この試合がジェフユナイテッド市原・千葉レディースにとって2021WEリーグ プレシーズンマッチのラストマッチとなる。
ここまで1勝2敗のチームにとっては、勝ってプレシーズンマッチを締めたい一戦だった。
千葉L布陣は[4‐2‐3‐1]。スタメンにはGKに清水栞、DFに田中真理子、市瀬千里、林香奈絵、藤代真帆、MFには今井裕里奈、岸川奈津希、鴨川実歩、南野亜里沙、安齋結花、FWに大澤春花が名を連ねた。
序盤から仕掛けたのはホーム・千葉L。7分、安齋のパスを受けた南野がシュートを放つ。
中盤の運動量や攻守の切り替えの速さを生かしセカンドボールを回収し、マイナビ仙台レディースのゴールに迫っていく。13分には大澤がミドルシュートを狙うが、これは相手キーパーにファインセーブされる。その3分後には、再び大澤がシュートを打つが相手キーパーの正面。得点まであと一歩と迫り、決定機を生かせずにいると22分、一瞬の隙を突かれFW白木星に決められてしまった。
前線と後ろが間延びし中盤を使われ、勢いに乗るマイ仙台の攻撃を受ける時間が続くと、32分には後方からのクロスボールをFW矢作海優にヘディングで捻じ込まれ、前半で2点のビハインドを背負う形となった。
猿澤真治監督は、ハーフタイムに「自分たちにできること」、「前を向いてやるしかない」と選手に話し、後半に修正をすると49分には南野が角度のない位置からシュートを打っていく。
フィジカルで押されると球離れを早めてスピーディーな展開を作りだす千葉Lは、58分に安齋→小澤寛を投入。守備が落ち着き、次第にアタッキングサードまで攻め込む回数が増えてくる。65分にはゴール前の連係から鴨川が狙ったが僅かに枠を捉え切れず、72分の小澤のシュートはクロスバーに嫌われてしまう。
スタンドからは選手を後押しする力強い拍手が起こり、それに選手たちは奮起する。
90+1分、岸川からのパスを受けた小澤が足を振る。相手キーパーのこぼれ球に反応した南野が右足で押し込み1点を返した。
小澤は「自分で決めようと足を振り、ボールがこぼれてきたところを南野選手が決めてくれました。打てば何かが起こることを改めて実感したので、これを続けていきたいです」と話すと、得点を決めた南野は「こぼれ球を上手く拾うことでゴールにつながったと思っています」と振り返った。
だが、試合はこのまま1-2でタイムアップ。猿澤監督は「後半は自分たちのサッカーをすることができました。チャンスはありましたが、1-2という残念な結果でした」と振り返った。
なお、これで千葉Lは2021WEリーグ プレシーズンマッチを1勝3敗で終えた。
小澤はプレシーズンマッチ4試合を振り返り、次のように言う。
「一人ひとりが意識を高め、他のチームの倍以上のスピードで(サッカーの質を)上げていきたいです」
課題を修正し、手応えを次へとつなぎ共有する。
千葉Lの90分は「強くなりたい」という気持ちで溢れていた。