを開設しました。今までなかなか見ることができなかった練習風景などを発信できるようになったことは、すごくいい影響を与えられるようになったのかなと思うので、そういうところで積極的に発信して、これからもファンの方々と関わっていけたらいいかなと思っています。

【ジェフレディース公式Instagramはこちら】
https://www.instagram.com/jef_chiba_ladies_official/

大滝私個人の活動というよりも、「一般社団法人なでしこケア」の活動として、直接ファンの方々とふれあえる機会がすごく減ってしまっていて、私自身は特にサッカーをやっている女の子と話せないことが寂しいなと感じていて、それがきっかけでオンラインやSNSを通じて、リアルタイムで育成年代の選手がトップリーグの選手に質問できる機会を設けたりしています。オンラインミーティングなどのツールが当たり前のように使えるようになってきた今だからこそできることだとも思うので、そういうことをもっともっと続けていきたいと思っています。クラブとしても、ファン・サポーターに向けてオンラインでの企画をしたりしていますが、そういうのももっと選手発信で企画を考えたりしても面白いかなと思っているので、こういう状況の中なので、そういうことをもっと積極的にやっていきたいなと思っています。



―WEリーグがスタートを発表した際に、動画を流していまして、その中に「女の子の夢から限界を無くせ」というメッセージが入っていました。選手にお伺いしたいのですが、このメッセージについて、きょうこの日を迎えてどのように感じるのか、もしくは、選手の立場としてこういうことをやっていけば「限界を無くす」ということを体現できそうだなど、お聞かせください。


瀬戸口「女の子の夢から限界を無くせ」ということに関しては、私にもすごく響きました。今の環境では、トップレベルを目指す女の子がすごく少ないことは昔から変わっていなくて、正直言って、女子選手がサッカーを続けるには厳しい環境です。それで大好きなサッカーをやめなければならないという女の子がとても多いと思います。私たちがこれからできることというのは少ないかもしれないのですが、プロリーグになって、色々な方に注目される状況になると思うので、(ピッチ上の)注目されているところではもちろん頑張らなければいけないと思いますが、見られてないところ、選手として、イチ女性として、大人として責任ある行動を取ることや、女の子の夢をかなえるためにどう行動していくのか、ということが大事だと思うので、そういうことに尽力できるような選手になっていきたいなと思います。



大滝私が幼いころには、まだまだサッカーは男子のスポーツで、女子だからという理由だけで諦めなければいけなかったり、そういう選択をしなければいけない状況がありました。いま時代も変わって、こういう風にプロリーグが出来て、男子と同じように色々な人に見てもらえる機会ができた今、私ができることは、そこで一人でも多くの女の子に自分のプレーや、チームのプレーが届いて、「女の子だからこういうことが出来ない」という言葉が「女の子でもこういうことができる」とか「女の子だからこそこういうことができる」という言葉に変えられるようなメッセージを、まずはピッチの上で伝えられるようになることが、選手としての責任かなという風に感じています。