なでしこリーグカップ1部Aグループ最終戦3位・アルビレックス新潟レディース(以下:新潟L)をホームに迎えた4位・ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(以下:ジェフL)は熱戦の結果、2対2で試合を終えた。
チームは4-4-2の布陣で、GKに根本望央、DFに右から林香奈絵、千野晶子、櫻本尚子、上野紗稀、中盤には鴨川実歩、西川彩華、曽根七海、深澤里沙、前線には成宮唯と佐藤瑞夏が構えた。
日中からの暑さが残る中でのキックオフ。最後まで走り切ることが重要だった。
ジェフLはスタートからボールに食らいついて行くが、8分、左サイドを破られると先制点を奪われた。
同点にすべく積極的な姿勢を見せ、再三、セットプレーでもチャンスを演出するがゴールは遠かった。
その後も新潟Lは、自分たちのスタイルを全面に押し出し前線の2トップにボールを当て起点を作ると2列目の選手が飛び出しジェフLを揺さぶる。
しかし29分には、ゴール前の絶妙なパス交換から深澤が右足で仕留め同点に追いつく。
相手のビルドアップを限定し、相手の隙間となるパスコースを、中盤がスライドしながら埋めて行く。お互いがコンパクトに保ち、個の仕掛けで破られそうになっても3人で囲い込んだ。
そして46分にはカウンターから鴨川がシュートを放つが相手キーパーにファインセーブをされてしまう。
後半が始まってもピッチ上は激しさが増して行く。新潟Lに押し込まれ58分に失点。再び、リードを許す展開となった。
ここで藤井奈々監督は63分に曽根に代わり、安齋結花を投入。その2分後には上野のクロスに深澤が飛び込むが、これは惜しくもポストに嫌われた。
77分に得たコーナーキックでは櫻本のヘディングシュートはクロスバーにあたり、続く西川のミドルシュートはキーパーに防がれた。
81分にジェフLは2枚目のカードを切る、鴨川に代わって瀬戸口梢を投入し、前への姿勢を強めるとショートカウンターを発動させ、83分に西川のパスを受けた深澤が落ち着いて右足で流し込んだ。
「1点目は、サイドバックの裏を積極的に狙いました。中央に鴨川選手が見えたのでワンツーからゴールを狙いました。良いところに入りました。2点目は、西川選手が良いボールを出してくれて斜めの動きで絶好の位置に入り流し込めました」(深澤)。
押せ押せムードの中、ジェフLは試合を決めにかかるが追加点までは手が届かず、2対2のままホイッスルを聞くことになった。
藤井奈々監督は「落ち着いてゲームを運ぶこと、焦らないことのコントロールができていました」と一定の評価を口にすると、「攻守の切り替えを速くして隙を突いていくことを落とし込みたいと考えます」と、リーグ後半戦に向けて強化ポイントを話した。
カップ戦では若手選手を積極的に起用した。また競争を促しながら1つの枠にとらわれず複数ポジションをこなせるユーティリティー性をもたせることで、チームとしての底上げを図った。
キャプテンの上野は言う。
「チームとして正確性を高め、一人ひとりが意識していることも高めて練習に取り組み、リーグ戦を迎えたいと思います」
今シーズンのカップ戦はグループ4位で終えたが、ここで蒔かれた種は必ずや秋口にスタートするリーグ後半戦に向けて大きな花を咲かせるだろう。