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2020 SEASON MATCHES試合日程・結果

苦しい展開の中、同点に追いついたフクアリ最終戦。



2020プレナスなでしこリーグ1部も残すところ3試合。同勝点で並ぶマイナビベガルタ仙台レディースとの直接対決は、1つでも上の順位を目指すジェフユナイテッド市原・千葉レディースにとって負けられない戦いとなった。

ジェフLの布陣は[3-4-3]。GKには、5日に今シーズン限りでの現役引退を発表した山根恵里奈。最終ラインの3枚には右から千野晶子、林香奈絵、市瀬千里が並び、MFには大熊環、鴨川実歩、岸川奈津希、藤代真帆が入り、前線には成宮唯と曽根七海が構え、頂点には大滝麻未が位置した。

山根を勝利で送り出したいジェフLが意欲的な攻撃を見せ、細かいパスワークで相手を揺さぶると、6分には左サイドのクロスを大滝がヘディングシュートで狙っていく。

マイナビはロングボールを多用してジェフL陣内に攻め入る。ゴール前へのハイボールには山根が高さを生かし難なくキャッチ、最終ラインも奮闘し相手に食らい付いた。
しかし23分、自陣の深い位置でボールを奪われるとそのままシュートにまで持ち込まれ先制点を許した。
「チームとしてボールを動かしてチャンスを作ることが出来ない中での、不用意なミスからの失点というのはなくさないといけません」(市瀬)。

早い時間帯に追いつきたいジェフLだが、ボールを奪っても直ぐに失ってしまう場面が続き、ジェフLらしい勢いを出せず、ビハインドを背負ったまま前半を折り返す。

猿澤真治監督は「いつもであれば、高い位置でボールを奪い攻撃するシーンがあるのですが、相手に対策をされて高い位置で奪うことが出来ず、いつものようにカウンターができなかったと思います」と口にした。

後半がスタートし、指揮官は「テンポを上げろ、上げろ」と指示を飛ばす。53分には、コーナーキックのチャンスを生かし切れずにいると、60分に曽根→大澤春花、大熊→山崎円美を同時投入し、1点を追う。

苦しい時間を耐えながら、攻撃のテンポを上げることでリズムが出始めると、敵陣ゴール前にまで攻め込む回数が増え、相手ブロックを崩すために攻撃を繰り返していった。
そして78分には、大滝→田中真理子、藤代→小澤寛のカードを切る。“ギアを上げ”押し込む時間を作るものの、集中力の途切れないマイナビ守備陣の前にゴールを割れずにいた。

4分のアディショナルタイムが表示される中、最後まで諦めずピッチを走り回ったジェフLに、待望の同点弾が生まれた。
90+3分。鴨川からのクロスに、田中が相手選手と競り合いながらヘディングで合わせゴールネットを揺らす。起死回生の同点弾を決めた田中は「途中からFWとして出場したので、得点を取りたい気持ちがありました。鴨川選手がドンピシャなボールを上げてくれたので、決めることが出来て良かったと思います。イメージ通りというか、中で良いボールが来るのを待っていました」と喜びを爆発させた。
試合は、このまま1-1でタイムアップの笛が鳴った。

今シーズンのフクダ電子アリーナでの最終戦で勝点3をもぎ取り、白星を山根に捧げたかったが、勝点0を1にしたことはチームにとってのプラス材料だ。
猿澤監督は次のように言う。
「フクアリの最終戦で勝ちたかった試合でした。流れ的には厳しくなってしまい、最後に引き分けで終えることが出来たのは大きかったと思いますし、これを次戦に繋げたいと思います」

また、1失点はしたが、ゴールを懸命に守り続けた守護神・山根の熱い雄姿は愛着の深いサポーターの目に焼き付いたはずだ。フクアリでのラストマッチとなった背番号17は、笑顔でピッチを去った。