最高の内容と、最高の結果だ。
第41節。生き残りを懸けた大勝負でアウェイの名古屋グランパス戦に臨んだジェフは、後半に3つのゴールを奪って3-0と完勝。連勝を「6」に伸ばし、勝点を「65」に伸ばした。
試合後のフアン エスナイデル監督は、「ファンタスティック」という言葉で選手たちを称えた。
「選手に注文したことはすべてやってくれましたし、それ以上のことをやってくれました。誰が見ても分かると思いますが、相手よりも上でした。勝てばいいということではなく、勝ち方が大切であるといつも言っています。これです。ファンタスティックな試合でした」
スタメンは4-2-3-1の布陣。GKは佐藤優也。最終ラインは右から溝渕雄志、近藤直也、キム ボムヨン、比嘉祐介の4人。ボランチに佐藤勇人と熊谷アンドリューが入り、2列目は右に町田也真人、トップ下に船山貴之、左に為田大貴の並び。1トップにはラリベイが入った。
前半の立ち上がり、ジェフはイージーなミスを連発してリズムをつかみ損ねた。それでも「焦ることはなかった」と近藤が振り返る。
「試合序盤に少しミスが多かったのは、やっぱり経験の少なさだと思います。だからああいう展開になることは予想していたし、特に焦ることもありませんでした」
15分を過ぎたあたりからボールが落ち着き始め、それと同時に前線からのプレスも機能。町田や佐藤勇人が何度も相手からボールを奪い、ミスで失いかけたリズムを取り戻させた。ボランチの熊谷アンドリューが言う。
「前半、個人的なフォーマンスは良くなかったんですが、勇人さんが引っ張ってくれました。ボールを奪い切るところまでやってくれていたので、自分もやらなきゃと。緊張もあったし、いつもどおりできないところもありました。でも、今日はそれをチーム全体で修正できたことが大きかったと思います」
前半は両者スコアレスのまま終了。迎えた後半、名古屋はFW玉田圭司に代えて長身FWシモビッチを投入する。しかし流れをつかんだのは、前半の課題を見事に修正したジェフだった。
まずは54分、熊谷の縦パスに抜けた船山が右サイドを突破し、グラウンダーのクロス。ゴール前に飛び込んだラリベイが冷静に押し込んで先制点を奪う。続いてわずか9分後の63分、相手最終ラインからボールを奪った町田がドリブルで運び、粘ってクロス。これを為田が落ち着いて決め、リードを2点に広げた。
ゴールラッシュは止まらない。さらに2分後の65分、今度は左サイドを突破した為田がラストパス。巧みな動きで相手のマークを外したラリベイがワントラップから流し込み、ジェフのリードは3点に広がった。
2つのゴールを奪ったラリベイが振り返る。
「後半はチームがとても落ち着き、さらに強い気持ちを持ち続けることもできました。自分のゴールシーンはどちらもフリーでしたし、1点目はタカ(船山)、(自身の)2点目はタメ(為田)からのナイスアシストでした。2点目はタメとのタイミングも合いましたし、スペースを作る動きでフリーになることができました」
3点のリードを奪っても集中力は最後まで途切れず、90分間走り抜いたジェフは3-0で勝利。アウェイで難敵を下し、また未来への可能性をつないだ。
レギュラーシーズンはラスト1試合。「1つずつ」の積み重ねが、今、大きな力になりつつある。