リーグ＆ホーム2連勝。直近の5試合で4勝と絶賛進化中のジェフL。

リーグ＆ホーム2連勝を賭けた大事な一戦をジェフユナイテッド市原・千葉レディースは、2-1で勝利した。

この日の布陣は［3-4-3］。GKは山根恵里奈。最終ラインの3枚には右から千野晶子、林香奈絵、市瀬千里が並び、MFには大熊環、鴨川実歩、岸川奈津希、藤代真帆、FWには成宮唯と大澤春花が構え、大滝麻未がワントップに位置した。

伊賀FCくノ一三重は立ち上がりからハイプレスをかけ、セカンドボールに対しても鋭い出足を見せ、ジェフL陣内に迫る。
だがジェフLも負けてはいない。ラインを押し上げ、一人ひとりが球際で戦った。
しかし12分にゴール前のこぼれ球をFW道上彩花に押し込まれて失点。その後も伊賀FCはストロングとする空中戦を仕掛け、ジェフL陣内に押し寄せた。

反撃に出たいジェフLは、成宮を起点にカウンターを狙うが、最後のワンプレーの精度に欠け、チャンスを生かし切れない。
だが辛抱強くプレーし、ボールを動かすことで相手ディフェンスラインを攻略する。
36分、左サイドから相手ゴール前へのパスに反応した大澤と成宮がペナルティエリア内に侵入、これが相手の焦りを誘いオウンゴールとなった。
「少しラインが下がってしまって失点につながる部分がありました。そこからピッチの中で話をし、みんなで改善をして良くなっていきました」（山根）。
ピッチに立つ選手が声を掛け合い修正をすることでリズムを取り戻し、41分にはロングボールを受けた大滝がシュートを放ち、ポストに当たったこぼれ球をを大澤が狙うなど、チャンスを作った。

迎えた後半、大澤に代えボールの散らし役となる曽根七海を投入。49分には成宮がシュートを放つシーンを作ったが、その後は伊賀FCに押され続ける展開に。
しかし全員で体を張り、粘り強い守備で耐えに耐えた。
前線の選手の頑張りに守護神・山根も応え、強烈なミドルシュートを横っ飛びしブロック。またセットプレーのピンチでも身を挺してゴールを死守した。チームは一丸となって戦っていた。

57分、指揮官は大熊から”韋駄天”小澤寛をピッチに送り、反撃の狼煙を上げる。
75分には敵陣中央でボールを持った成宮が反転しスルーパスを送り、大滝がシュート。これは相手キーパーにキャッチされるが、その4分後、成宮が右サイドを駆け上がる曽根にスルーパス。曽根はダイレクトで正確なクロスを入れると、ニアに飛び込んできた大滝がヘディングシュートを叩き込み逆転に成功した。
大滝は「自分はファーで合わせることが得意なのですが、岸川選手に「ニアに回って」と声をかけられました。思い切りよく走って合わせることができました」と、笑顔でゴールシーンを振り返った。

ボールを“繋ぐ部分と蹴る部分”の判断を明確にすることで要所をしっかりと抑えて試合を進めたジェフL。押し込まれても全員で跳ね返したこと、そしてチャンスを確実に決めたことが試合のポイントになった。

指揮官は次のように言う。
「後半、もう少し押せると思いましたが、相手が力を振り絞って前に出てきていました。1つ、2つ、裏を返せればチャンスになる場面もあったので、そこで決め切れたことは力が付いてきたことだと感じます」

アグレッシブな姿勢を最後までピッチに表現し、勝点3を手繰り寄せた。絶賛進化中のジェフLは、さらなる高みを目指していく。