今シーズン、なでしこリーグカップ1部でのホーム初勝利を見ようと407名のファン・サポーターがスタジアムに駆け付けたが、その願いはあと一歩届かなかった。
この試合の先発にはGKに船田麻友、DFに右から若林美里、千野晶子、市瀬千里、上野紗稀、中盤には鴨川実歩、曽根七海、瀬戸口梢、山崎円美が入り、前線には小澤寛と大滝麻未が構え、4-4-2の布陣でスタートした。
堅い守備からリズムを作り試合に入るジェフL。一方、伊賀FCはロングボールを蹴り、前線の選手らが連動して一気になだれ込んでくる。大事になるのはロングボールにしっかりと競り、こぼれたセカンドボールを回収することだが、ジェフLはこれを実直に遂行し、逆に相手のウィークポイントを突くことに徹した。
前半13分にビルドアップでのミスからセットプレーを与え、コーナーキックで失点。ビハインドを背負ってのスタートとなったが、24分に小澤が技ありのスルーパスを出すと、山崎が相手と競り合いながらも前に抜け出し右足を振り抜いた。
「小澤選手がワンタッチで欲しいタイミングにボールを出してくれたので落ち着いて決めることが出来ました」(山崎)。
32分に相手コーナーキックの流れから、ゴール前の混戦を押し込まれ失点。再び突き放されてしまうが、ジェフLも意地を見せる。
41分、瀬戸口が起点となりカウンターを発動。山崎が粘りキープし、上野が中央に折り返すと大滝が右足で冷静に流し込んだ。
ハーフタイムに「(相手の)サイドバックの背後を徹底しました。走り方や受けるスペースの実践は出来ていた」(藤井奈々監督)と修正を図ると、後半は攻撃にリズムが出始め、縦パスからクサビを入れサイドに展開しクロスを送る場面が増え出す。
再三、山崎が左サイドを突くと、73分に相手のファールを誘い、これで得たペナルティーキックのチャンスを瀬戸口が蹴りネットを揺らした。
「自分の足でとどめを刺したかったので狙って蹴りました」(瀬戸口)
78分、指揮官は千野に代えて林香奈絵を送る。82分には市瀬が負傷したため、藤代真帆を投入。守備陣も体を張りピンチを防いでいたが、勝利まで目前となった86分、フリーキックから失点を喫してしまった。
アディショナルタイム3分が表示される中、ジェフLがホームチームの意地を見せるが、最後のビッグチャンスとなった90+1分の小澤のシュートは枠を捉えきれず3-3のドローで試合を終えた。
山崎は「あと一歩というところで、あと少しのところは気持ちや目に見えない部分だと思います」と勝利への気迫が相手より足りなかったと反省点を口にした。
グループリーグを突破するためには、ここからは一つも落とせない厳しい戦いが待っている。貪欲に勝利をつかむ気持ちをピッチで表現し、自分たちのスタイルに磨きをかけることが重要となる。
“まだまだここから”
逆境を跳ね返して行くジェフLの快進撃に期待をしたい。