前節は台風15号の影響で試合が延期となり、迎えた今節のF日体大戦は、ジェフLが2-1で勝利を収めサポーターに勇気と元気を届けた。
この試合の先発には、GKに船田麻友、DFには右から市瀬千里、千野晶子、林香奈絵、上野紗稀、MFに鴨川実歩、曽根七海、瀬戸口梢、山崎円美が入り、前線には大滝麻未と成宮唯が構え、4-4-2の布陣でスタートした。
立ち上がりはF日体大の勢いに飲まれてしまった。試合開始1分、相手のミドルシュートがクロスバーに当たり肝を冷やしたが、7分には右サイドの壁を破られミドルシュートを捻じ込まれる。
追いかける立場となったジェフLは12分にコーナーキックから大滝が合わせるがクロスバーに嫌われてしまう。
F日体大のプレス強度が非常に高いため、フリックやダイレクトプレーで攻撃のテンポを上げ相手ゴールに迫っていく。38分にはセットプレーから市瀬が狙うが枠を捉え切れず、前半を0-1で終えた。
ハーフタイムに「前半に使うスペースのエリアが整理できていなかったので、狙うべきスペースの理解をさせました」と藤井奈々監督はワンプレー・ワンプレーを見直す指示を送り、選手の顔を上げさせてピッチに送り出した。
ジェフLがサイドチェンジを繰り返すなど相手を揺さぶることでチャンスを作ると57分には鴨川がシュートを放つがキーパーの正面。その1分後には山崎がシュート。前がかりになった後のリスク管理も船田がチームのピンチを救う仕事を行う。
すると72分、山崎からのクロスをゴール前に飛び込んだ成宮がヘディングで押し込み同点とした。
「あのクロスからのシュートは練習でもやっていたので入って良かったです」と2戦連続弾の成宮は笑顔で答える。
そして78分に、鴨川に代え小澤寛を投入。指揮官が潮目を読み勝負をかけると、80分に小澤のシュート性のクロスを大滝が左足で合わせて逆転に成功する。
「混戦の中で、こぼれ球を押し込む準備をしていましたし、それをみんなが狙っていたことが良かったと思います」(大滝)。
リードを守りながら90+2分には市瀬から若林美里を入れ試合を締め、最後まで粘り強く戦って白星を手にした。
この1勝は、ただの1勝かもしれないが、クラブ、選手、コーチ及びスタッフ陣、そしてサポーターを含め、全員の力を結集させて勝ち取った勝利でもある。
試合後、藤井監督は次のように言う。
「前進する力を皆さんに伝えていくことが、サッカーで伝えられることだと思っているので、選手には『失敗しても前に進む姿勢を見せなければ意味がない』と言いました。これを今日だけで終わらずに進化をしていく気持ちの強さや、そして、チーム力を上げていきたいと思っています」
スタジアムにはサポーターの思いのこもった「立ち上がれ千葉みんなで乗り越えよう」と横断幕が掲げられていたが、これからもジェフLは、少しでも明るいニュースを千葉県に届けるために、最後まで走り抜き、諦めない姿勢とひた向きさを武器に戦い続けていく。