最高のシチュエーションで、最高の相手との“決戦”に挑む。
5連勝で勝点を62に伸ばしたジェフは、現在9位。しかしJ1昇格プレーオフ圏内となる6位・徳島ヴォルティスとの勝点差は「2」と肉薄し、一転して滑り込みの可能性も現実味を帯びてきた。
一方の名古屋グランパスは勝点72で3位。自動昇格圏の2位につけるV・ファーレン長崎との勝点差はわずか「2」と、こちらもターゲットへの猛追を見せている状況だ。
どちらにとっても、勝てば視界が大きく開ける一戦。この90分間に懸ける思いは強い。フアン エスナイデル監督は、名古屋について「シャビエルが加わったことでレベルは上がった」と話す一方、笑顔も見せた。
「今すぐにでも試合したい、できれば僕も選手として戦いたいくらいです(笑)。というのは、相手は良いチームだし、こういう状況での試合というのは、サッカー選手にとってこれ以上ない舞台が整っているはずだからです。全員が同じ(試合を楽しむという)気持ちで試合に入り込んでほしいと思っています」
ジェフにとって5連勝を決めた前節のFC町田ゼルビア戦は、収穫と課題を再確認したゲームだった。
得意のプレスから2点目を奪ったが、決定機に決め切れず相手に反撃を許す。そこからの1失点は、今シーズンのチームが抱えている「決め切る」「守り切る」という課題である。しかし、そうした試合でもチームが一体感を持って最後まで戦い、結果として勝点3を得られるようになったことは収穫であり、今のチームが手に入れつつある強さだ。もちろん名古屋戦でも、そうして積み上げてきたジェフのサッカーを表現したい。
キム ボムヨンが言う。
「チームの雰囲気も良いですし、みんなのプレーの感覚もいい。ミスからの失点がなければ次も勝てます。この雰囲気を最後まで維持できれば負けない自信があります。最後まで準備を怠らずに頑張りたいと思います。でもこの時期の戦いは、下から追い上げていくチームに勢いがあります。僕たちのやることは変わりません。楽しみな試合です」
名古屋も好調だ。最近5試合の戦績は4勝1分け。もともと“J1仕様”と評されるポテンシャルの高い選手がそろっているが、風間八宏監督の下で名古屋のサッカーを作り上げ、それが確立されつつある。
メンバー構成など予想できない点が多いため、問われるのは試合の状況に応じて臨機応変に対応する柔軟性だ。それぞれが自分の役割をこなし、試合時間、スコア状況に合わせて“正しい判断”をする。まさにチームとしての総合力が問われる一戦となるだろう。
佐藤勇人が言う。
「まずは6連勝をする。それしか考えていません。今、ウチはプレーオフ進出のため、名古屋は自動昇格のため、お互い勝点3が必要な状況で、(双子対決については)ここまで来たら意識する部分はありません。引き分けはいらない。勝つか、負けるか。ハッキリさせる気持ちで臨んでいきます」
アウェイの難しい試合となるが、敵地に対する苦手意識はもはやない。自分たちのサッカーを表現し、それを貫き、決めるべき時に決め、守るべき時に守る。それを確実に実行すれば、相手がどこでも負けるはずがない。
フアン エスナイデル監督
名古屋は(ガブリエル・)シャビエルが加わったことによってレベルは上がりました。彼は本当にうまいです。でも私の個人的な見解では、名古屋はやりたいことに関しては(シーズン当初から)変わっていないと思います。レベルが高くなったということです。ホームで対戦したときと比較して言うと、システムや選手は変わっているかもしれませんが、我々のやりたいサッカーをするということは同じです。そういう意味では楽しい試合になるでしょうし、いろいろなオプションが必要になるでしょう。今すぐにでも試合したい、できれば僕も選手として戦いたいくらいです(笑)。というのは、相手は良いチームだし、こういう状況での試合というのは、サッカー選手にとってこれ以上ない舞台が整っているはずだからです。全員が同じ(試合を楽しむという)気持ちで試合に入り込んでほしいと思っています。
溝渕 雄志
(プロA契約締結後、初の試合となった町田戦は)自分はあまり気にしていなかったのですが、A契約になって(周りが自分を)見る目が厳しくなり、少しでも集中していないようなプレーがあれば浮かれていると思われるでしょう。そういう姿は絶対見せちゃいけないと、すごく気を引き締めて臨んだ試合でした。その点で結果を出せたというのはすごく良かったです。だいぶ集中して安定した守備ができるようになってきましたが、100点かというとまだまだだし、ずっと課題である細かいミスが町田戦もあったので、そこを見直して次の名古屋戦に向けてもっと良くしたいと思います。
(名古屋は)良い選手が前にいるので、マッチアップした選手にしっかり体を寄せて、球際で勝つことが大事になると思います。ジェフも名古屋と同様、前に良い選手が多いので、点を取ってくれるという信頼感もあるし、じれずに90分間我慢強く闘いたいです。
キム ボムヨン
(5連勝で)チームの雰囲気も良いですし、みんなのプレーの感覚もいい。ミスからの失点がなければ次も勝てます。この雰囲気を最後まで維持できれば負けない自信があります。最後まで準備を怠らずに頑張りたいと思います。(前節・町田戦は)1点目は素晴らしいシュートが入り、2点目は相手のミスから得点につながりました。最後まで走ったチームメイトに感謝したいです。(名古屋戦に向けては)相手も連勝していますし、先発の11人だけでなくサブも含めて良い選手が揃っていて、J1でも通用するメンバーです。でもこの時期の戦いは、下から追い上げていくチームに勢いがあります。そんな僕らに対し、名古屋がどれだけプレッシャーを感じるか。僕たちのやることは変わりません。楽しみな試合です。
熊谷 アンドリュー
(町田戦で)僕がピッチに入ったときはリードしていたので、監督が「中盤を締めて攻撃ではボールを持ちながら時間を使ってくれ」ということを求めていて、役割がハッキリとしていました。うまくできた部分もあるので、それを続けたいです。
(名古屋戦に向けては)自分の役割をしっかりやることが大切です。チームも良い状況なので、勝てるようにプレーをしたい。(ボールを奪い切ることについては)自分の持ち味なので、もっと試合中にできるようにしたいです。前回の対戦では相手の中盤の枚数が多く、後手に回ることも多かったのですが、みんなで話し合って改善したいと思っています。名古屋がつないできてくれたほうがやりやすい。強く相手に当たれば、自分たちのサッカーはやりやすいと考えています。
佐藤 勇人
まずは6連勝をする。それしか考えていません。名古屋は夏場に新しい外国籍選手が加入して、チームとしての力も上がり、得点力も向上しました。そのスタイルを築いているからこそ、自信を持っているのだと感じます。前回対戦のホームでの試合(第3節)とは違った展開になると思っています。(佐藤寿人選手との対戦については)シーズン当初はお互いに「昇格をかける試合になれば面白い」と話していました。今、ウチはプレーオフ進出のため、名古屋は自動昇格のため、お互い勝点3が必要な状況で、(双子対決については)ここまで来たら意識する部分はありません。引き分けはいらない。勝つか、負けるか。ハッキリさせる気持ちで臨んでいきます。
為田 大貴
いつも一緒にトレーニングしているので誰が入ってもやることは変わらないし、自分は周りに生かされる選手なので、うまく生かしてもらってドリブルやパスで(マークを)はがしていきたいと思っています。(名古屋とは、自身が福岡に在籍していた)去年にJ1で対戦しましたが、サポーターも多いですし、ちょっと変なアウェイの空気を感じました。でも自分たちは勝たないと先がないので、その中でもしっかり勝って次につながる試合をしたいです。(ボールを)つないでくるチームなので持たれる時間は多いと思いますし、試合の流れ次第では押し込まれるシーンも多くなると思いますが、相手の特徴的な選手を抑えつつ、みんなで押し返す力を持っていきたいと思います。今のジェフは全員が自分たちの信じるプレーを迷わずにできているし、チームとして勢いがあります。名古屋は勝たなくてはという“力み”があるだろうし、先制点を大事にして臨みたいと思います。
町田 也真人
町田戦に勝って5連勝をしたことで、チームの雰囲気は非常に良いものになっています。名古屋もつないでくるチーム。攻撃面では良い選手がたくさんいますが、ボールを奪った後は(ジェフの)カウンターが決まりやすい相手だと思うのでそこを狙っていきたいと考えます。多少メンバーが代わると思いますが、ウチには試合に出たくてうずうずしている選手がいるので、やってくれると思っています。自分も試合に出られないときはそう思っていたので(笑)。今はその効果を出せる良いチームになっていて、監督も今はこのシステムにも感触を得ていると感じます。個人としては“決定的な仕事をする”ことと“ミスをしない”ことに注力し、6連勝を目指して頑張ります。
[前節の結果/名古屋]
岡山 0-1 名古屋
[前節の布陣/名古屋]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/名古屋]
10/07 山口 1-3 名古屋
10/15 名古屋 3-2 湘南
10/21 長崎 1-1 名古屋
10/29 名古屋 4-2 群馬
11/05 岡山 0-1 名古屋
[過去の対戦成績]
08/04/19 名古屋 3-2 千葉
08/09/23 千葉 2-1 名古屋
09/06/20 名古屋 0-1 千葉
09/08/19 千葉 0-2 名古屋
17/03/11 千葉 2-0 名古屋