前節の時点で3位・I神戸と勝点1差の4位。そのI神戸と首位・浦和Lとの直接対決を残しているジェフLにとって勝点差を詰める絶好のチャンスでもあったが、“強敵”日テレの前に後塵を拝した。
台風15号の影響で23日(水)に代替となったこの試合。ジェフLの先発には、GK船田麻友、DFは右から若林美里、千野晶子、田中真理子、上野紗稀、MFに鴨川実歩、西川彩華、瀬戸口梢、山崎円美が入り、FWには大滝麻未と成宮唯が構え4-4-2の布陣でスタートした。
開始2分、リーグ得点王の田中美南にゴールを許す厳しい立ち上がりとなった。
「最初の失点は自分の判断ミスで悔しい試合となりました。立ち上がりだったのでもっと慎重にいくべきでした」(田中)。
日テレの攻撃は縦横無尽。ジェフLがプレスに出て行くもパスをつながれ、中々、ボールを持たせてくれず我慢の時間が続くが、走力を生かしてインターセプトを狙うことで活路を開く。26分には瀬戸口が、29分にも鴨川がミドルシュートを狙う。そして45分には山崎のクロスを大滝が合わせたが相手キーパーに収められてしまう。
ハーフタイムに藤井監督は「走って戦うこと」、「飛び出す選手、落ちてくる選手に対して役割をはっきりさせること」、「全部出し切ること」を求めた。
後半がスタートしてジェフLは勇気をもってラインを押し上げる。
千野は「前からの守備がハマっていましたし、シュートシーンも増えていました。ラインを高く設定してコントロールをし、攻めに出ていくことを心がけていました」と振り返った。
あわやという場面もあったが、守備陣が歯を食いしばりながら体を投げ出し、守護神・船田が最後の砦として踏ん張った。
その中、54分には大滝がシュートを狙う。
どんなに相手が強敵であっても気持ちが切れたら終わりだ。ジェフLの選手たちは相手に立ち向かいゴールへの道筋を丹念に探っていくが、63分に失点。
ここで66分に大滝から小澤寛を、続いて70分に瀬戸口に代え曽根七海をピッチに送ると、77分にはコーナーキックのチャンスから、こぼれ球に反応した千野が左足で押し込み意地を見せた。
これで勢いが出たジェフLは89分に曽根が左足を強振しシュートを狙っていったがスコアーは動かず1-2で黒星を喫した。
試合後、藤井奈々監督が悔やんだのは立ち上がりの失点だった。「真ん中を縦1本でやられてしまうシーンを自分たちで考えないといけません。駆け引きを含めて、最後の最後まで鍵をかけること」と守備の重要性を口にした。
これでシーズンもラスト2となった。残り試合で勝点6を手に入れるためにも、ジェフLは“ONE TEAM”となり最後まで全力で走り抜く覚悟だ。