待望の今シーズン初勝利は、大量6得点の快勝だった。
前線からのプレス、連動した中盤の守備、最終ラインの上下動と久々に“ジェフらしいサッカー”を表現し、主体的にゲームをコントロールして先制点を奪った。その後も集中力を切らすことなく、追加点を奪ってしっかりと逃げ切る。勝点3以上に、今後に期待させる手応えを90分を通じて感じられた。
3-4-2-1のフォーメーションでダブルボランチの一角に入った頼れるベテラン、佐藤勇人が振り返る。
「チームが苦しいときに出番が来るだろうと覚悟を決めていました。ポジショニングや距離感が良く、(ボールを)失うことにフォーカスするのではなく、失った後にボールを奪いに行くことにフォーカスできました。失ったあとに行くところが昨シーズンの強みだったので、これをやり続けなければいけません」
中3日で迎える3連戦のラストは、再びフクアリで京都サンガF.C.と対戦する。第5節終了時点で1勝2分2敗と黒星が先行しているものの、DF田中マルクス闘莉王やFW小屋松知哉、さらに今シーズンから加入したウルグアイ人FWレンゾ ロペスと個の能力が高いタレントが揃った強敵だ。
フアン エスナイデル監督が言う。
「京都は(対戦するにあたり)難しいチームだと思います。直接的な攻撃は本当にうまくやってきます。外国籍の強い選手と契約しました。体が強いし、シュートもうまい。しかも中から崩すプレーもうまいですし、そういう意味でも簡単なチームではないです。我々がしっかり準備をしなければ、本当に厳しい試合になるでしょう」
指揮官は「そういうスタイルのチームに対しては、常に手こずっているという印象があります」と続け、準備と決定力、さらにインテンシティの重要性を口にした。
決定力については、カマタマーレ讃岐戦で6得点を記録した攻撃陣が好調を維持できるかどうかがカギとなるだろう。スタメン出場でチーム2点目を記録した清武功暉が言う。
「昨シーズンも春先は得点が取れていたので、良いイメージをもって継続していきたいです。まずは連勝することが大事になります。(京都は)ディフェンスラインには強い選手も多いのですが、僕らがプレスをすれば良いサッカーができます」
清武の言葉のとおり、攻撃陣の動き出しを合図とするチーム全体の組織的な守備、その精度を保つことが結果的に良い攻撃に結びつくことは間違いない。讃岐戦では今シーズン初めて3バックで臨んだが、素晴らしい安定感で相手に決定機を作らせなかった。
中でも、ルーキーながら落ち着いたプレーを見せている鳥海晃司の存在がたくましい。
「(讃岐戦は)勝たなければならないという気持ちでトレーニングに臨んでいましたし、試合にも入りました。その中で、気持ちの面でも熱いプレーが出せました。シュートで終わっているシーンが多いからこそ、カウンターを受けるシーンが少なかったと考えます。それをサポーターの方々も望んでいたと思います」
昨シーズンとの比較で考えれば、一度つかんだ手応えを持続させ、結果に安定感を持たせられるかどうかが今シーズンの大きな課題だ。それを完全に克服するための第一歩として、連勝を記録することができるか。スタートダッシュに失敗したからこそ、この1戦の“結果”は間違いなく大きな意味を持っている。
フアン エスナイデル監督
京都は(対戦するにあたり)難しいチームだと思います。直接的な攻撃は本当にうまくやってきます。外国籍の強い選手と契約しました。体が強いし、シュートもうまい。しかも中から崩すプレーもうまいですし、そういう意味でも簡単なチームではないです。我々がしっかり準備をしなければ、本当に厳しい試合になるでしょう。そういうスタイルのチームに対しては、常に手こずっているという印象があります。なので準備をして、決定力を上げる。そしてインテンシティは絶対に下げない。しっかり競争しなければ、問題が起こりやすくなるでしょう。
このホームでの試合は本当に大好きなので、試合間隔が短い中ホームで試合ができるのは良いことですし、この状況はうれしく思っています。それをうまく活用できるようにしたいです。
山本 真希
(讃岐戦は)先制点が取れたのが大きかったし、自分たちがやりたいことをやろうとした結果が出たかなと思います。(徳島戦の)メンバーから外れてしまったことは本当に悔しかったですし、何が何でも勝って結果を残したいというのがあったので、とりあえず勝てて良かったです。(6点を6人で記録したことについては)それだけ点を取れる選手がいて、どこからでも点が取れるというところも、このチームの良さだと思うので、それが出て良かったかなと思います。(自身の)得点はおまけですね(笑)。なかなか点が入らなくて、チームとしてもたまっていた部分があったと思うのですが、勝ったことで若干気持ちが楽になったので、また気持ちよくプレーできるかなと思います。
(京都戦は)まだ誰が出るか分からない状況ですが、開幕スタートダッシュができなかったので、ここからどんどん上がっていけるように連勝したいです。
エベルト
ずっと勝利を求めて戦ってきたので、(讃岐戦で)やっとそれをモノにできて嬉しかったです。すごく幸せな気持ちでした。自分たちが慣れ親しんだホームで勝利を得られたというのも、さらに嬉しかったです。(近藤選手と鳥海選手と初めて3バックを組んだことについては)もう何度も彼らとはトレーニングの中でやっていますし、彼らのやり方というのも自分は分かっています。近藤選手の経験値の高さと鳥海選手の精度の高さは、自分自身にとってすごく助けになりました。
(京都戦に向けては)うまくいったところはさらに精度を上げていく、同時にうまくいかなかったところにもしっかり目を向けて修正していく。それが大事になっていくと思います。勝利によって自信を持つことは大事なことですが、毎試合毎試合まったく別のゲームですから、次の試合に向けて新たに気持ちを切り替えるということが大事になりますね。
鳥海 晃司
(讃岐戦は)勝たなければならないという気持ちでトレーニングに臨んでいましたし、試合にも入りました。その中で、気持ちの面でも熱いプレーが出せました。勝ちに恵まれない中で6得点を取りました。チームとしてたまっていたものが爆発したと感じます。シュートで終わっているシーンが多いからこそ、カウンターを受けるシーンが少なかったと考えます。それをサポーターの方々も望んでいたと思います。シュートで終われるシーンが出て良かったです。
(京都戦も讃岐戦に続いて)ホームでの試合となります。前回勝ったからこそ、そのあとが大事になります。個人としてもしっかりと準備をしてケアしたいです。そして讃岐戦で達成できなかった無失点試合で勝てれば一番いいと思います。
佐藤 勇人
(讃岐戦で)試合に入るイメージはかなりしていましたし、チームが苦しいときに出番が来るだろうと覚悟を決めていました。ポジショニングや距離感が良く、(ボールを)失うことにフォーカスするのではなく、失った後にボールを奪いに行くことにフォーカスできました。失ったあとに行くところが昨シーズンの強みだったので、これをやり続けなければいけません。いつものシステムではないことで、自分たちで考えてプレーをしました。試合前、試合中、お互いで話し合いができました。
京都戦のシステムや、自分がピッチに立つかどうかは分かりませんが、(讃岐戦で)自分たちで行動を起こすことや、コミュニケーションを取ったりすることを示せたことはプラスだと思っています。これを続けないと意味がありません。“誰が出ても勝つ試合をする”。みんなで勝つ準備をしていきたいです。
清武 功暉
(岐阜戦、讃岐戦とフクアリ連続得点を挙げたことについては)昨シーズンも春先は得点が取れていたので、良いイメージをもって継続していきたいです。なかなか試合に絡めていないので、あの試合(讃岐戦)にかける思いも強く、それが前からの良いプレスになったと思っています。これを継続して、誰が出てもいいプレスができればいいと考えます。
(京都戦に向けては)まずは連勝することが大事になります。4月に入るとアウェイでの試合が続くので、京都を叩いてアウェイ・大分に乗り込みたいと思います。(京都は)ディフェンスラインには強い選手も多いのですが、僕らがプレスをすれば良いサッカーができます。相手はセットプレーの精度が高く、中で合わせる田中マルクス闘莉王選手もいるので警戒をしたいです。
船山 貴之
(讃岐戦で挙げた)今シーズン初勝利はうれしいのですが、ここからどうスタートさせるかが大事になります。(ゴールシーンは)うまくこぼれてきてくれました。特に狙っていません(笑)。ラリベイ選手との距離感が良かったですし、ボランチを助けながらプレーしようと考えてピッチに立ちました。その中で自分にボールが入ったときにミスが多かったので、反省をしなければいけません。先に得点を取ったあと、1-0の状態が続きました。直近の試合では危ない場面が多かったので、そこで追加点を続けて取れたことは良かったと感じます。
(京都戦に向けては)続けてホームゲームなので、移動がありません。そこは僕らにとって有利になります。しっかりと京都を叩きたいと思います。
[前節の結果/京都]
京都 0-1 岡山
[前節の布陣/京都]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/京都]
02/25 京都 0-2 町田
03/03 福岡 2-2 京都
03/11 新潟 1-1 京都
03/17 京都 2-1 岐阜
03/21 京都 0-1 岡山
[過去の対戦成績]
15/04/05 京都 0-2 千葉
15/09/13 千葉 1-1 京都
16/05/07 京都 1-1 千葉
16/10/08 千葉 0-3 京都
17/04/01 千葉 2-2 京都
17/09/30 京都 2-0 千葉