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2018 SEASON MATCHES試合日程・結果

SEASON

4失点完敗も、手にした収穫



フクアリに柏レイソルを迎えた「第23回 ちばぎんカップ」は、後半に失点を重ねて1-4で完敗。現時点でのコンディションや選手個々とチーム全体の能力における“違い”を見せつけられる結果となったが、確かな収穫と課題を見つける上で有意義な90分だった。

「意味のある試合だったと思います。次に向けて、いろいろな結論を出すことができるはずです」

フアン エスナイデル監督も充実の表情でそう語り、この試合の意義を強調した。

スタメンは4-3-3の布陣。GKはロドリゲス。最終ラインは右に山本真希、中央に近藤直也と増嶋竜也、左に高木俊弥の4人。アンカーのポジションに熊谷アンドリューが入り、両脇に矢田旭と茶島雄介が位置。3トップは右に町田也真人、左に為田大貴、中央にラリベイが並んだ。

前半のジェフは、先日AFCチャンピオンズリーグ本戦出場を決めた柏を押し込んだ。開始直後の1分には右サイドから、3分には左サイドからクロスを上げてチャンスを演出。10分には町田、17分には為田がシュートを放つなど、攻撃をフィニッシュまで持ち込むシーンがいくつか見られた。

ジェフは最終ラインから中盤、前線へと細かく丁寧にパスを回し、得意とするサイドチェンジでも相手を揺さぶる。カウンターからピンチを招く場面もあったが、前半のほとんどの時間帯でジェフが主導権を握ったと言っていい展開だった。山本真希が振り返る。

「前半はある程度の手応えをつかめる内容だったと思います。相手に前を向かれるシーンもありましたけど、前線からハメようとする守備に伴うリスクでもあるので。そういう場面を作られても慌てずに対応しながら、ボールを奪い返すシーンもいくつかありました。開幕までに細かい部分を修正したいと思います」

しかし、スコアレスのまま迎えた後半、流れは一気に失われた。

キックオフ直後の46分に先制点を奪われると、このプレーをきっかけに柏がペースを握り始める。ジェフはイージーなパスミスも目立ち、リズムを作れず防戦に回った。61分には矢田に代えて岡野、為田に代えて指宿を投入し、システムを3バックに変更したが状況を変える一手にはならなかった。

指揮官が振り返る。

「こういう試合に後半途中から入るのが難しいことはよくわかっていますし、途中から練習でもほとんど試していないようなシステムに変えました。つまり、後半の責任は私にあります。選手たちのせいではありません。ただし、後半の入りに関してはもっと集中しなければなりません」

劣勢を強いられると、徐々にフィジカルコンディションの差もピッチに表れ始めた。その後はペースを取り戻すことができず、74分、84分、さらにアディショナルタイムの90+4分にも失点。途中出場した指宿洋史が1点を返したが、結果に結びつけることはできなかった。

ただし、完敗と言える結果とは裏腹に、ポジティブな側面も多く見られた試合だった。コンディションの差を考えれば、後半の巻き返しがうまくいかなかったことは想定内。逆に主体的にボールを動かし続けた前半は、“ジェフのサッカー”がJ1屈指の強豪にも通じることを示した。

キャプテンの近藤直也が言う。

「今日の出来が良くても悪くても修正すべきポイントは必ずあります。自分たちのやろうとするサッカーを高いレベルに持っていくために、細かいところに目を向けて準備したいと思います」

いよいよ開幕する2018シーズン。この90分間で手にした課題をクリアし、東京ヴェルディとの開幕戦に臨みたい。