次こそは。来シーズンこそは。

「今シーズンの中では、たくさん得点を取れた試合ですが4失点は想定外でした」と試合後、藤井奈々監督は振り返った。

2018プレナスなでしこリーグ第18節ジェフユナイテッド市原・千葉レディース（以下：ジェフL）とマイナビベガルタ仙台レディース（以下：マイナビ）の一戦は3対4の僅差でジェフLが敗れた。

先発にはGKに根本望央、DFは若林美里、千野晶子、櫻本尚子、上野紗稀、MFに鴨川実歩、西川彩華、瀬戸口梢、深澤里沙、FWは小澤寛と山崎円美でスタートした。
リーグ最終戦――。
この試合に勝つことで勢いに乗り皇后杯につなげたいジェフLと、降格圏内から脱出をしたいマイナビ。開始早々から試合はヒートアップした。

長いボールで起点を作ろうとするマイナビに対し、山崎のプレスが守備スイッチの合図となり前から守備をハメて行く。守備陣は力強く弾き返し、中盤はセカンドボールを拾う。
ただ、マイナビのチェックも厳しく、簡単にはボールをつなげさせてくれない。27分には裏を取られたが根本が落ち着いて処理するも38分、コーナーキックのこぼれ球を拾われるとシュートを捻じ込まれて失点。これで目を覚ましギアを一段上げたジェフLは右サイドの仕掛けから連続攻撃に出た。そして45＋1分にコーナーキックのチャンスを得ると混戦の中を櫻本が押し込み同点とした。

1対1で折り返し、後半、重心を上げて修正を図り攻撃の糸口を探し当てたジェフLは、後半の入りは積極的にボールを動かし敵陣内へ攻めたが、52分にコーナーキックから失点した。ここで、お返しとばかりにコーナーキックから櫻本が右足ボレーシュートを打ち込み同点とする。
「1点目ですが相手はソーン（守備）で、芦川GKコーチにファーで待っていることをアドバイスされ、久しぶりにコースが読めて決めることが出来ました。2点目は、頭で行こうかと思いましたが左隅が見えたので上手く流し込めました。落ち着いて得点が取れたことは調子が良いと感じました」（櫻本）。

しかし59分には再びコーナーキックで失点。ジェフLのチャンスは69分のコーナーキックだった。ショートコーナーを選択、こぼれ球を山崎が狙ったがクロスバーに嫌われた。72分にはスローインの流れから失点をすると、ホームの意地を見せたいところだが相手の好守や精度不足もあり結実しない。

指揮官は76分に小澤に代え、横山亜依を投入。その後、80分、コーナーキックの場面で山崎のシュートが千野に当たりネットを揺らし1点差に迫る。

1点を巡り、攻めるジェフL、守るマイナビの構図は試合終盤に色濃くピッチ上に描かれたが、得点は動かず試合終了の笛は鳴った。

これで2018シーズンのリーグ戦全日程が終了し、ジェフLは5勝8分5敗、6位でリーグ戦を終えた。

キャプテンの上野は「前半戦は負けも少なく良い形で折り返しましたが、後半戦は負けと引き分けが続き勝点を伸ばせない状況となり、その流れを変えることが出来なかったことが、チームとしてもっと成長をしなければいけない部分です」と話し「この悔しい気持ちを全員が持って、勝つことにこだわり、皇后杯に向けてまとまって行きたいと思います。全力で闘いますのでこれからもよろしくお願いします」と続けた。

次こそは、そして来シーズンこそは。そのためにチームは日々進歩をして行かなければならない。