粘り強さとハードワークで勝利を掴む

全員の力で勝ち取った勝利だった。

2021WEリーグプレシーズンマッチ 日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦は1－0で、敵地に乗り込んだジェフユナイテッド市原・千葉レディースが白星を掴んだ。

先発には、GK清水栞、DF田中真理子、市瀬千里、林香奈絵、城和怜奈、MF小澤寛、今井裕里奈、岸川奈津希、安齋結花、曽根七海、FW南野亜里沙が名を連ねた。

相手にやらせない意識はすこぶる高く、序盤から押し込んでいく。1分には曽根が、4分には岸川がシュートを放つと、そのままの勢いに乗った千葉Lが先制点をモノにする。 8分、曽根のスルーパスに反応し、相手DFと競り合いながら最終ラインを抜け出た安齋が冷静に左足で蹴り込んだ。 「曽根選手からパスが出ることを信じて裏に抜けました。相手に取られそうでしたがシュートを打ちました。綺麗に入って良かったです（笑）」（安齋）。

その後も前線からプレッシングをかけ相手を封じるが、強敵・東京NBはボールを動かす。ジリジリと千葉L陣内に押し入り攻撃陣が牙をむき始めると守護神・清水の仕事が増え始めた。 猿澤真治監督はベンチから「声をかけて！」、「頭は休めない！」と大きな声で指示を飛ばすと千葉Lは苦しい中でも全体をコンパクトにし、ラインを上げ、ボールを奪えばカウンダーを狙っていった。

1点リードで迎えた後半には城和に代えて藤代真帆を投入し、54分には安齋→大澤春花、曽根七海→鴨川実歩を送った。 千葉Lは、守備時には[4－4－2]のブロックを敷く東京NBの攻撃を跳ね返す。縦パスやクロスボール対しても市瀬や林を中心とした守備陣が粘り強く対応しゴールを割らせない。 68分には広瀬桜と大熊環を投入。千葉Lは、攻撃的姿勢を保つが危険地帯にボールを運べず、形勢逆転を狙い76分には大澤がロングシュートを狙うも相手キーパーに反応される。

試合終了間際の85分にはペナルティエリア内でシュートを打たれるも清水が立ちはだかった。 清水は「私自身も今季初の公式戦で、緊張よりも楽しむ気持ちで試合に入ることができました。特に守備陣が体を張り最後のところでコースを限定してくれたことで、相手のシュートに対し反応することができたと思います」と振り返った。

最後の最後まで集中力を切らさず全員がハードワークをし、体を張った。1対1、球際で負けないこと、最後まで走り切ることを各々が表現。千葉Lのアイデンティティである“走る・闘う”を見せつけた。

猿澤監督は言う。 「試合開始から全力を出し切った中で、最後は一杯いっぱいになってしまいましたが、前半は自分たちがボールを動かし、その中で得点を取り、最後は勝ち切った形となりました。それぞれの選手が力を出せたという部分でも良かったと思います」

これからも目の前の試合と向き合い全員の力を合わせ一戦必勝で戦う。そして、この日に得たものを次の試合に出していくだけである。

次戦のプレシーズンマッチは、5月22日（土）に広島広域公園第一球技場でサンフレッチェ広島レジーナと対戦する予定だ。