試合開始前には、台風15号、および19号での犠牲者の方を偲び黙とうが捧げられた。両チームはひた向きで最後まで諦めない姿勢をピッチで表現することで台風被害に遭われた方へ微力ながらも勇気や元気、希望を届けるために90分間、走り続ける覚悟で、この試合に臨んだ。
ジェフLのスターティングメンバーには、GK船田麻友、DFには右から若林美里、千野晶子、林香奈絵、上野紗稀、MFに鴨川実歩、西川彩華、瀬戸口梢、山崎円美が入り、前線には大滝麻未と成宮唯が構え4-4-2の布陣でスタートした。
先手を取ったのはジェフL。
開始2分に成宮のパスを受けた西川がミドルシュートを突き刺した。
「ファーストプレーからシュートを選択しようと考えていました。成宮選手からボールを受けてゴールを狙いました。打った瞬間に手ごたえがありました」(西川)。
その後もアグレッシブなスタイルで敵陣内に侵入し、ゴールマウスを脅かすと、17分には鴨川のクロスを成宮がヘディングで合わせ追加点を得た。
「精度の良いクロスから相手の背後も取れたので綺麗に当てることが出来ました」(成宮)。
ボールを失った後のAC長野のカウンターに最大限の注意を払う中、37分には左サイドの連係から上野がシュート。48分には山崎がキーパーと1対1の場面を作るが決め切れず。ただフィニッシュに持ち込む回数も増えていた。
しかし、セカンドハーフに入ると前線からプレスをかけ推進力を前面に出すAC長野に押されてしまう。苦し紛れのパスは乱れ、セカンドボールを拾えなくなると二次・三次攻撃を受ける。
ここで、ジェフLは61分に鴨川に代え小澤寛をピッチに投入し流れを切りにかかると、79分には成宮のインターセプトから山崎がシュートを狙うがクロスバーに嫌われる。
我慢の時間が続く中で、指揮官は86分に瀬戸口に代えて曽根七海を、89分に大滝から大澤春花を送り試合を締めにかかった。何度もピンチを招きながらも体を張った粘り強い守備を見せ、2-0で勝利し3ポイントをモノにした。
藤井奈々監督は「今日はチームの“気”をグラウンドに出して、見てくださる観客の皆さんと被災された皆さんに“気”を送ること、そして立ち上がりに2点を取れたことを含め選手は力を出しきってくれたと思います」と試合を振り返った。
23日(水)に行われる日テレ戦は、中3日で迎える。リーグ屈指の得点力を持つ“強敵”だが、この勢いをチームの糧にしてジェフLの底力を見せたい。