LADIES TEAM選手・試合情報

2020 SEASON MATCHES試合日程・結果

リーグ最終戦は3-3のドロー。チームの新機軸は大きな武器となった。



2020プレナスなでしこリーグ1部第18節セレッソ大阪堺レディース戦は、3-3という結果に終わった。

ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの布陣は[3-4-3]。GKに山根恵里奈。最終ラインは右から大熊環、林香奈絵、市瀬千里が並び、MFには小澤寛、鴨川実歩、岸川奈津希、藤代真帆が入り、前線には成宮唯と大澤春花が構え、頂点には大滝麻未が位置した。

一方のセレッソ大阪堺レディースも[3―4―3]。フォーメーション上、マッチアップとなりピッチ上の各所で激しい球際のバトルが起こり、マイボールにしたチームが、自分たちの特長を生かし攻撃に転じる。
ジェフLは激しい守備からカウンターで敵陣へと運んでいく。

8分、ゴール前約30メートルの位置から鴨川がフリーキックを蹴るが、相手キーパーにファインセーブをされてしまう。その後も長短のパスを使い、ワンタッチ、ツータッチで決定機を作った。

そして25分にも同じような位置からフリーキックのチャンスを得たジェフL。鴨川が蹴ったボールのこぼれ球に反応した市瀬が左足を強振し、ゴール右隅に突き刺した。

その後もホームチームは、攻守の切り替えとショートカウンターを狙うことを軸としたスタイルをピッチで表現し、C大阪堺陣内に攻め入った。
すると40分、縦パスを受けた大滝が粘りながらボールをキープ。パスを受けた大澤が体勢を崩しながらも左足で押し込んだ。
波に乗る大澤は46分にもシュートを放つなど、ジェフLが2点をリードしハーフタイムを迎えた。

猿澤真治監督は「次の1点が勝負だよ」と選手を送り出すが、風上から風下に回った後半の開始早々に一瞬の隙が生まれ、50分と52分に連続失点。C大阪堺が4バックに変更したことや相手選手が配置を変えたことで対応が遅れ、後手を踏む。それが一歩なのか、半歩かもしれないが、集中力が切れれば決定的なシーンを作られてしまう結果となった。

次の1点を求め指揮官は、57分に小澤に代えて山崎円美を、大澤春花に代えて瀬戸口梢を投入。選手交代でギアを上げると、その采配がピタリと当たる。71分、相手ゴール前で瀬戸口が山崎にパスを送ると左足で捻じ込んだ。

押し込まれる時間帯もある中で、守護神・山根を中心に体を張ってゴールを死守する。球際に負けず、セカンドボールを回収。ジェフLは一丸となってハードワークを続けたが、終了間際の90+4分にオウンゴールで失点。双方が勝ち越せず勝点1を分け合う結果となった。

これで、ジェフLは6勝5分7敗で勝点23を積み上げ、6位で2020シーズンを終える形となった。
猿澤監督は「前半戦は勝てそうな試合を勝ち切れずに結果が残せず、日テレ、INAC、そして、勝てていなかった伊賀FCにも勝てるようになったのは成長だと思います。1年間を考えた意味では6位という順位は良く頑張ったと思います」と振り返った。

また、3得点目をアシストしたキャプテンの瀬戸口は「みんなが『強くなりたい、上手くなりたい』と思っている中で、この順位で終わってしまったことは、まだまだ成長が足りないと、チームとしても個人としても感じています」と上を目指す。

90分の中で、良い時もあれば、悪い時もある。前者をどう生かし、後者をどう耐え抜くかのゲームデザインが皇后杯に向けての宿題となったことは間違いない。

ただ、シーズン途中から採用した3バックシステムの新機軸が、チームに新たな力を与えたことは非常に大きな収穫でもある。

猿澤監督は、皇后杯に向けて次のように言う。
「トーナメント戦なので、一戦必勝で力を出していきたいですし、力がついてきている選手たちなので、優勝できるように頑張っていきたいと思います」

去年の皇后杯では、初戦となった2回戦で敗退。その悔しさを糧に、ジェフLは頂点を目指し戦っていく。